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研修医ブログ 第1回 スポーツドクターを知っていますか?

研修医ブログ 第1回 スポーツドクターを知っていますか?
ヘルスケア 2016/12/12

こんにちは。私は、都内の大学病院で働く研修医です。
今は研修中でいろんな科を回っていますが、将来は産婦人科のスポーツドクターになりたいと考えています。

 

「産婦人科でスポーツドクター?」と思う方もいるかもしれません。
それについては次回詳しくお話します。これから、スポーツをする女の子たちの役に立てるよう、私の知っている情報をなるべくわかりやすく伝えていけたらいいなと思います。

 

まずは私がスポーツドクターを目指したきっかけからお話ししたいと思います。私は中高生の時、部活動で硬式テニスをやっていました。
中学生の反抗期の時期に、グレかけた自分を立ち直らせてくれたのが部活でした。部活を頑張るようになってから世界がキラキラして、充実した生活を送ることができるようになりました。

 

だから、自分にとってスポーツは特別なものであり、いつのまにか「スポーツに恩返ししたい」という思いが生まれていました。
「スポーツをやっている人の役に立ちたい」「スポーツを通して心身ともに健康に過ごせる人を増やしたい」と思うようになりました。

 

また、キャプテンになってトレーニングや練習のメニューを考えているうちに、体のことを考えるのが面白くもなりました。

 

こうしてスポーツドクターを目指し始め、医学部に入学して大学でもずっとテニスをやっていました。部活を通して学んだことや思い出はとても多く、かけがえのない仲間もできました。

 

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大学ではすべての科の授業や実習を受けます。
スポーツといえば整形外科をイメージすると思いますが、整形外科の領域は幅広く、スポーツの分野はわずかでした。

 

私はスポーツに貢献したいという気持ちはありましたが、自分が整形外科で働いているイメージがわかず、ピンと来ないなと思いながら過ごしていました。

 

今私が志望している科である産婦人科の授業では、スポーツのことは授業のスライドはたったの1枚分で、それに関しての説明も一瞬にして過ぎ去って行きました。
しかし私はスポーツに関わりたいという思いがあったので、その一瞬が頭の片隅に残っていました。

 

部活では、私は生理が止まることはなかったのですが、痛みには毎回苦しんでいたし、生理前の体の重さや生理中の体幹の力の入りにくさにストレスを感じていました。
それでも病的なほどではなかったし、婦人科に受診するのも恥ずかしく、時間もないし、ピルのこともよく知らない、と思って放置したまま引退しました。

 

その後、無事大学を卒業し、研修医になりました。
部活に没頭していた学生時代が終わり、自分の進路を具体的に考えた時に、学生の時に授業で一瞬習った産婦人科のスポーツ領域のことが頭をよぎりました。

 

自分でインターネットでセミナーなどを検索して、片っ端から参加したり、有名な先生方のもとへ見学に行ったりしました。
そこで女性スポーツ医学を勉強して、私が学生時代にストレスを感じていたことは解決できることだったと知りました。

 

「生理の時期がたまたま試合と被ったせいで、それまで毎日努力してきた力のすべてを出しきれない、というのはもったいなさすぎる!!」という思いを強く抱くようになりました。
「私のやるべきことはこれだ」と思えたのです。

 

今後は、来年度から産婦人科に入局して、産婦人科の基礎をまんべんなく学びながらスポーツに関する活動も積極的にしていきたいと思っています。

 

スポーツ女子にとって医師との関わりは、怪我をしたり痛いところがあった時に整形外科を受診する程度の人が多いのではないでしょうか。

 

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スポーツドクターは整形外科だけではなく、産婦人科や内科などにもいます。スポーツを頑張っている人は、無理してしまいがちなことが多いのではないかと思います。
勝ちたい思いが強いほど、その傾向があるのではないでしょうか。

 

今までは自分の努力が足りないと思っていたことが、実は解決できることで、もっとパフォーマンスを上げられたりするかもしれません。

 

ぜひ自分の体に敏感になって、思い切ってスポーツドクターを受診してください。それぞれのライフステージで、その時にしか挑めない戦いがあると思います。
私はその挑戦を悔いのないものにする手助けをしていきたいと思っています。

 

研修医 平野翔子

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