皆さんがよく購入している紙の雑誌はなんですか?週ごと、月ごとなど定期的に購入している雑誌はありますか?
2024年11月15日に昭和女子大学内で開催した昭和女子大学キャリアセンター×人材活用推進機構による就活支援企画「広告・PR、出版業界ディスカッションイベント」についてご紹介する第2回は、メディア業界の中から「出版社の仕事」についてです。
人材活用推進機構の浅沼紀夫さんは、出版社のダイヤモンド社に長年勤務されたOBです。
出版社の中には色々な部署があること、ご自身が編集部や宣伝部などに所属した時の業務やモチベーションについて、さらに出版業界を知るために必要な情報についてお話しいただきました。
出版社ってどんなところ?
「小さくても、ダイヤモンドのようにきらりと光る会社・人間でいなさい」それが創業者の言葉です。
ダイヤモンド社は1913年に創立され111年の歴史があり、主に経済やビジネスなどの書籍や雑誌を出版しています。
社内には、製造部門(製販一体部門含む)、販売部門、管理部門があります。
ご自身が所属していた編集部は製造部門の属し、宣伝部は販売部門に属していたそうです。
浅沼さんは、編集部で雑誌や書籍の編集や企業の戦略的な広報のサポート、宣伝部では自社の媒体の宣伝として広告を用いて世の中に伝える業務などをされていたそうです。
もし、皆さんが雑誌を購入する機会が無いととしたら、その理由はなんでしょう。
雑誌はジャンルが様々で、ファッション、美容、旅行、映画、音楽、料理、カルチャーなどなど、特化した情報を手軽に得られるメディアとして、様々な人たちから重宝がられるメディアでした。
昔はファッション誌を持ち歩く学生も多かったそうです。
しかし紙媒体は読者の意見を受け取りづらいことや、デジタル化が進んだことによって、出版物の売り上げが下がりました。
一方で、デジタルメディアとしての売り上げは、上がっています。
ダイヤモンド社もデジタル化の動きに対応し、書籍や雑誌もデジタル化され、オンラインを使った新しい販売スタイルを作りました。
浅沼さんは、出版社にしかない利点から本当の強みを理解し、自分たちで発掘、アウトプットすることが大切だと言います。
状況の変化をマイナスに考えるのではなく、変化による本当の強さを理解することが厳しい状況を打開する対策につながるはずです。
そして、メディアの多様化により、紙媒体、デジタル媒体のどちらの利点・不利点も利用して情報提供していくことが、出版業界の在り方だと理解しました。
浅沼さんは長年、ダイヤモンド社の強みを活かした企業との協力企画を担当されてきました。
ダイヤモンド社の強みとは、経済・ビジネス出版社として客観的視点に立った企業についての情報を読者に提供することができることです。
この客観的視点によって、情報を「そうだよね」を「そうなんだ」に変えることができます。浅沼さんは客観的視点が欲しい中小企業の「良さ」を世の中に届ける書籍を作ってきました。
この経験は、中小企業ならではの「良さ」を肌で感じられる機会だったといいます。
世の中には、名前の知られていない優良な中小企業が沢山あります。
大企業だけでなく、中小企業もその「良さ」を肌で感じて、知ることが大切だと学びました。
浅沼さんは、「ダイヤモンド社が自分に合っていたのかどうかはわからない。しかし、やれることは一生懸命やろうという気持ちをもって働いていた」とおっしゃいまいた。
入社した後に、自分からやりがいを見つける力、逆境をチャンスに変える力、企業を広く見る力を身に着けること。
浅沼さんからお聞きしたことが、これから社会人になる学生にとって、自身を鼓舞するものになるはずだと思います。
ディスカッションイベントに参加して
自分自身のことをひたすら理解する必要性を強く感じました。
自分の今やりたいことによって、今後の大学生活をどう使うかも変化することが分かりました。
同時に、どのような条件を業界・企業に求めているかを詳しく考える必要があると感じました。
例えば広告業界とPR業界では、大枠は似ていても目的が違うということや、様々な種類の出版社がある中で、ダイヤモンド社はこういう企業に向けた情報を提供できる出版社だということなどは、学べたことのひとつです。
遠くから見ると同じように見えて、実は中身が全く違うということを肌で感じられるいい機会になりました。
担当:小材 梨紗(昭和女子大学3年)