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スポーツ×歯

歯並びとパフォーマンスの関係は?歯並びが及ぼす影響

ヘルスケア 2021/10/25

皆さんは歯並びとパフォーマンスの関係について考えたことはありますか?
力を出す時に歯を食いしばるというイメージはありますが、そもそもパフォーマンスに歯はどう関係するのでしょうか。
スポーツシーンに限らず、集中力や瞬発力の発揮に歯並びが関係するのであれば、参考になる情報を届けたいというのがRanRun編集部の課題でした。
今回、大手前短期大学 歯科衛生学科の中村 隆志教授に取材させていただきました。

 

歯並びと集中力や瞬発力には関係がありますか?

良い歯並びの方が集中力や瞬発力が向上することがいわれており、多数の報告をまとめた最近の英文論文もあります。
これによると良い噛み合わせは、アスリートにとってアドバンテージになるように思われるとのことです。
噛み合わせや顎関節は個人差が大きく、どの場合もあてはまるとはいえないようです。

参考:A. Militiら ”Dental occlusion and sports performance”、2020.

 

歯の噛み合わせが合っているかどうか、セルフチェックの方法はありますか?

鏡の前で上下の歯を噛み合わせます。
もし下記のような状態があれば、理想的な噛み合わせとはいえません。

  • きっちり噛み合ってガタガタしないか。
  • どこかに5mm以上の隙間がないか。
  • 上下の前歯が2mm以上左右にずれていないか。
  • どの部分でも上の歯が下の歯より外側(唇側)にあるか。

 

歯並びが悪いと体や健康に影響がありますか?

歯並びの悪さは生活そのものにも悪影響を及ぼします。
例えば、噛み合わせが良くないと食事からの栄養摂取に偏りが生じたり、固い食べ物を避けて柔らかいものばかりを食べるようになってしまったりします。
そのうえ、きちんと噛めないことにより満腹感が得られにくく肥満に繋がる恐れもあるのです。
また歯並びが悪いことがコンプレックスとなり、人前で歯を出して笑うことをためらう人もいます。
これらは歯を正しく矯正することによって解消され、本人の性格にも良い影響を及ぼすと言われています。

 

歯並びを悪くしないために注意できることを教えてください。

■歯を舌で押さない
前歯の裏側を舌で押してしまう癖は、繰り返すことで歯を動かしてしまいます。
その結果、前歯が前に出てしまう「出っ歯」や、上下の歯の間が開いた「開咬」という状態に。

■頬杖をつかない
顎骨のゆがみを招き、噛み合わせがずれたり、子供の場合は顎の成長の妨げになったりします。

■口呼吸をしない
口呼吸は常に口が開いているという不自然な状態。
そのため舌や顎の位置が下がってしまうことで歯並びの悪さに繋がってしまいます。

■爪を噛む癖を治す
爪は非常に固いため、噛む際に歯にも強い力が加わることで歯が動いてしまう可能性が。
また歯の先端が削れてしまい、先端ががたがたの歯になってしまいます。

歯列矯正で「きれいな歯並び」を手に入れる
歯並びをよくするための歯列矯正について教えてください。

■矯正の種類
矯正には、従来から行われているワイヤーを使用するものと、マウスピースを使用するものがあります。

  • ワイヤーを使用した方法
    矯正装置(ブレース)とワイヤーを装着して行います。
    矯正期間はおおよそ3年と言われ、最初の2年で歯の並びを直し、その後1年ほどかけて歯がもとの位置に戻らないように固定します。
  • マウスピースを使用した方法(インビザライン)
    オーダーメイドのマウスピースを使って歯並びを整えていきます。
    現在の自分の歯並びに合わせた型と、理想の歯並びの型の間をつなぐ何十個ものマウスピースを作成。
    徐々に理想形に近いマウスピースに付け替えていきます。
    治療期間はワイヤーを使用した場合とほぼ同じですが、マウスピースを使用するものは、ワイヤーを使用したものと比べて目立ちにくく、近年こちらを選択する人が増えています。

■矯正の開始時期

  • 小児の場合、混合歯列期(8〜10歳ぐらい、乳歯と永久歯が混在)に行う治療と、永久歯が揃ってから行う治療(12歳ぐらい〜)が基本になります。
  • 成人では、矯正はいつでも開始できます。いずれにしても矯正専門医に相談されるのがいいと思います。

 

まずは専門医に相談を!
歯並びは人それぞれ個人差があるため、一概にこの方法がよいとは言えません。
直接、専門医に相談し自分に合った方法を指導していただくことをお勧めします。

 

 

 

中村 隆志教授 プロフィール

所属:大手前短期大学 歯科衛生学科
学位:歯科医師
研究テーマ:ライフサイエンス、補綴系歯学

 

 

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