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47 都道府県 1 万人超対象 全国一斉 「大腸環境」実態調査 2021 年

ストレスを感じることが増えた人ほど便秘・腹痛を感じる

ヘルスケア 2021/10/18

コロナ禍前後で生活習慣が変化。
コロナ禍前より「ストレスを感じることが増えた」人は 2 人に 1 人。
「ストレスを感じることが増えた」人ほど、便秘・腹痛を感じる傾向に。

近年、大腸内の腸内細菌と全身のさまざまな疾患との関連性について研究が進む中、大腸の状態を整えることが重要視されている。
一般的には、大腸が全身の健康において重要な働きを持つ臓器であることや、大腸と小腸 の部位的・機能的な違いも、広く知られていない現状がある。
50 年以上にわたりビフィズス菌の研究に取り組む森永乳業株式会社は、昨年、6 年ぶりに、大腸の健康に対する意識と実態を明らかにする「47 都道府県『大腸環境』実態調査」を実施、公表し、大きな反響を得た。
引き続き2021年もみなと芝クリニック川本徹先生監修の下、全国 47 都道府県の 20~50 代男女 12,032 名を対象に 2021 年版となる「大腸環境」(※)実態調査を実施。
昨年の調査結果と比較をしつつ、コロナ禍前と長期自粛を強いられている 現在との生活習慣の変化が、大腸に関する健康意識や大腸環境にどのような影響を与えているかも考察した。
※「大腸環境」とは…おなかの中でも特に大腸の健康状態のことを指す。

 

 

【コロナ禍前と比べた生活習慣の変化 質問一覧】

  • ストレス :Q.コロナ禍において、あなたがストレスを感じることは、コロナ禍前(2020 年3 月以前)と比べて変化がありましたか。
  • 食習慣 :Q.コロナ禍において、下記のあなたの食生活に関する項目は、コロナ禍前(2020 年3 月以前)と比べてどのような 変化がありましたか。
    ・自宅での食事回数 ・バランスの良い食事の回数 ・発酵食品の摂取量
  • 飲酒量 :Q.コロナ禍において、あなたの飲酒頻度や飲酒量は、コロナ禍前(2020 年3 月以前)と比べて変化がありましたか。
    ・家・外を含めた飲酒の頻度 ・家・外を含めた飲酒の量
  • 運動量 :Q.コロナ禍において、あなたの運動量(スポーツ、外出による歩行など)は、コロナ禍前(2020 年3 月以前)と比べて 変化がありましたか。
  • 睡眠時間 :Q.コロナ禍において、あなたの睡眠時間は、コロナ禍前(2020 年3 月以前)と比べて変化がありましたか。

 

コロナ禍前と比べて「ストレスを感じることが増えた」人が半数以上。
 自粛による生活習慣の変化では、食習慣にプラスの影響。

2020年4 月、首都圏を中心とした7 都府県に緊急事態宣言が発令されて以降、自粛生活を余儀なくされる生活が続いているが、この環境下で生活習慣はどのように変化したのだろうか。
まず、ストレスについては、コロナ禍前と比べて「ストレスを感じることが増えた」人が 21.3%、「増えた」と「やや増えた」を合わせた「増えた計」では、 50.7%と、2 人に 1 人がコロナ禍前よりストレスを感じることが増えたようだ。

 

また、コロナ禍前と比べた生活習慣の変化では、いずれの項目でも「変わらない」が最も多いが、「自宅での食事の回数」や「バランスの良い食事の回数」、「発酵食品の摂取量」の食習慣では「増えた」が、「減った」より多い傾向がある。
中でも「自宅での食事の回数」が増えた人は 36.0%と4 割近くの人が自宅で食事をする回数が増えており、その結果、「バラン スの良い食事の回数」や「発酵食品の摂取量」が増えたと推測される。

 

コロナ禍でストレスを感じることが増えた人ほど、お腹の不調を感じており、便秘・腹痛を感じる人が増える傾向。

コロナ禍での長期自粛によってストレスを感じる人が増えたことは、大腸環境にどのような影響を与えたのだろうか。
ストレスの増減別に「大腸(腸内・おなか)の不調の有無」を比較してみると、ストレスを感じることが「増えた」人の 51.2%は、 「大腸の不調がある」と答えており、ストレスが「変わらない」人の 34.9%、「減った」人の 34.5%に比べて、顕著に大腸の不調を感じていることがわかる。

また、大腸の不調がある人(5,189 名)のうち、具体的にどのような不調があるかをストレスの増減別に比較してみると、ストレスを感じることが増えた人の方が、「便秘」、「腹痛」が多くなる傾向が伺える。

昨今、脳と腸はつながっており、互いの状態が影響しあっている(脳腸相関)と言われるが、長期自粛によるストレスは、精神面だけでなく、おなかの不調にも影響を与えていると推察される結果になった。

 

長期自粛による生活習慣の変化が大腸環境に影響。

食事、運動、睡眠の基本的な生活習慣の大切さが改めて浮き彫りに。
今回の調査結果では、長期自粛による生活習慣の変化が、快便偏差値に影響していることがわかった。
コロナ禍前と比べて、「バランスの良い食事の回数」、「発酵食品の摂取量」、「運動量」、「睡眠時間」の各項目で「増えた」人は、「変わらない」、「減った」人よりも快便偏差値が高くなる傾向が明らかになっている。
大腸環境には、食事、運動、睡眠といった基本的な生活習慣が大切となることが、改めて確認できた結果となった。
この生活習慣の変化は都道府県ごとに異なっており、2021 年の快便偏差値ランキングに影響を与えたと考えられる。

ストレスの増減と大腸の不調の関係
< 川本 徹 先生(みなと芝クリニック 院長)コメント>

大腸の健康を意識するようになった人が昨年から大きく増えて半数を超えたことは、今回の調査の大きなトピックスだ と思います。
大腸に対する健康意識により、ヨーグルトや野菜、食物繊維といった食事に関心が集まってきていることも 望ましい傾向です。
この傾向は今後も続いていくことが期待されます。
一方、懸念点としては長引く自粛が生活習慣に影響を与えており、運動量が減少している人が 25%ほどいる点です。
通勤や外回りの仕事の分、運動量が減ったと考えられている方が多いからではないかと考えます。運動量の低下 は、食事量の減少、便量の減少など便秘の要因になります。
さらに、特に気になるのは、ストレスを感じている方が大幅に増加したことです。
ストレスは、神経性の便秘や下痢の 原因となります。
コロナ禍で生じる不安感や抑圧感を取り除くことは簡単ではありませんが、散歩や庭いじりなど気分転 換を図る工夫をしてみましょう。

 

 

みなと芝クリニック 院長 川本 徹 先生

筑波大学医学専門学群卒業、筑波大学大学院医学研究科修了。
「“メスをとれる内科”たる外科医になれ」の教えの 元、筑波大学附属病院の消化器外科で、内科医よりも内科的な外科医をめざす。
筑波大学臨床医学系外科(消化 器)講師、米国テキサス大学MDアンダーソン癌センター客員講師、東京女子医科大学消化器病センター外科非常 勤講師などを歴任後の 2010 年、都営地下鉄三田駅の近くにみなと芝クリニック開院。
2014 年には、現在の地へリニ ューアルオープン。内科や外科から、皮膚科、整形外科、消化器科、肛門科まで、幅広い診療を行っている。
日本 外科学会認定医、日本消化器外科学会認定医、日本消化器病学会専門医。

 

 

 

 

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