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スポーツ庁は、スポーツで頑張っている人を支える仕事

「スポーツ庁」という響きだけで、スポーツに関わる人にとっては官庁が少し身近になったのではないだろうか。「スポーツ庁」の設置は、日本が国としてスポーツに対しもっと大切に取り組んでいこうという意思表示だ。スポーツに関わる学生に期待するところも大きい。設置から1年、スポーツ庁でスポーツ総括官として指揮をされている平井明成(ひらい・あきしげ)氏に話を聞いた。

 

スポーツ庁とは

スポーツ庁は2015年10月1日に創設され、長官の鈴木大地氏を筆頭に、スポーツ環境の整備やスポーツ奨励などのスポーツ政策、国民へのPRなどに取り組んでいる。
平井総括官はスポーツ庁の目指すことのひとつに、「国民が日常的にスポーツをすることで幸せになること」を挙げる。

 

子供時代、小学校に入ると体育の授業があり、好き嫌いに関係なく誰もがスポーツに取り組む環境ができている。これは中学・高校に入っても継続されるが、高校、大学に進学すると体育の授業は少なくなり、部活やサークルに入らなければスポーツをする機会は減少してしまう。

 

自分で意識しないとスポーツをしない環境ができてしまうのが、大学時代だ。大学で部活をしていた人も、多くは社会人になりスポーツから離れてしまう。スポーツ実施率の調査では、社会人になる20代前半の世代に凹みができるという結果が出ているそうだ。「子供の頃からのスポーツの習慣を大人になっても継続して欲しい」と総括官は話す。

 

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大学スポーツへの期待

大学の体育会やサークルは自主自立の活動であり、基本的に自分達で練習や合宿を計画し、大会運営などを行っている。学生組織が大きくなり、大きな大会も行われるようになってきた。ケガなどの安全対策や部費などの会計管理をしっかりやり、学力向上に努めて欲しいという。
また、自分が磨いたスポーツの技能を次の世代に伝えるために、指導者としてのノウハウを身に付けて欲しいそうだ。

 

海外には、スポーツ選手が引退後、経営者や弁護士などの職業に就いているケースも多いそうで、日本の学生にも「スポーツもできてマネジメントもできる人材」に育って欲しいという期待を寄せている。学生時代に運動しかしていなかったでは困るので、しっかり学業にも力を入れたいところだ。

 

大学卒業後もスポーツを続ける環境作りとして、スポーツ庁では地域スポーツを支える仕組みを検討している。生涯スポーツ社会の実現を掲げて1995年から育成を推進している総合型地域スポーツクラブには、有給の指導者だけではなく、ボランティアによる指導者も多くいる。
体育学科の学生が、学んだ技術を使い活躍する場としての可能性を検討している。

 

また、体育学科の学生が中学・高校の部活指導のサポートをする仕組みも検討している。現在の中学・高校では、部活動の顧問のうち、保健体育以外の教員で担当している部活動の競技経験がない教員が4割を超えている。また、土日に大会の引率をするなど業務外の活動もあり、教員への大きな負担となっている。
スポーツ庁では、部活動指導員(仮称)を法令上に位置付けることを検討しており、近い将来体育学科生の進路の選択肢に加わるかもしれない。
部活の指導員という資格を持った人を作り、教員の負担を減らすとともに、部活に所属する生徒のスキルアップを図ることを検討しているそうだ。

 

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スポーツ庁職員の仕事

公務員を目指すスポーツ女子のために、平井総括官に職場としてのスポーツ庁について聞いた。

 

「スポーツ庁職員の仕事は、スポーツで頑張っている人を支える仕事です。どうしたらスポーツをやりやすくできるかを考えています。また、スポーツをしていない人に対し、スポーツのとっかかりを作るのも仕事です」と話し、スポーツを俯瞰して観ることでテコ入れする場所を検討しているそうだ。

 

全国から要望がどんどん寄せられるので、その対応も大事な業務だ。
スポーツ団体との連携やサポートもある。

 

職場の魅力

「前向きで明るい職場」と平井総括官は表現する。
トップアスリートなど一つの功を成した人たちとの出会いもある。
先端的な仕事であり、全国規模・世界規模での広い仕事もある。
スポーツ庁は文部科学省に所属しているが、所管を超えた仕事が多く、各省庁が連携して業務にあたっている。例えば、健康増進に関することは厚生労働省、国際大会に関することは外務省、スタジアムや観光に関することは国土交通省、スポーツの産業化に関することは経済産業省といった具合だ。
スポーツ庁は、各省庁出身のベテランがリーダーとしてスタッフを育成しており、他の省庁とは異色の職場のようだ。

 

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スポーツ女子へのメッセージ

スポーツを続けてください。スポーツで培った力は、環境が変わっても役に立つものです。
社会人になっても、スポーツ習慣を続けて欲しいと思います。自分の意思を持ってスポーツの楽しさを他者にも勧めて欲しいです。

 

2020年はパラ五輪の成功が東京大会の成功だと位置づけています。それはパラ五輪の会場をいっぱいにすることです。リオ大会では、パラ対応のボランティアの活躍が凄かったと聞いています。
スポーツをやったことがある人、助けてもらったことがある人に、スポーツを支えるボランティアとして活躍を期待しています。

 

スポーツ庁ロゴ