• 土. 4月 20th, 2024

我慢しないで相談しようよ、生理痛!

スポーツ女子のアンケートで多く寄せられた生理の悩み。
一人で悩まず不安を解消して、最高のパフォーマンスをしたいですね。
日本体育協会公認スポーツドクターで、埼玉医科大学産科婦人科講師の難波聡(なんばあきら)先生にアドバイスをいただいてきました。
今回のテーマは、生理痛です。

【生理痛がツライ】       

生理痛は、生理時の子宮の収縮に伴う痛みのことです。
人によっては腰の方に痛みを強く感じたり、お腹の方に強く痛みを感じたり、痛みの強さにも個人差があります。
生理痛そのものは、子宮の収縮がきちんと起きているということになり、心配なことではありません。
しかし、痛みが強い場合は子宮内膜症などの病気が隠れている場合があります。
生理痛が強く辛いのであれば、我慢は禁物です。
先ずは、近くの婦人科クリニックなどに相談してみましょう。
病気でないとわかれば、痛みを緩和する薬を服用することで生活が楽になります。

【生理痛の対処法】

生理痛を緩和する薬は、鎮痛剤・子宮収縮抑制剤・低用量ピルなどがあります。
先ずは市販の鎮痛剤を試してみるのもよいでしょう。
生理痛のタイプによって薬も選んだ方がよいので、市販薬を購入する場合は薬局の薬剤師さんに相談するようにしましょう。
必ず正しい飲み方を守り、服用してください。通常の量で効かない場合は、病気が隠れている場合も考えられますので、病院へ行きましょう。
また、鎮痛剤によっては腎臓等への負担がかかる場合があるので、パフォーマンスを上げたい時の服用は避けたいところです。

スポーツ競技をしている女子であれば、コンディションを見ながら低用量ピルを服用することを勧めます。
試合などの大切な時に、生理でパフォーマンスを下げないために、低用量ピルを服用し生理コントロールをしている女性アスリートもいます。
それだけでなく低用量ピルは、生理痛の緩和にも有効です。
種類が複数あるので、自分に合った薬を探し、服用方法を練習するところから始めましょう。
ピルは医師の処方が必要になります。

【過多月経・過長月経】

生理時の出血量が多い、期間が長いなどで悩んでいる場合、また血の塊が出るなどの場合、ポリープや子宮筋腫、血液の病気などの可能性もあります。
一度、医師に相談してみることをお勧めします。

【婦人科の主治医を持ちましょう】

学生のうちは、婦人科にかかることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
しかし、生理の悩みを抱え、我慢を続けることは決してよいことではありません。
また、スポーツで最高のパフォーマンスができるように体調をコントロールすることも、競技者として大事なことです。
先ずは、家の近くで探したり大学の保健センターで紹介してもらったりした婦人科クリニックなどに相談するのもよいでしょう。
月経コントロールを考えるのであれば、スポーツに理解のある医師を探すなども検討したいですね。
スポーツドクターの資格を持つ婦人科医も増えてきています。
自分に合った医師を探し、いつでも相談できる主治医を持つことが大切です。

<監修:難波 聡(なんばあきら)先生プロフィール>

難波 聡(なんばあきら)先生

平成 7年 3月 東京大学医学部医学科卒業
平成14年 3月 東京大学大学院医学系研究科生殖・発達・加齢医学専攻修了
平成14年 4月~ 東京大学医学部附属病院
平成15年 7月~ 東京都教職員互助会三楽病院
平成17年 7月~ 埼玉医科大学病院
現在、日本陸上競技連盟医事委員会、日本オリンピック協会医学サポート部会員、臨床スポーツ医学会評議員、日本体育協会公認スポーツドクター、臨床遺伝専門医、埼玉医科大学陸上競技監督

2015年1月掲載記事リライト