生理、ちゃんと来ていますか?生理不順の悩み

「生理がたまに来る」「突然来るので困る」「月に2回も来る」「生理期間が短い」
スポーツ女子へのアンケートには、生理不順の悩みについての回答が多くみられました。
3カ月以上来ない場合は無月経といいます。生理不順について、日本体育協会公認スポーツドクターで、埼玉医科大学産科婦人科講師の難波聡(なんばあきら)先生にお話を伺いました。
【生理不順】
生理の周期はおおよそ25日~38日くらいとされ、個人差があります。出血する期間も、3日~1週間くらいといわれています。多少のバラツキは心配しなくても大丈夫です。しかし、病気が潜んでいる場合もありますので、下記の場合は要注意です。
【生理の周期が短い】
周期が24日以内と短い場合、頻発月経といいます。生理が月に2回来るという人は、周期を数えてみましょう。
【月に生理が2回、それは怖い病気かもしれません】
正常に排卵していない可能性があります。不正出血は怖い病気が隠れている場合がありますので、すぐにでも婦人科を受診しましょう。
【不正出血】
生理以外のときに異常出血することです。大半は、ホルモンバランスの乱れによるものですが、子宮筋腫や子宮がんなどの怖い病気が隠れている場合があります。油断ならない症状だと理解し、すぐにでも婦人科に行くべきです。
【生理の周期が長い】
生理の周期が39日以上と長い場合、希発月経といいます。生理がたまに来るという人は、周期を数えてみましょう。
【3ヵ月以上生理が止まっている】
3ヵ月以上生理が来ない状態を無月経といいます。急激な減量や体重制限を伴うスポーツ競技をしている人は、その期間に無月経になることがあります。これは体重コントロールにより、戻すことができます。しかし、他に原因がある場合もあります。病気の可能性や妊娠の可能性も考えられます。スポーツのせいだと安易に決めつけず、一度は医師に相談をしてください。
【生理が無い】
体重制限による無月経の場合は、原則として体重を戻せば生理は来ます。体重を戻しても生理が来ない場合は、医師に相談してください。また、中学卒業までに生理が1度も来たことがないという場合も、ぜひ医師に相談してください。
【婦人科の主治医を持ちましょう】
学生のうちは、婦人科にかかることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
しかし、生理の悩みを抱え、我慢を続けることは決してよいことではありません。
また、スポーツで最高のパフォーマンスができるように体調をコントロールすることも、競技者として大事なことです。
先ずは、家の近くで探したり大学の保健センターで紹介してもらったりした婦人科クリニックなどに相談するのもよいでしょう。月経コントロールを考えるのであれば、スポーツに理解のある医師を探すなども検討したいですね。自分に合った医師を探し、いつでも相談できる主治医を持つことが大切です。
参考:
<監修>
難波 聡(なんばあきら)先生
平成 7年 3月 東京大学医学部医学科卒業
平成14年 3月 東京大学大学院医学系研究科生殖・発達・加齢医学専攻修了
平成14年 4月~ 東京大学医学部附属病院
平成15年 7月~ 東京都教職員互助会三楽病院
平成17年 7月~ 埼玉医科大学病院
現在、日本陸上競技連盟医事委員会、日本オリンピック協会医学サポート部会員、臨床スポーツ医学会評議員、日本体育協会公認スポーツドクター、臨床遺伝専門医、埼玉医科大学陸上競技監督