• 木. 1月 23rd, 2025

【RanRun学生スタッフ】ホンモノに話を聞く。広告・PR、出版業界の人とディスカッション!③ いよいよディスカッション

出版・PR業界ディスカッションイベント

2024年11月15日に昭和女子大学内で開催した昭和女子大学キャリアセンター×人材活用推進機構による就活支援企画「広告・PR、出版業界ディスカッションイベント」についてご紹介する第3回は、業界人VS大学生による質疑応答です。
アンティルの中野さん、村上さん、ダイヤモンド社OBの浅沼さんが、本音トークで学生の皆さんにアドバイスしてくださいました。

―広告とPRの違いについてお話しいただいたのですが、いわゆる広告大手といわれる所と被ることはありますか?―

村上:クライアントへのコンペで競って、その際に勝つことも負けることもありますが、一緒に仕事をすることもあります。

―出版社の1日のスケジュールを教えてください―

浅沼:出版社はどこの部署に携わるかによってスケジュールが異なりますが、制作チームは比較的自由にスケジュールを組んでいると思います。

―1度やりがいを見つけてみると良いとおっしゃっていましたが、浅沼さんに取っての1番のやりがいは何でしたか?―

浅沼:自分の中で仕事に対しての「楽しい」を見つけること、そして楽しいをやることでやりがいになっていく。
会社の予算などを目指すというよりは、仕事自体を楽しんだ上で、結果予算を達成というふうに楽しんでいました。
嫌々やるのも、楽しんでやるのも、仕事内容は変わらないので、それなら楽しんでやった方が良いという考え方です。
最近の人は、以前より「やらされている感」が強いのかなと感じるので、余計大変に感じてしまうのかなと思いますね。

村上:浅沼さんの話は新卒の子に話す話と似ています。
入社当時はキラキラしたイメージを持つ子も多いですが、実際は泥臭く始めは落ち込むことの方が多いです。
そこで会社を辞めることもできますが、新卒の子には自分で選んだ会社でもあるし、新卒として入った会社での時間はすごく貴重であり、「その時期をどう過ごすか」がキャリア形成において重要になってくるという話をしています。

中野:自分の仕事に責任を持つというのはどこの会社にも大切です。これはアルバイトでも社会でもインターン生でも同じだと思います。

―退職する若者がすごく多いと聞きますが、すぐに新卒で退職するというのは勿体無い気がするのですが、何年くらい勤めた方が良いというのはありますか?―

村上: ないと思います。何年やったら1人前というのではなく、自分がその会社に行って楽しいと思ったり、ここでやりたいと感じたりしている間は、何年やっても良いと思います。
私自身も特に期間を設けているわけではなく、今この会社でチャレンジしたいことがあるからいますが、次の環境に行かないとチャレンジできないことがあったら辞めると思います。

中野: 採用の人事をやっていますが、人事としては新卒でも転職でも入社してから1年以内に辞めている(辞めようとしている)人は、注意して面接するようにしています。
2年目だとこのぐらいのスキルを持っている、3年目だとこれぐらい、という社会人歴によってある程度期待する能力の指標があるからです。

浅沼: 昔から3年って言いますよね、辞める理由にもよると思います。
僕は人間関係とかが理由という場合は、辞めた方が良いと思ってしまいます。
仕事が理由の場合は、すこし我慢しても良いのかなと思います。
 人間関係で我慢すると心理的に不調になってしまうので、無理はしないで欲しいと思います。
人材紹介の仕事をしている友人から、5月になると新入社員が相談に来るという話を聞きますが、自分の能力を過信している人もいるし、新卒ですぐに戦力になるというのは能力的に難しいです。
辞める年数よりも、辞める理由が大事だと僕は思います。

(編集部から)―学生の皆さんはご存じないのかもしれませんが、採用する側は経費がかかりますよね。昔は新卒で入社したら最低3年は勤めるのが礼儀だなどと言われていましたが、今はどうですかー

中野: 新卒採用の場合、一人当たりの採用コストは約100万円となります。これに加えて、既存社員が教育するための時間も必要になります。
人材紹介会社を通じて中途採用をする場合には、紹介手数料として初年度年収の30%程度が必要となるため、一人当たりのコストは若手の場合でも約150万円ほどかかります。
入社後3年目までは収益への貢献が限定的であり、4年目以降から会社への利益貢献が期待できるようになります。
ただし、5年以内に退職されるケースも多く、その場合は採用・育成コストが回収できないリスクがあります。
そのため、採用時には慎重な見極めが必要ですし、候補者の方には、長期的なキャリアビジョンを持っていただき、当社での成長機会を活用して着実にステップアップしていただきたいと考えています。
社員にとっても転職を繰り返すと採用されにくくなりますので注意が必要です。

===転職ではなく、社内異動という選択肢もある===

村上:営業部にいた時に、人事の仕事にも興味があったので、入社4年目以降に転職を考えた時期があります。
それで中野さんに相談したら、人事の業務もクライアントワークの業務も、やりたいことを同時にやればよいと言っていただけて、今も続けています。

中野:結構多くの方が転職を前提に働いていると思いますが、安易に転職するのではなく、今いる会社で新しいことに挑戦してみても良いかもしれません。
失敗しても履歴書に書かれるわけではないし、以前の部署に戻ることができるなど利点があるからです。

―専門誌の会社に就職したい場合、経済のことがよくわからないのですが、経済学部や経営学部、商学部出身などが有利に働くのかと思いました。採用の際に何万人もの応募がある中でどこまで学校名や学部を見ていますか?―

浅沼: ダイヤモンド社には学閥などはないし、特に気にしていないと思います。
経済を知らないよりは知っていた方が良いというのはありますが、それよりもコミュニケーション能力が高い人が求められます。
または「覚える」「教わる」の気持ちが強い人です。
初めから新卒の人に期待しているわけではないので、教えられることを受け入れてくれる人の方が良いです。
ただし記者の転職などの場合は、会社によって記事の作風というのがあるので、前の会社の書き方で記事を書かれると困ってしまいます。
だから新卒の時から鍛える方が良いと考えますが、ダイヤモンド社の場合は新卒を1人2人くらいしか採用していないと思います。

―グループディスカッションで国立大学や有名大学と並ぶと、焦りが出てしまいますー

浅沼: 女子大の強みを持って言えることが大切です。学校名関係なく、その人個人が会社の雰囲気に合うかどうかが大事だと思いますよ。

中野:  PR系の会社でも、採用をするうえで学校名や学部が関係のない会社はあると思います。
今年の新卒採用者にも、あまり有名ではない大学出身で活躍している方がいます。
ただ有名大学の人は、周りの人が就活準備や努力しているので、相乗できる環境かもしれないですね。

中野: 興味のある会社がある方は、1年生や2年生の頃からインターンに参加しておくといいかもしれないです。
同じアルバイトをするなら、企業での有償インターンに参加すると、就活に役立つ経験ができる場合があると思います。

浅沼: 社会人になって、仕事の中でやりたいことにチャレンジできると言うのはすごく良いことで幸運なことです。
管理職に就いたりするとチャレンジしやすいですが、村上さんや中野さんのようなことをどこの会社でもチャレンジさせてくれるかというと、難しいかもしれません。

中野: 若いうちはなかなか挑戦できる機会を得るのは難しいです。
新卒で入ってからしばらく働いて経験をつけた上で、企画などやりたいことにチャレンジすることができると思います。

―大学生のうちに、しておくべきことはありますか?―

村上: よく面接で聞かれますが、遊んで欲しいと思っています。
資格などの勉強も良いのですが、大学生には大学生にしかできないこと、学校や空いている時間でやりたいことをやって、そこから得るものも大切です。
これも将来に影響していくと思います。

中野: 社会人に、仕事のことや就活のことを質問して知識を深めることはやった方が良いと思います。

浅沼: 社会人に限らず、色々な人に色々な話を聞くというのは、すごく大切なことだと思います。
考え方もそれぞれ違うし、例えば今回のディスカッションのような場では、あまり知らない会社の話なども聞いておくべきだと思います。
就活サイトなどで検索をかけると、便利に企業情報が出てきますが、それでは知らない会社をスルーしてしまいがちです。
中小企業でもしっかりとした企業はたくさんあるので、そこが問題だと思います。
検索した時は、全部ホームページを見てみるなどした方が良いと思いますし、知っている会社よりも知らない会社について、調べてみるなどするとよいと思います。

ディスカッションイベントに参加して
今回のイベントでは、私自身では知ることができなかったPR会社、出版社の仕事について、インターネットでは得ることができない生の声を学ぶことができました。
興味がある職業、目指している職種だけではなく、さまざまな企業の方々とお話をすることで、新たな発見、視野の広がり、出会いが生まれることもあると思います。
是非学生の皆さんも身近にある説明会などに参加してみてください。

担当:石井櫻子(昭和女子大学3年)

株式会社アンティル
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