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一橋大学ボート部×ホームメイドクッキング×RanRun 

スポーツ女子の「食」を考える座談会①

フード 2017/10/16

一橋大学端艇部(ボート部)×ホームメイドクッキング×RanRun『スポーツ女子の「食」を考える座談会』を10月2日、アスリートフードマイスター1級の土屋里恵さんをお招きし、 一橋大学艇庫(埼玉県戸田市)で開催しました。

 

一橋大学ボート部といえば、以前もRanRunでご紹介しましたが、栄養係のマネージャ―が朝・昼・晩と漕手のためのメニューを考え食事を調理しています。

参考記事 https://ranrun.jp/people/manager-01

漕手を徹底サポートするマネージャー

寮で生活する漕手の食事を作るマネージャ―は、予算の中で漕手の体作りに必要な栄養素を摂れる食材を使った献立を作っています。マネージャーも一橋大生。栄養については自分達で勉強しながら試行錯誤しています。

クックパッドや栄養計算などのアプリを活用しているものの、一橋大学の場合は70~90名分の食事を調理するので、手間がかからず、コストもかからず、栄養バランスのよいレシピとなると、レパートリーも限られてしまうのだとか。

 

大学によっては寮の食事は外注というところもあると思いますが、競技に関わる人達が「スポーツと食の関係」の大切さを知っておくことは、パフォーマンスを上げるうえでも重要なことです。

 

「マネージャーのサポートをすることで漕手を応援しよう!」をコンセプトに、「第2回スポーツ女子の食を支えるレシピコンクール」を開催したいと思います。

今回の座談会は、ボート部のマネージャ―と漕手の本音を聞きながら、アスリートフードマイスターの土屋さんがアドバイスをするスタイルで進行しました。座談会の中で見えてきた課題から、レシピコンクールの課題を導きます。

 

参加者

(一橋大学端艇部)

3年漕手 直井夏織里さん

 

3年漕手 山本茉友さん

 

3年栄養係マネージャ― 河野優華さん

 

3年栄養係マネージャ― 田畑里佳さん

 

アスリートフードマイスター 土屋里恵さん

 

 

 

1日の食事のタイミングは8回!!

<漕手の日課>
5:00 起床
5:30~8:00 練習
8:30 朝食
大学へ
17:00~19:00 練習
20:00 夕食
21時30分 消灯

<食事のタイミング>
①朝練の前にオニギリを1個
②朝練の後にオニギリを1個
③8時30分 朝食
④12時30分~13時30分頃 昼食
⑤夜練の前にオニギリを1個
⑥夜練の後にオニギリを1個
⑦20時 夕食
⑧就寝前(個人) プロテイン、シリアル、納豆ご飯などを摂って体重を維持

マネージャ―の頑張り

栄養係は、先輩マネージャ―が作って来た定番メニューに加え、漕手が飽きないようにレパートリーを増やそうとクックパッドなど活用しながら、自分で新しいメニューを考えています。

一番の悩みは、コストをかけずに70人分の量をどう確保するかということ。例えば麻婆豆腐ならお肉と豆腐だけではコストがかかるので、他の食材を加えて量を増すように工夫。

今の時期は、1年生~4年生まで全学年が揃い最も人数が多くなるため、約90人分の食事を用意しているそうです。

お米を炊く量はなんと1回に100合!
朝は6人のマネージャ―がオニギリと朝食の準備をしています。

 

 

練習前後のワークオニギリ

漕手の練習は朝と午後の1日2回。練習メニューは、朝練に比重を置いています。授業のある日は、睡眠時間・練習時間を確保すると、食事の時間は限られてしまいます。

漕手は、練習の前と後に「ワークオニギリ」と呼ぶ1個50gのオニギリを食べます。起床から練習開始まで30分しかないため、最初のオニギリは起きて直ぐ、練習直前に食べる感じです。

 

漕手からは、
「夏は朝起きて直ぐはオニギリを食べられなくて、自分の裁量でゼリー飲料にしています」
「私はオニギリを食べても、朝練の途中でお腹が空いてしまいます」
との声が。

起床から、朝食まで4時間ほど空いてしまい、しかもその間に運動をしているので、50gのオニギリでは足りないのかもしれません。

土屋さんから
「練習前はゼリー飲料で良いと思います。練習前のオニギリは、胃の負担にならないよう、よく噛むことが大事ですね。

お腹が空いてしまうのなら、朝はオニギリの他に、飲むヨーグルトやバナナ1/3本、オレンジジュースなどをプラスするのもひとつです。

または、朝練の間で準備しやすいものを摂るようにする。例えばゼリーとか、水分補給をスポーツドリンクなど糖質が摂れるものにするとかですね。
できれば、水分補給目的のボトルと糖質メインのボトルと2パターンを用意して、その時のコンディションに合わせてどちらを摂るか調節するようにするといいです」
とアドバイス。

 

午後練は寮に戻る時間も各々異なるので、練習開始の時間もバラバラになります。大体の人は練習開始の30分前くらい、16時~16時半頃にオニギリを食べているようです。


「本当は練習の30分前だと吸収もあまりよくないので、よく咀嚼をするようにしてください。練習の時はいいですが、
試合の時は、オレンジジュースとかフルーツなど試合開始から3時間前までに食事は済ませましょう。胃に何か入ったままだと消化不良を起こし腹痛の原因になるだけではなく体の動きも鈍くなってしまいます」
と土屋さん。

 

オニギリの具材

ふりかけやゆかりを混ぜたオニギリの時が多いそうですが、練習後のオニギリにはツナマヨを入れたりもするそうです。

「夏は油を使わないようにしているのでツナマヨは控えていたんですが、涼しくなってきたので、また復活しようかと思っています。コーン醤油とか、チャーハン、焼肉のタレとかも使います」
とマネージャ―。

土屋さんは、
「具材も脂っこいものだと消化に時間がかかって胸やけを起こしたりするので、練習前は梅干しとかシャケなど消化の良いものを使うといいですね。
練習後ならツナもたんぱく質が入っているのでいいですよ。練習後に鮭などたんぱく質を入れてあげるほうが、吸収がいいのでおススメです」
とコメントしました。

1日に4回食べるワークオニギリ。練習前と後で、摂りたい栄養素も異なります。漕手のモチベーションが上がるよう、具材のレパートリーも増えるといいですね。

そこで、

☆「練習前のオニギリレシピ」と「練習後のオニギリレシピ」募集!
練習前は消化のよいもの、練習後はたんぱく質が摂れることがポイントです。
コストがかからず、簡単に作れるオニギリを練習前と練習後の1セットで考えて、マネージャーさんを応援しましょう!

 

後編に続く

 

撮影 阿部 眸(立教大学3年) 文 RanRun yukiyanagi

 

 

 

 

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