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紫外線を浴びた夏の肌ケア。還元型コエンザイムQ10で肌老化を防ぐ

ヘルスケア 2021/08/13

夏本番、紫外線量が増えると肌への負担も増えてしまいます。
日焼けはもちろん、シミ・そばかすが増えた、シワ・たるみが増えた、大人ニキビなどの炎症が起きた、外の暑さと冷房の差で乾燥してしまったなどの肌悩みを抱える方が例年多くいらっしゃいます。

紫外線を浴びて肌細胞に傷がつくと肌疲労と呼ばれる状態(炎症状態)となり、放置してしまうと、シミ・シワなどの肌老化に繋がってしまうことをご存じですか?
中でも、光による肌老化は、光老化と呼ばれます。

アウトドアでスポーツに励んでいる皆さん!
肌疲労が肌老化につながってしまう前に、しっかりケアをして、あとに残さないことが大切ですよ。

肌老化のメカニズムと効率的な対策法について、再生医療の専門医・BTRアーツ銀座クリニックの院長 市橋正光先生の解説をご紹介します。

 

肌老化のメカニズム

肌老化には加齢、ストレス、睡眠不足などの内的要因と、紫外線(UVA、UVB)やブルーライトなどの外的要因があります。
夏には外的要因のひとつである紫外線が増加し、肌の細胞を傷つけたり、活性酸素を発生させたりします。
その結果、肌の真皮や表皮の役割を変化させてしまいます。
特に、最も外側である表皮が影響を受けると、保湿機能の低下や、ターンオーバーの遅延によるくすみが起こります。
こうしたトラブルのある状態が肌疲労のサインであり、そのまま放置してしまうとシミ、シワ、たるみ、ほうれい線、毛穴の開き、キメの粗化など、回復をさせるのが難しい肌老化に繋がってしまいます。
そのため、肌老化の進行を抑えるには、肌疲労の状態から回復させることが必要です。

 

「ラウンドテーブル投影資料より引用」

 

肌老化の対策法

肌老化の進行を抑えるには、肌疲労の状態から回復させることがポイント。
そのため、肌老化対策には、以下2点が重要です。
①傷ついた細胞と細胞間物質の除去と修復
②活性酸素の速やかな除去

活性酸素の速やかな除去に効果を発揮できる食材と要素としては、チーズ・ヨーグルト(プロバイオティクス)、トマト(カロテノイド)、オリーブオイル(オレウロペイン)、サーモン(アスタキサンチン)、緑茶(茶カテキン)、コーヒー(クロロゲン酸類)などがあります。

食材 要素
チーズ、ヨーグルト プロバイオティクス
トマト カロテノイド
オリーブオイル オレウロペイン
サーモン アスタキサンチン
緑茶 茶カテキン
コーヒー クロロゲン酸類

また、新陳代謝を更新させ、傷んだ物質を速やかに排除するのに役立つ手軽なものとしてはサプリメントがあげられます。
中でも、還元型コエンザイムQ10がお勧めです。

 

還元型コエンザイムQ10と肌老化

疲労回復に働きかける還元型コエンザイムQ10は、すべての生物の体内に存在する脂溶性ビタミン様物質で、高い抗酸化作用を持っています。
30を超える国々で380以上の機能性食品に使用されるなど、その効果が世界中で認められています。

 

コエンザイムQ10は酸化型ではなく還元型がおすすめ

コエンザイムQ10には酸化型と還元型がありますが、体内で使用されて効果を発揮するのは還元型で、酸化型を摂取した場合は体内で還元型に変換する必要があります。
その変換能力は加齢によって衰えてしまうため、体内の還元型コエンザイムQ10の量は加齢とともに減少し、特に40代以上ではその減少が著しくなり、70代の皮膚中コエンザイムQ10量は20代の2分の1以下になります。
そのため、体内でそのまま使える還元型の摂取がおすすめです。

Hoppe, U. et al., BioFactors 9, 371-378, 1999

 

高い抗酸化力とエネルギー産生の促進 内因性抗酸化力もアップ!

傷ついた細胞の除去と修復のためには、エネルギーと抗酸化成分が必要です。
エネルギーは、細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアという小器官で作られますが、加齢や紫外線などによりダメージを受けたミトコンドリアは、エネルギー産生能力が低下し活性酸素の排出量が増えてしまいます。
過剰な活性酸素は、心身の疲労や肌疲労に繋がります。

還元型コエンザイムQ10は高い抗酸化力を持ち、放っておくと細胞を破壊しつづけてしまうスーパーオキサイドアニオン(O2-)と呼ばれる活性酸素を消去します。
加えて、皮膚のターンオーバー促進に必要なミトコンドリアのエネルギー産生を促進し、傷ついた細胞の修復を助けます。

また、活性酸素の除去に使われて抗酸化力をなくしたビタミンCやビタミンEを再生し、抗酸化力のある状態に戻す働きがあるため、一緒に摂取した際の相乗効果も期待できます。
そのため、還元型コエンザイムQ10は、抗酸化力UPとエネルギー産生の促進により、肌疲労・肌老化対策に必要な①傷ついた細胞と細胞間物質の除去と修復、②活性酸素の速やかな除去、両方をサポートできる成分です。

「ラウンドテーブル投影資料より引用」 Hoppe, U. et al., BioFactors 9, 371-378, 1999

 

コエンザイムQ10(酸化型)を経口摂取した際、シワ三次元解析でシワ面積が10%以上でかつシワ体積が0.5m㎥以上の日本人女性8名(平均年齢43±3歳)を対象とした実験において、コエンザイムQ10の摂取前後で、シワ面積は摂取後2週間時点と3か月時点、シワ体積は2週間時点で有意に低下しました。

「芦田豊ら, Food Style 21, 6:52-54, 2004」

 

また、還元型コエンザイムQ10を1%含有したクリームを31名の女性に1日2回、5カ月塗ってもらい、顔のシワの深さなどを評価したところ、還元型コエンザイムQ10を塗った55歳の女性はシワが浅くなり、効果が感じられる結果となりました。

「Ichihashi, M. et al., The 5th conference of International Coenzyme Q10 Association, 2007」 

 

酸化型コエンザイムQ10と比較しても、還元型コエンザイムQ10の方が、シワが浅くなりました。

Ichihashi, M. et al., The 5th conference of International Coenzyme Q10 Association, 2007

 

 

紫外線やブルーライトを浴びる機会の多い人は、肌老化のリスクを減らすことを意識して、今からできることに取り組んでおくといいですね。

還元型コエンザイムQ10を摂取できるレシピのご紹介はこちら。

 

BTRアーツ銀座クリニック 院長 市橋 正光(いちはし まさみつ)先生

日本再生医療学会会員
神戸大学名誉教授

1964年 神戸医科大学 卒業
1970年 神戸大学大学院医学研究科修了
1972-74年 ロンドン大学皮膚科学研究所 留学
1980年 神戸大学医学部附属病院 助教授
1992年 神戸大学医学部 教授
2003年 神戸大学医学部 退官(名誉教授)
2003年 サンクリニック・サンケア研究所 開設
2007年 同志社大学エイジング・アンド・フォトエイジングリサーチセンター教授
2009年 森之宮医療大学抗加齢研究所長
2010年 再生未来クリニック・神戸 院長
2017年 8月 再生未来クリニック・神戸 退職
2017年 10月 アーツ銀座クリニック 院長
現在に至る

 

 

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