運動量の多い人ほど「酪酸菌」の占有率が高い

サッカー元日本代表の鈴木啓太氏が創業、腸内フローラを研究する「AuB」が、プロのアスリート362人と一般人132人の腸内細菌を比較し、運動量の多い人ほど「酪酸菌」の占有率が高く、そのメカニズムに「ビフィズス菌」も関与している可能性があると、「腸内細菌学会」で発表。
サッカー元日本代表の鈴木啓太氏が社長を務めるバイオベンチャーのAuB(オーブ)(株)(東京都中央区)は、プロのアスリートと一般人の便中の腸内細菌を解析した結果、「日常の運動量の多い人ほど、酪酸菌の占有率が高くなり、酪酸菌とビフィズス菌の占有率を合わせるとほぼ一定の割合となる傾向がある」ことを確認した。
運動量の多寡によって酪酸菌の占有率が変化することは、同社のこれまでの研究で発見していたが、そのメカニズムは明らかになっていない。
今回の調査結果により、ビフィズス菌がそのメカニズムに関与している可能性が伺えた。
今後は、運動習慣があるほど酪酸菌が多くなるメカニズムについて、さらに調査を進め、様々な健康課題の解決に活用していく。
同社は本研究結果を、「第26回 腸内細菌学会」(2022年7月7日・8日開催)で発表した。
<概要>
プロのアスリート362人のデータと、アスリートとは別に得た一般人(成人)132人の腸内細菌の解析データを比較。
一般人は、日常の運動量に応じて3つの群(「ほぼ運動をしない(40人)」「強度の低い運動をする(45人)」「強度の高い運動をする(47人)」)に分類。
<結果>
ヒトにとって有用な腸内細菌、酪酸菌は、「プロアスリート」が最も高く、平均約13.2%となった。
酪酸菌の占有率は、運動量が少ない人ほど低くなり、「ほぼ運動をしない」一般人が最も低い平均8.2%という結果を得た。
また、運動量が異なるグループ間の比較でも、酪酸菌とビフィズス菌を合わせた占有率はほぼ同じとなることも分かった。
同社の取締役・研究統括責任者の冨士川凛太郎氏は、今回の研究結果について下記の様にコメントした。
酪酸菌は、筋肉形成や疲労回復などアスリートにとって有益に働いているという研究はこれまでもありました。
ただ、運動習慣のあるアスリートであるほど酪酸菌が多く、ビフィズス菌の占有率と合わせると一定の割合になる傾向があることについては、詳しいメカニズムは分かっていません。
一方で、いずれの菌もヒトにとって重要な役割を果たしており、一定の割合で両者が必要であると考えています。
また、「運動習慣が腸内細菌に影響を与える」という事は、当社のこれまでの研究から間違いありません。
食事だけでなく、腸内環境を良くするための運動方法についても、今後見出していきたいと考えています。
AuBとは
AuBは2015年10月創業の、アスリートの腸内細菌を研究する企業。
代表取締役の鈴木啓太氏は、サッカーJリーグチームである浦和レッドダイヤモンズのプロ選手(2000年1月-2016年1月)で、日本代表(A代表)でも活躍した、元トップアスリート。
鈴木氏は、調理師の母親に幼少期から「人間は腸が一番大事」「便を見なさい」と言われて育ち、腸内環境の重要性をいち早く認識し、現役時代からお腹でコンディションを整えてきた。
アスリートの健康的な腸内環境の研究を武器にサプリやプロテインなどを開発
現在は、「フードテック事業」と「新菌の発見」に注力している。
「フードテック事業」では、腸内フローラをケアする商品(サプリメント、プロテイン)と、多様な菌(腸内の細菌)を育てる栄養補助食品を、自社EC(電子商取引)サイト「AuB STORE」で販売している。

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