疲労回復の正しいケア 「アイシング」&「温め」の方法

運動後、筋肉が熱を持っているように感じたことはありませんか?
激しい運動をすると、筋肉組織の小さな損傷やじん帯・関節の炎症が起きることがあります。それを修復しようと患部に血流が集まるため、温度が上昇するのです。筋肉が熱くなっている状態が続くとエネルギーを消費してしまいます。余分なエネルギー消費を抑え、疲労回復を早めるケアの方法についてご紹介します。
血流には組織を修復するという大切な役割がありますが、運動後に素早くアイシングを行い、適度に体をクールダウンさせることで、上昇した温度を落ち着かせ、余分なエネルギー消費を抑えることができます。また、アイシングすることで炎症の広がりを抑え、回復を早めることが期待できます。
またケガによる炎症がない場合は、運動後の体の温度が落ち着いたところで、身体を温めたり、入浴したりすることで筋肉が柔軟になり、血流を良くして体の回復を促すことができます。
さらに「アイシング」と「温め」を交互に行うことで、温度差によるポンプ作用が働き、老廃物の流れをサポートすることができます。
部活動の合宿や連続した試合の時などは、なるべく体力の消耗を防ぎ、疲労を回復させたいですよね。「アイシング」と「温め」は、いつ行うかというタイミングが重要になります。注意ポイントを守り、必要に応じて行ってください。また、体調や痛みの状態によって、実施する時間や回数を調整してください。
それでは、「アイシング」と「温め」の具体的な方法についてご紹介します。
今回、使用しているのはCALDERAホット&コールドジェルパックとコンフォートラップです。湿布は鎮痛効果に加えて皮膚表面で冷たく感じたり温かく感じたりするものですが、ジェルパックを使用すると患部の筋肉の深部までしっかり冷やしたり温めたりできるので、より効果的です。
※ジェルパックは、必ずコンフォートラップやタオルなどで包んで使用します。直接体に当てないようにしてください。
【アイシング(冷やす)】
冷やすと血管が収縮し、血流が減少するため、痛み・腫れ・炎症を抑えます。
アイシングを行うタイミングは、運動後またはケガをしてから72時間までの急性期になります。
・運動後のクールダウン、疲労回復、筋肉痛対策に
・足首のねんざ、太ももの肉離れ、打撲などのケガの応急処置(RICE処置)に
<注意ポイント>
運動前、試合中は、ケガのリスクを高める恐れがあるため、冷やさないでください。
例えば、ランニング後にいつも痛くなる慢性の膝の痛みがある場合は、運動直後は炎症を抑えるために冷やし、休憩時に温めます。
【温める】
温めると筋肉をリラックスさせ、血流を促進します。
温めを行うタイミングは、運動前・運動をしていない休憩時になります。
・ウォーミングアップに
・硬くなっている筋肉の柔軟性アップに
・慢性の肩こり、腰痛などのリラックスに
<注意ポイント>
運動直後やケガをした直後は、炎症を悪化させる恐れがあるため、温めないでください。
◆運動施設での活用をチェック!
運動直後にアイシングができるよう、CALDERAジェルパックを設置しているRun Pit by au Smart Sports(Run Pit・東京都千代田区)を見学させていただきました。
Run Pitは、皇居ランナーのためのランナーズ施設です。
ロビーには、アイシングについての情報を掲示してありました。
この日は、ENJOY RUNというイベントデ―で、参加者にスタッフが走り方のアドバイスをしながらランニングをします。準備運動をしっかりやって、皇居一周5キロのランに向かっていきました。
5キロといっても、梅雨の晴れ間の蒸し暑い中で走るのは、いつもより大変だったようです。
走り終えた参加者に声をかけると、「少し風が吹いてきたので助かった」と汗をぬぐっていました。
アイシングのことを尋ねると、「気にはなっていたのだけれど、やったことがなくて」と。
そんな参加者のために、スタッフが運動後のケアについて説明をしていました。
施設内に設置された冷蔵庫から取り出したのは、コールドジェルパックです。
使った筋肉を冷やします。「ケガの時はこのアイシングが大切ですが、それでも20分以内で行ってください」
参加者も思い思いの部位に、装着してみます。
「オー、冷た~い!」
「あ~、気持ちいい。腰にピタッと巻けるので、冬場なんか温めるのにもよさそうね」
こちらの男性は、足裏を冷やしているのかな?
一緒に走った仲間でワイワイと楽しそうに、アイシング体験していました。
◆こんな時は、温めが効果的!
温めると筋肉が柔軟になり、痛みを軽減させることができます。また、血管を拡張させ、酸素と栄養分を運ぶ血流を増加させます。体を温める場合は、運動前または休憩時・就寝前などのリラックスタイムに行います。温めは1回あたり20分までにします。再び温める場合は、少し時間をおいてからにしましょう。
「ウォーミングアップに」
筋肉に硬さを感じたり、ケガの不安がある場合は、運動前に患部を温めるとケガの予防になります。
「腹痛、生理痛に」
腹部を温めます。ジェルパックを使う場合は、CALDERAコンフォートラップを併用すると体に固定することができます。
「慢性の痛み、こり、筋肉の不調、関節痛に」
炎症や腫れのない慢性の痛み(ケガをしてから数日~数か月経過した状態)は、温めることができます。炎症とは、患部が赤くなったり、ズキズキとしたり、腫れている状態のことを言います。通常、体を痛めてから約72時間は、患部が炎症を起こしている時期なので、アイシングを行います。その後、炎症が治まったら温めることができます。
例えばギックリ腰の場合、腰を痛めてから約72時間は患部が炎症を起こしているため冷やします。軽くシャワーを浴びることは大丈夫ですが、熱い風呂に入ると炎症を悪化させる恐れがあるので避けましょう。約72時間後、炎症が治まったら、今度は温めて筋肉をリラックスさせます。
今回、使用したCALDERAホット&コールドジェルパックとコンフォートラップの使い方をプチコミでご紹介しています。ぜひ、ご覧ください(https://ranrun.jp/puchikomi/puchikomi-160725)
協力 株式会社マックスインポート