長期自粛で東京都民の大腸環境が変化⁉快便偏差値ランキング1位

森永乳業株式会社では、「大腸環境」の乱れの特徴である「便秘」の状況が2020年と比較してどう変わったかを明らかにするため、2020年と同様に14項目の「便秘指標」に関する質問を行い、それぞれの回答を点数化し、その合計点数を元に「快便偏差値」を算出、ランキング化した。
その結果、快便偏差値ランキング1位の都道府県は「東京都」、2位は「神奈川県」となっており、どちらも 昨年から大きくランクアップする結果となった。
≪便秘指標≫
◎排便日数 ○排便時間帯 ◎便の臭い ◎便の形状(固さ)・色 ○残便感 ◎オナラの臭い ◎ストレス ◎運動頻度 ◎睡眠時間 ○食事の回数 ○朝食の摂取 ○水分の摂取 ○風邪の引きやすさ ○発酵食品の摂取 ※◎は20点満点、〇は10点満点の配点
長引く自粛生活で「バランスの良い食事の回数」や「睡眠時間」が増えたことがプラス要因
1位の東京都、2位の神奈川県ともに便秘指標が大きく改善している。
特に「排便日数」の点数改善率(※) は、東京都が1位、神奈川県は2位となっており、順位もそれぞれ1位、3位と前年より大幅ランクアップ。
また、東京都では「水分の摂取」の点数改善率が1位、 「便の形状・色」、「朝食の摂取」の点数改善率は5 位となっており、特に「便の形状・色」は、前年35位から今年は7位と順位も大きく上げている。
※点数改善率…2020年の点数を2021年の点数で割った値。前年点数からどの程度改善されたかを示す。改善率が良くとも、 前年の点数が悪かった場合や他の都道府県と改善率の差が少ない場合は、「2021年ランキング」の上昇に与える影響は少なくなる。
長期自粛による生活習慣の変化の面では、東京都と神奈川県はコロナ禍前より「バランスの良い食事の 回数」や「睡眠時間」が増えた人が、全都道府県の中でも1位と2位となる結果になっている。
東京都と神奈川県の便秘指標の大きな改善の背景には、コロナ禍前と比べて食事や睡眠などの生活習慣を改善した人が増えたことが影響していると推察される。
※生活習慣の変化の「発酵食品の摂取量」は、コロナ禍前と比較した「発酵食品の摂取量の増減」であり、便秘指標の「発酵食品の摂取」が示す、回答時点の「発酵食品の摂取頻度」とは別のもの。
テレワーク者の方が「バランスの良い食事の回数」や「発酵食品の摂取量」が増える傾向
週1回以上テレワークをしているテレワーク者と通常勤務者の生活習慣の変化を比べてみると、テレワーク者の方が「バランスの良い食事の回数」や「発酵食品の摂取量」、「睡眠時間」が増えたと答える人が多くなる傾向があった。
東京都、神奈川県ともに、テレワーク率(働いている人のうち、週1回以上テレワークしている人の割 合)が3割を超えており、全国平均の12.7%を大きく上回っている。
![]() |
![]() |
<みなと芝クリニック 院長 川本 徹 先生コメント>
快便偏差値ランキングにも自粛による生活習慣の変化の影響が伺えます。
大都市圏ではテレワー クなどにより通勤時間が節約となり、朝食をしっかり摂る、夜遅い夕食を摂らないなど良い食習慣が 形作られたと考えられます。
特に朝食の時間が十分取れると、納豆やヨーグルトといった発酵食品を 摂取する意識も増えることが推測されます。
前述のとおり、都市部では特に通勤や外回りの仕事の分、 運動量が減った人が多いと考えられますが、一方お腹の不調や体重増加を実感し、運動に取り組む方も増えていると考えられます。
コロナ禍当初、利用できなかったスポーツジムも感染対策により次 第に利用できる環境も整ってきたのも影響していると思います。
快便偏差値ワースト3は地方になりま したが、主に大都市圏を中心に生活が改善したため、地方の快便偏差値が相対的に悪化したものと 思われます。
筑波大学医学専門学群卒業、筑波大学大学院医学研究科修了。
「“メスをとれる内科”たる外科医になれ」の教えの元、筑 波大学附属病院の消化器外科で、内科医よりも内科的な外科医をめざす。筑波大学臨床医学系外科(消化器)講師、米 国テキサス大学MDアンダーソン癌センター客員講師、東京女子医科大学消化器病センター外科非常勤講師などを歴任 後の2010年、都営地下鉄三田駅の近くにみなと芝クリニック開院。2014年には、現在の地へリニューアルオープン。内科や 外科から、皮膚科、整形外科、消化器科、肛門科まで、幅広い診療を行っている。日本外科学会認定医、日本消化器外 科学会認定医、日本消化器病学会専門医。