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コロナに負けるな!第4回スポーツ女子の食を支えるレシピコンクールの参考に

青学駅伝部 夏の体づくりと大腸によいランチ withコロナの食習慣

フード 2020/08/08

「やっぱり大作戦」「ゴーゴー大作戦」
スポーツ女子の皆さんは、この作戦名をご存じですか?
これらは箱根駅伝で5度の優勝を果たした、青山学院大学駅伝部の原晋監督が毎年掲げることで有名な作戦名です。
青学駅伝部の強さと食事の関係にはどのような作戦があるのでしょうか。

大腸活コンソーシアム(参画企業:武田コンシューマーヘルスケア株式会社、帝人株式会社、東亜薬品工業株式会社、森永乳業株式会社)は8 月 5 日(水)、大腸の腸内フローラをケアする「大腸活」とみんなで食べる「共食」の価値を広めるため、第 2 回目となる「みんなと食べる!大腸活テーブル」オンラインランチ会を開催しました。

本イベントでは、「夏の体づくりと大腸によいランチ」と題して、青山学院大学陸上競技部長距離ブロック監督の原晋さん、原監督の奥様で同大学陸上競技部の町田寮の寮母を務める原美穂さん、同大学の長距離ブロック主将の神林勇太さん、フィジカルトレーナー・青学駅伝チームトレーナーの中野ジェームズ修一さんの 4 名が登壇し、青学・駅伝部の強さの秘訣は何なのか、指導者目線や選手目線、トレーナー目線などさまざまな角度からお話をされました。

 

大腸活大作戦!約250名の参加者全員で 「いただきます!」

原監督は大会でさまざまな作戦を立てることで有名ですが、今回はテーマのひとつである「大腸活」を今後の作戦に取り入れてもらうべく、原監督の「大腸活大作戦!」の掛け声に、参加者全員が青学を象徴するナンバーワンポーズで「いただきます!」を声に出し、ランチ会がスタートしました。
ゲスト4名がランチの画像と共に、作る際に気を付けること、食事のコツなどを紹介します。

 

原監督と神林選手は寮で食事をするため、美穂さん手作りのランチ。

この日のメニューは、肉炒め、白米、玉ねぎ・ワカメ・麩・シソの葉を入りの具沢山味噌汁。
「色んな品目を取り入れたく、本当はトマトを入れたかったのですが…神林君がトマト嫌いで今回はやめておきました」と美穂さん。
「朝と夜はトマトを出すため、3食はかわいそうなので」と笑いを交えて紹介していました。

 

原監督が合宿でのメニューを例にポイントを紹介

「長距離選手は甘いものは食べないのではとよく言われますが、我が男子チームはそこまで管理・監督せずに食事を楽しみバランスよく栄養を摂るようにしています。
1 食で全ての栄養を摂るのではなく、1 日 1 週間 1 ヵ月と長いスパンで考えて、嫌いなものも我慢して食べ広く栄養を摂ることが長距離選手として大切な要素です」とコメントしました。

 

中野トレーナーのランチメニューは、いわしのパスタ、トマト、ヨーグルト、桃。

品目を多くすることを意識して作るというランチは、栄養はもちろん見た目もカフェで出てくるような雰囲気です。
「まず品目をできるだけ多くすること。今回はいわしのパスタですが、青魚を使っているので DHA・EPA が摂れ、疲労回復にもつながりアスリートにぴったりです。トマトにはビタミン Cが多く含まれており夏に重要な栄養素だと思います」といい、パスタの量が少なくても品数を多くすることで1日に摂りたい品目の半分が昼食で摂れると紹介しました。

よく1日30品目取るといいと聞きますが、実は品数を増やし過ぎるとカロリーオーバーに繋がってしまうため、14品目くらいがちょうどよいのだそうです。

中野トレーナーは、「日々毎日コツコツ練習、コツコツ食べる。嫌いな練習もする、嫌いなものも我慢して食べる。そういったことがアスリートとして大切なことです」と言うと、原監督が「いいスポーツカーが、ガソリンが入っていないと動かないのと同じ」とコメントしました。
体力があっても、食べなければ力を発揮できないということを強く感じました。

 

夏の免疫力低下を防ぐためにしていることは?

夏は、室内外の寒暖差で自律神経が乱れやすく免疫力低下を招きがちです。
原監督は、脱水症状からくる熱中症を防ぐために、朝起きてコップ1杯の水を飲ますことと、味噌汁を含めた水分をしっかりとらせることを心掛けているそうです。
神林選手は、「夏は合宿で一番距離を走る時期でエネルギーが大切なので、ご飯の量を増やしながら走る距離も増やしていっています。特に炭水化物は意識的に摂るようにしています」と話しました。

中野トレーナーから「ご飯をしっかり食べることは脱水症状の予防にもつながります。糖質を1g 体に入れると水が 3g 吸着されるので、ちゃんと糖質を摂っていないと体に保水できないということになります。また、夏は発汗することでミネラル・鉄分が出ていきやすく貧血を起こしやすいと言われています。夏を頑張って乗り越えてもしっかり食事を摂っていないと秋ごろから貧血の症状が出始めてしまうので、糖質だけではなくミネラル・鉄分も意識的に摂取することが重要です」とアドバイスがありました。

 

「共食」のメリット

青学駅伝部では食事を“義務”にせず、仲間と会話をしながら楽しく食事をとっています。
「最初は好きな時間に好きなものを摂っていましたが、食事を片付ける際にそれぞれ残り物があったり栄養が偏っていることに気がつきました。アスリートは満遍なく栄養を摂るべきだと考え、一緒に食事を摂ることをすすめました。友人と会話しながら食べることで、同じ食事でも美味しく感じたり、ゆっくり食べて咀嚼回数が増えることで唾液が分泌されると栄養素の分解にいいという話もあって皆で食べるようになりました」と美穂さん。
同じ時間に全員で食事をとるようにしたことで、残す人が減ったそうです。

神林選手が「皆と楽しく食事をしています。時には 1 時間かけて食べることもありますし、こういった環境下だからこそ、食事を楽しみながらの体づくりを心がけています。また寮に入ってからは 1 度も体調を崩したことがなく、町田寮のおかげです」と話すと、原監督から「最近はコロナの影響で、家庭内でも 1 人での食事を推奨する専門家もいますが、皆で食事を摂ることのメリットもあるので、何事も一方向だけで捉えてはいけないですね」とコメントがありました。

 

 

「自主性」が生み出す青学の強さ

「よく自主性が大事だと言われるが、本当に指導者側が自主性をキーワードに指導しているのかと問いかけたい」と原監督。
原監督は、大会の1~2か月前から練習計画書を渡し、そこに向けてどう努力をするのか、選手自身にアレンジさせるような仕掛けをしていると話します。
監督側から設定タイム・本数を決めるのは1週間のうち3回程度。
残りの3回は自分たちで強度・距離を決めて走ることにしているそうです。
そうすることでターゲットとする大会に向けて“合わせる力”を得ることができると話していました。
「高校までは生徒、大学生は学生。大学生以降は上から言われたことを聞いているだけでは未来は開けません」と原監督。

 

今回Zoomを使用したランチ会でしたが、年齢や性別関係なく、共食というテーマのとおり参加者みんなで楽しみながら食事をしました。
初めての取材で慣れない中でしたが、日本を代表するスポーツ界の方々の食に対する貴重な話を聞くことができ、今後の自分の健康管理や生活にも活かしていこうと思いました。

現在、RanRunでは第4回スポーツ女子の食を支えるレシピコンクールの応募作品を募集中です。
今回のオンラインランチのお話もぜひ、参考にしてください。

 

 

取材 昭和女子大学3年 大曲彩水

 

 

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