2015年度ミス日本グランプリ 芳賀千里さん 心の教養を学ぶ

元シンクロナイズドスイミング日本代表で2015年度ミス日本グランプリの芳賀千里さん。屈託のない笑顔は、努力に裏打ちされた「自信」が源のようだ。前編は、シンクロのこと、日本代表、ミス日本へのチャレンジなどについて話を聞いた。
シンクロとの出会い
キッカケは兄。芳賀さんは、5歳上のお兄さんがやることには何でも興味を持ったようで、3歳から兄と同じスイミングスクールに通い水泳を始めたそうだ。そこで、シンクロナイズドスイミング(シンクロ)のクラスを知り、見学した時に「ビビッときた」とその出会いを説明する。小学校3年生から13年に渡りシンクロに取り組むことになった。
シンクロで培った力
芳賀さんは学校の部活ではなく、クラブチームでシンクロを続けた。自身が中学2年の時、同じチームの最年長は大学4年生だったという。年齢や経験数が違っても、一緒にひとつのものを作り上げるチーム作りがどのように行われていたのか訊いてみた。年下の者は、とにかく必死で先輩に付いて行ったという。年上の者は、リーダーとしてみんなをまとめることもそうだが、緊張をほぐしてあげるような気づかいや優しさを示していたそうだ。
日本代表
芳賀さんは、ジュニア日本代表を経て、大学3年の時に日本代表に選出された。シンクロの場合、チームに空きができたら次の候補者がメンバーとして入る。既にできているチームの中に自分の場所を作っていくのだから、メンタルが強くなければついていけない。芳賀さんもシンクロを通して、技術だけでなくメンタルも磨かれていったという。
1日の練習時間は10時間に及ぶ日もあった。合宿ともなれば、そんな日が2週間~1月単位で続く。リオ五輪を目指して、シンクロの練習の日々が続いた。優雅で美しいシンクロだが、他のスポーツに類をみないほどエネルギーを消費する競技だ。1日の食事について尋ねると、1日の栄養摂取量は7000~8000㎉で3食プラス捕食が2、3回だったそうだ。女性であっても、それだけ摂取しないと動けない競技なのだという。
挫折、そしてチャレンジ
大学4年の春に、芳賀さんは大きなケガを負った。腕が全く動かなくなったという。リオ五輪を見据えた時に、手術をして回復するのを待ってもらうよりも、他の人にチャンスを活かしてもらうことを考えた芳賀さんは、日本代表を辞退することを決心した。
自分で辞退することを決めたとはいえ、13年間続けてきたシンクロを失うことは、芳賀さんにとって相当なダメージになった。リオ五輪を目標に毎日練習してきた生活が、全てゼロになりリセットされた。眠れなくなり、食欲もなくなり、ベッドから起き上がれない生活が一ヶ月ほど続いたという。そんな芳賀さんが、ミス日本コンテストへの出場という一歩を踏み出したのには、母の後押しがあったそうだ。
ミス日本コンテスト候補生
落ち込んでいた芳賀さんがミス日本コンテストに関心を抱いたポイントは、日本の文化や外交などについての「一般教養」をはじめ、能の御作法や茶道等で「まごころ」や「心栄え」について学べること。また外面を磨くためのメイクやウォーキングのレッスンがある他、自分を見つめるためのメンタルトレーニングなどで「心の教養」についても学ぶことが出来るところだったそうだ。
「新しい自分を見出すために、何かきっかけになればと思った」と語る。
ミス日本の候補生になって、様々な勉強をする機会ができた。セルフプレゼンテーションでは「人に自分の思いや考えを伝えるために」として、「話し方」や「言葉遣い」はもちろんのこと、「自分だから話せることをより多くの方に伝わるように表現する方法」についても学ぶことができたそうだ。
またメンタルトレーニングでは、シンクロへの想いに蓋をして、空元気を出して生活していたため、自分自身と向き合うことができていなかったが、初めて向き合うきっかけとなったと話す。今までシンクロから遠ざかり、離れようとして生活をしていたが、この機会をきっかけに自分で自分の事を少しずつ許せるようになれたという。
「人に見られることを意識するように」と教わったことで、色々な面での意識の持ち方が変わったようだ。例えば、シンクロでは水でも落ちない強い化粧品を使う。ましてプールの水は塩素が強く肌にとっては、決してよい環境ではない。芳賀さんはそれまで、肌のことをあまり意識したことがなかったという。
「きれいな肌を保つために手入れをする」ことを知り、それに伴い生活への意識も変わっていった。
ファッションについても、流行りのものを追いかけるのではなく、自分にその服が合っているかどうかを意識し、場に合ったものを身に着けるマナーの意識を学んだという。
次回は、ミス日本グランプリとしての活動、就職活動と今の仕事、今後の目標などをお伝えする。
写真提供:ミス日本事務局
プロフィール
芳賀 千里(はが・ちさと)
生年月日:1992年10月19日生まれ
出身地 :東京都
日本女子体育大学体育学部卒業
職業:会社員
特技:シンクロナイズドスイミング、マッサージ
趣味:水泳 、スポーツ観戦、映画鑑賞
将来の希望:家族や家庭を大切にし、元気にハツラツと働く女性
座右の銘:つよく、正しく、美しく。 つらい時こそ笑顔
-ミス日本の代表的な活動-
大島椿祭り椿の女王コンテスト ゲスト審査員
こども養護施設・高齢者福祉施設 訪問
三浦国際市民マラソン スターターゲスト
ANAグループ SKYTRAX格付け「5スター」認証式典
かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン スターターゲスト
スポーツニッポン新聞 ゴルフ天国連載(~7月末まで)
児童養護施設への思い出プレゼント
マイナビシニア&レディースカップ 表彰式
Microsoft Champ 表彰式
ANAグループ 第60回「しあわせの花すずらん」 出席
第40回全日本アルティメット選手権大会 決勝表彰式
未来への道1000km縦断リレー2015 ゲストランナー
ジャパンジュエリーフェア2015 ゲストモデル
日光大笹牧場 一日牧場長
東京都しょうがい者スポーツ振興「チャレスポ!TOKYO」
東京都スポーツドリーム2015 ゲスト
ANA全日空 日本ベルギー便 就航記念式典inブリュッセル
鳥取砂丘砂像美術館 イルミネーション点灯式
赤穂シティマラソン大会 スターターゲスト
年末ジャンボ宝くじ 抽選立会人
-戦歴-
中学3年(2007年) | JOCジュニアオリンピックカップ 最優秀選手賞 |
高校2年(2009年) | 日本代表Bチーム ワールドトロフィー大会 総合5位 |
JOCジュニアオリンピックカップ デュエット 優勝 | |
高校3年(2010年) | ジュニア日本代表 世界ジュニア選手権大会 チーム 5位・コンビネーション 6位 |
日本代表Bチーム ワールドトロフィー 総合5位 | |
大学1年(2011年) | 日本代表Bチーム デュエット 6位 |
大学3年(2013年 | 夏季ユニバーシアード競技大会日本代表 チーム2位・コンビネーション2位 |
日本代表に選出 | |
大学4年(2014年) | 怪我により引退 |
RanRun yukiyanagi