日本の少子高齢化という課題に向き合い、情報サービス事業を展開する「アクトインディ株式会社」。
2008年にスタートした子どもとお出かけ情報サイト『いこーよ』(iko-yo.net)は、年間利用者数4600万人という人気を誇っています。
代表取締役社長の下元敬道氏、総務の村下優美氏、事業推進マネージャーの鎮目美代子氏に、学生スタッフがインタビューさせていただきました。
学生時代から起業することを考えていたという下元氏に、学生時代のことをお聞きしました。
真面目じゃない学生でした(笑)
プロ野球選手を目指して野球に打ち込んだ学生時代を過ごした下元氏は、大学でも野球部に入部し入学前から入寮して練習していました。
入学式に参加しただけで履修届を出さないまま生活していたら、5月の連休明けに、在学なしという連絡が実家に届いてしまいました。
どうやら履修登録をしていないから、他の大学に行ったと判断されてしまったようです。
武両道のもと野球をやらせてもらう約束をしていたため、父親が激怒。
結局、半年で野球をやめることになりました。
もともとプロ野球選手になれなかったら経営者になろうと思っていたため、大学では経営学部に入学。
野球を辞めてできた時間は、図書館に行って経営者の本やビジネス書など本を読むことに使いました。
本はいいよね。読むことで他の人が経験したことを疑似体験できる
必修の授業以外は図書館や空き教室に友達と集まり、新聞の経済面を開いて企業の来期の戦略を考えるなど「小さな総研(総合研究所の略)」と呼ぶ遊びをしました。
インプットばかりではなく、友達とビリヤード場の経営に関わらせてもらう機会を得て、儲かる仕組みを考え、お酒を安く仕入れるところを探し、ビリヤードを習いたい人のために練習の時間を設け、リピーターを増やすためにポイントカードを作るなど、実践的なことにも取り組みました。
株ください!
株を買いにも行きました。
自分で会社を作りたくて調べているうちに、株がどのようなものか知らないと株式会社が作れないと思ったので、証券会社に直行です。
学生時代は時間があってもお金がないですが、学生が何かやろうとすると大人が応援してくれたりします。
責任がないから簡単に始められるし、簡単に止められます。
学生時代にいろんな体験や経験をしたことが、一番の財産
学校側からみたら不真面な学生かもしれませんが、自分で考えて実行することが大事だと思っていました。
よく内定者から「入社までにどんなことをしたらいいですか?」と質問されますが、「入ったら嫌でも仕事するのだから、学生の時にしかできないこと、色々な体験をしてから入社してください」と答えています。
色々な経験をすることで、世の中が色々なもののおかげで成り立っていることが見えたりします。
普段、自分が進んでやらないようなことにトライしてみるのもいいと思います。
面接などのやり取りで、圧倒的に不利なのは学生
学生は社会のことをほぼ知らないから、会社側は自社のことを何とでも言えるし、何とでも見せることができる。
だから、学生から見て本当にいい会社なのか区別がつきにくい。
私は、この会社の実態を正直に学生さんに伝えて、「自分たちが見て本当に納得のいく会社に行った方がいいよ」と伝えています。
自分の主義・主張や価値観が合うかどうかは、その会社に入ってみないとわかりません。
就活ではそれを見抜こうとして最大限頑張るべきだし、自分の判断で(先輩や親が言ったからとかではなく)自分が決めるということが大事です。
仕事は楽しいこともあるし、辛いこともあります。
自分の人生で仕事をしている時間が一番長いわけですから、「自分の生き様として合格する職場かどうかを上から目線で選んでいい」と思います。
個人的には、インターンだと思って最初の会社に入ればいいと思っています。
働いてみてどうしても相容れないところがあると感じたら、それは転職したほうがいいと思います。
でも、その(会社の)サービスがすごくいいと感じていて、それを担える人間になりたいと思うのに、自分のスキルがなくて相当の努力をしなければならないという壁にぶつかった時に、逃げるような転職はよくないと思います。
仮に転職するにしても、採用する側にメリットがなければ採ってもらえないわけだから、入った会社なり出会ったできごとの中で自分を磨き、実力を養わなければなりません。
社会をちゃんと知るという意味でインターンをすると思って会社を選び、入った所で先ずは一生懸命やってみるのがいいのではないでしょうか。
僕自身、商社に就職してそれなりに一生懸命やっていましたが、社長なり会社全体の考えていることが性に合わなくて、9カ月で辞めました。
その後、社長と社員一人の会社に転職をしたのですが、とても素敵な会社で社長も素敵な人だったので、一生懸命仕事をしながら少しずつ力を付けて独立起業までこぎつけました。
最初の会社に入ったことに全く後悔はなく、「むしろいい経験だった」と思っています。
人から言われると人のせいになってしまうので、自分で決めたうえでその会社に入る。
入ってから色々なことはあるでしょうが、「それをどうプラスに活かすかを考えて進んでいけばいい」と思います。
プロフィール
下元 敬道(しももと たかみち)41歳
1976年12月、高知県生まれ。 青山学院大学経営学部卒業。商社、ネット広告企業を経て2003年に26歳で独立し、アクトインディ株式会社を設立。 独立の思いは「ネットを使って世の中に価値を発信し、課題解決をしたい」。
当時、情報不足が問題となっていた葬儀業界の課題を解決したいと考え、ネットを活用して優良な葬儀社を紹介するサービスを日本に定着させた。この事業を経験して「情報の活性化が、業界と利用者双方から喜ばれる」ことを確信。その思いを持って子育て層・子ども向けサービスに着手し、2008年に「子どもとお出かけ情報サイト『いこーよ』」をスタート。現在、「いこーよ」は子育て層の8割が利用するサービスに成長している。
「インターンの気持ちで会社に入ってみるといい」という言葉は、就活や仕事の選び方のよいアドバイスになりました。
後編は、経営者としての意識やリーダーシップ、企業の魅力などを伺います。
取材 RanRun学生スタッフ 原慧理加(東京女子大学)