奇跡は自分で手繰り寄せるもの 大阪市立大学漕艇部⑪

ボート部の授業説明会に行くまでボート競技というものを知らなかったと話すのは、工学部機械工学科新2回生の阿茂瀬 凱生(あもせ・かいき)さん。同じ学科の先輩からボートの魅力について話を聞き、説明会の最後に流れた新歓PVを観て、全力でボートに向き合う先輩たちの姿に「凄い」と思ったそうだ。
気付いたら何度もボート部の新歓に足を運んでいたという阿茂瀬さんは、いつしかボート部の先輩たちのようになりたいと思うようになり、尊敬から目標に変わっていったと言う。
もともとコツコツと頑張ることが好きで、体格的にも自分はボートに向いているように思い、入部を決めた。
野球とボートの違い
小中学校で野球をやっていた阿茂瀬さんは、同じチーム競技でも選手ひとりひとりに違う役割があり、与えられた役割をこなすことがチームへの貢献になる野球とは違い、ボート競技は全員が同じ動きをすることで艇を動かし、より一層の統一性「ユニフォーミティ」が必要だと話す。
どんなに個々に力があっても、一人がズレてしまうと艇は進まない。
しかし、全員の動きが揃うと艇はぐんぐんと進み、まるで水の上を滑っているかのように動き出すのが面白いと教えてくれた。
1年ボートに取り組んできて思うことは、「奇跡は自分で手繰り寄せるものだ」ということ。
ボート競技は、一発逆転の秘策というものは少なく、番狂わせもあまり起きない。
つまり、日々の練習や努力が必要ということだ。
実際に艇に乗って技術を磨いたり、エルゴ(陸上でもローイング動作を再現することができるマシーン)を使った練習を行ったりするが、練習はハードで心が折れそうになることもある。
しかし、「この練習を乗り越えて勝利を掴むのは最高に楽しく、これからの人生でかけがえのない記憶になると思います」と阿茂瀬さん。
以前は1人で黙々と何かをすることがあったが、ボートについて先輩にアドバイスをもらう機会が増え、人からなんでも吸収しようという貪欲さみたいなものも身についてきたと話す。
ボート部の魅力はメリハリのある生活
大阪市大ボート部は共同生活を送っているので、1年のほとんどを部員と過ごすことになる。
長い時間一緒にいると余計な遠慮をする必要がなくなり、とても安心するそうだ。
先輩たちは2回生の阿茂瀬さん達以上に一緒にいる期間が長いので、まるで家族のように、とても賑やかな生活をしている。
それでも練習が始まれば、みんながボートに真剣に向き合うといったメリハリもあり、練習に妥協しないところがボート部のいいところだ。
「練習が終わると、マネージャーさんが作ってくれた晩ご飯を食べながらワイワイするのも楽しいですよ」
まだ部活に入って1年しか経っていないため、あまり部の中心となるような役職はしていない阿茂瀬さんだが、主務についてやりがいのある役職だと感じているそうだ。
主務の仕事は練習自体に関わるものは少ないが、自分たちが生活をしていく中で必要な経費などを調べたり、OB・OGさんたちと交流する機会を作るような橋渡しの役割も担っている。
忙しいとは思うが、成長できる役職だと教えてくれた。
そんな阿茂瀬さんの今年の目標は、全日本新人選手権大会でA決勝進出することだ。

2019年浜寺杯新2回生集合写真
阿茂瀬さんからのPRコメント
大阪市大ボート部のなによりの特徴は一生懸命頑張るところです。
それを感じたのは入部して初めての選考会のときでした。
練習場の空気がいつもと違っていて、選考が始まると選手は文字通り命を削りながらエルゴを引いていて、1年生は見学させてもらったんですが、この選考にかけていることがわかるくらい、気迫をひしひしと感じました。
応援をする人も全員が熱くなっていて、それを見ていると自分は今まで一生懸命がんばってきたのか、命が削れるぐらいやってきたのかなど考えてしまうぐらい、先輩たちの気迫に押されてしまいました。
でもそれぐらい本気になれるものがあるというのもとても素晴らしいことですし、その集団に所属できているというのもとても光栄だと思います。
つづく
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