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文京学院大学が予防啓発リーフレットを発表

今、多くの人に知って欲しい「産後うつ」のこと

ヘルスケア 2017/11/22

女性男性に関わらず「産後うつ」は誰にでも起こりうること。10人に1人がかかる可能性があるといいます。「看護師・助産師・保健師だけでなく、保育士・幼稚園教諭など若いお母さんと接する職業を目指す学生にも知っておいて欲しい」と文京学院大学保健医療技術学部准教授の市川香織先生。「産後うつ」のリスクはリーダーシップを発揮してきた頑張り屋の女性にもあるそうです。

 

文京学院大学は、ママだけではなく、パパにも、誰にでもおこりうる「産後うつ」を予防するために、産後うつ予防リーフレット「ママから笑顔がきえるとき」を作成、11月22日(水)に大学HPで発表するほか、一般無料配布を開始します。

それに先駆けプレスを対象としたセミナーが11月13日、文京学院大学本郷キャンパスで開催され、同大学准教授市川香織先生と広尾レディース院長宗田聡先生(東京慈恵会医科大学非常勤講師)が登壇されました。

 

「産後うつ」とは?

妊娠・出産を経て毎日の育児に奮闘していた人が、ある日突然無気力になったり、朝起き上がれなくなったり、訳もなく惨めな気持ちになったり、自分の感情を抑えられなくなるなどの「うつ」の症状が現れることを言います。赤ちゃんの世話だけでなく、自分の身の回りのこともできなくなってしまいます。

 

出産は、体力を消耗します。赤ちゃんが生まれると、3時間おきに授乳をするため睡眠時間の確保が課題になります。初めての出産、育児ともなれば慣れないことばかりで、母乳も思うように出ないこともしばしばです。泣くのが仕事と言われる赤ちゃんは、夜泣きもします。それは誰でも産後に経験することなのですが、出産前には想像もできない劇的な生活環境の変化です。体力が回復し、新しい生活環境に慣れ、心に余裕ができるよう周囲のサポートが必要になります。

 

 

「産後うつ」が増えた背景

出産の高齢化

妊産婦の高齢化に伴いその親世代も高齢化したことで、親が高齢だったり、自身の親の介護を抱えていたりするなど、親に気を遣って頼れないという状況が生れ、親に「助けて」と言えずに孤立化してしまいます。

 

地域との関係の希薄化

核家族化や転勤族など、地域とのつながりが薄くなったことで、近隣に頼れる人がいないという孤立化があります。赤ちゃんの泣き声で虐待と思われるのではないかと不安になり、家の中に子供と閉じこもってしまう事例もあるそうです。

 

男性の育児休暇取得率の低さ

育児を一人で抱え込まないために、家族の協力は不可欠です。男性の育児休暇取得は、女性の「産後うつ」の予防対策になります。

 

働く女性が抱える「喪失感」

リーダーシップを発揮し活躍してきた女性ほど、仕事や職場でのポジションへの喪失感があり、体が回復しても精神的なダメージを負ってしまうケースがあるそうです。

頑張り屋さんほど、「受援力」(周りにサポートを求める力)をつける必要性があると市川先生は話していました。

 

 

男性もかかる「産後うつ」

頑張りすぎるイクメンも注意が必要だと言います。職場で仕事を頑張り、家庭で育児を頑張る男性が、頑張りすぎて疲弊してしまい「産後うつ」になって会社を辞めることになってしまうケースがあります。

 

女性も男性も、1人で頑張るのではなく、お互いが協力しあうという意識を持つことの大切さを感じます。また、家族や職場、近隣など周囲の人たちが、「頑張って」と応援するのではなく、頑張り過ぎないよう見守る、手を差し伸べるといったスタンスを持つことが重要のようです。

 

相談できる人を持つ

宗田先生の話の中で、出産における母親の死亡率は20年前に比べ激減したが、「産後うつ」による自殺が増えたというショッキングなデータがありました。東京都だけで年に6人が「産後うつ」で自殺しているそうです。

体調が悪い時に相談できる人が少ない現在の環境も要因のひとつに挙げられます。

また、子供と二人きりの時間が長すぎることもよくないと言います。一人になる時間を作ってあげるなど、周囲がサポートをすることも「産後うつ」の予防になります。

 

「産後うつ」予防として、赤ちゃんが生まれた後の生活をイメージした産後3カ月のサポート計画を立てるというのがあります。父親の育児休暇取得や祖父母を含め家族全体で計画を立てることがポイントだそうです。そのためには、夫婦それぞれの職場の理解と協力を得ることも大切になります。

 

家族だけではケアできない場合には、外部サービスを利用することも視野に入れておきます。

 

市川先生は、マイ保健師・マイ助産師など気軽に相談できる人を持つことが大事だと言います。

また、保健師や助産師、看護師などを目指す学生は、患者に寄り添うという姿勢を学んで欲しいとおっしゃっていました。

スポーツ女子の皆さんも、キャリアデザインを考えるなかで結婚・出産の時期をイメージしている人も少なくないと思います。

 

「受援力」という言葉を覚えておいてください。また、OGや友達、仲間と産後もお互い相談できる関係を築けるといいですね。

 

 

「ママから笑顔がきえるとき」公式HP

 

 

 

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