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「若い女性のスポーツとプレコンセプションケア」

ヘルスケア 2017/06/30

国立成育医療研究センターで開催された第2回プレコンセプションケアセミナー(2017年6月27日)後半は、アスレティックトレーナーとスポーツ女子も登壇し、「若い女性のスポーツとプレコンセプションケア スポーツ女子が知っておきたいヘルスケア」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。
ファシリテーターは、女性健康科学者の本田由佳先生です。

 

>前編はこちら

 

 

月経不順の自覚がない!!
女子U-16サッカー日本代表アスレティックトレーナーの河瀬麻希さんは、サッカーは体重制限がないので無月経になる選手は少ないが、調査をしたら月経不順の選手が多かったといい、しかも自分が月経不順であるという自覚の無い選手が多いことに警鐘を鳴らします。

看護師の資格も持つ河瀬さんは、「月経トラブルを抱えた選手をいかに産婦人科に行かせるかが、自分の役割だと思っています」と話します。

 

婦人科医師の講演会に選手を参加させたり、医師への受診に同行したりしているそうで、選手が競技生活を終えた後で子宮内膜症などのトラブルを抱えていることが判るというような状況を防ぎたいと説明します。
今後、婦人科医との連携などを検討していきたいと語っていました。

女子サッカー選手は1日のエネルギー摂取量が3000キロカロリーは必要だと言います。調査したところ1試合の走行距離は男子選手と同じだったそうです。

健康のために一番大事なのは食事だとして、思春期の選手は「生きる分」「生活する分」「運動する分」「成長する分」の栄養摂取が必要になるので、スタッフと相談しながらコンディショニングしていきたいと語っていました。

 

また、河瀬さんは女性として基礎体温や月経周期を意識することの大切さを選手に伝えていきたいと言います。
日本代表選手に帯同した際のメディカルチェックは、普通の健康診断とメニューが変わらなかったと指摘し、婦人科の項目も入れて欲しいですねと話していました。

 

 

辞めたら身長が伸びた!
新体操元全日本ジュニアチャンピオンの吉岡茜音さん(東京農業大学1年)は、幼稚園から高校1年生まで新体操に取り組んだスポーツ女子です。
現在は管理栄養士を目指して大学で勉強をしながら、子供たちへの新体操の指導に携わっているそうです。
将来はスポーツの経験を活かし、スポーツ選手のサポートをしたいと言います。

審美系競技である新体操は、エネルギーが必要で筋肉も必要にも関わらず、減量もしなければならない競技です。吉岡さんは、お母さんが食事をしっかりと管理し、競技生活をサポートしてくれたそうです。

吉岡さんは中学生でも月経が無いことは当たり前だと思っていたと振り返り、ジュニア世代にはそういう選手が多いのではないかと話します。
選手、指導者、周囲の人たちに「スポーツと月経」についての正しい情報を届ける重要性をあらためて考えさせられます。

 

選手時代は身長が低かったという吉岡さん、実は新体操を辞めてから身長が伸びたと言います。

するとそれを聞いた佐藤医師が、女子が高校生になってから身長が伸びるというのは本当に稀なケースだと言い、吉岡さんの場合はエネルギー消費が減った分、身長が伸びたのかもしれないですねと話していました。

また、審美系競技は身長が160㎝以上ないと世界では通用しなくなっているが、小さい頃から競技をやっていると身長が伸びにくいと指摘、小さい頃からやっている方が技術的には上手くなるということもあり、難しい課題だと話していました。

 

慶應義塾大学体育会競走部中長距離に所属する前田綾香さん(慶應義塾大学4年)は、日頃から食事や生活習慣には気を使っていると言います。

慶應義塾大学では体育会の学生に向け血液検査を実施しており、女子学生には骨密度測定などのメニューも行っています。その際に食事について記載するシートがあり、前田さんは自分の食生活を見返す機会となり、それから食事を意識するようになったと話します。

「産婦人科にはなかなか行きにくいので、大学が積極的に医師と連携をとるなどして欲しいですね」と前田さん。

佐藤雄一医師は、産婦人科の敷居を下げて多くの人を診る環境を整えていきたいと話し、働く女性が子育てしながら活躍できる支援とスポーツ選手の支援をしていきたいと締めくくりました。

 

 

国立成育医療研究センター プレコンセプションケアセンターは2015年11月に開設されました。與那嶺選手は、自身のユニフォームをオークションに出し、その利益をセンターの研究に寄付されているそうです。
この日、感謝状とロードレース優勝を祝した花束がセンターより手渡されました。

 

「選手でいる間は競技優先の生活になりますが、いつか子供を産みたいと思うタイミングが来た時のために、自分の体の状態を把握しておくことの大切さ」をRanRunとしてもスポーツ女子に啓発していきたいと思います。
安心して競技に集中できるためにも、婦人科医師に相談しながらコンディションコントロールする環境作りが当たり前になるように、情報発信していきます。

 

 

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