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スポーツ女子インタビュー

昭和女子 総合格闘技女子 全力でぶつかっていく非日常の魅力

全力で体ごとぶつかっていく非日常の魅力
ピープル 2016/09/09

なんのスポーツをやっているの?返ってきた答えに「え?」と目が丸くなった。昭和女子大学3年の國保小枝(こくほ・さえ)さんが取り組むのは、総合格闘技。キックボクシング、寝技、柔術、レスリングなど格闘技のスキル全般を習得するために、週3日道場に通う。小柄な國保さんの練習風景を拝見しに、道場を訪ねた。

 

小学生時代はソフトボールをやっていたが、高校では吹奏楽部だった國保さん。大学に入ったら運動をしようと思っていた。「格闘技をやってみたい」漠然とした憧れで、ネット検索した。家の近くで格闘技道場を探した。初心者でも入っていきやすいことが条件だ。
そして出会ったのが和術慧舟會総合格闘技の道場だった。

 

総合格闘技ジム

 

運動できればよいと思って、何も知らずに飛び込んだ格闘技だった。他の人は格闘技の試合を見て、「やってみたい」と入ってくる。練習を重ねているうちに、気づいたら自分なりに強くなっている。新しい発見があったと語る國保さん。道場に入って2年が経ち、体重も6キロ落ちた。
道場の松藤代表が、「女性はダイエットやストレス解消が目的の人が多いけど、(國保さんは)強さを求めているので少しハードなメニューをやっています」と教えてくれた。

 

ストレッチや筋トレなど準備運動を黙々と行っていく。1つずつの動作を3分ずつ、準備運動一通りで30分。これだけでも、かなりの運動量にみえた。

 

ストレッチ中

 

この日の縄跳びは、グリップに重りが入った太いタイプの縄を使って、リズム感と腕の筋力を同時に鍛えるメニュー。水を一口含むと、次はスパークリングに移る。

 

スパーリング-01

 

打撃が終わったら、次は蹴りの練習だ。

 

スパーリング-02

スパーリング-03

スパーリング-04

 

ハードな動きの連続だが、この打撃練習が先ず45分間。
休憩を挟んで、次は寝技、柔術と続き、1日の練習時間は3~4時間だ。
國保さんは、「始めた頃は腕が痛くてお箸を持てなくて、食べられなかった」と振り返る。

 

それで痩せたのかなと苦笑い。

 

スパーリング-05

スパーリング-06

 

道場に通っている人は、年上の男性がほとんど。その中で練習しているうちに、男性への苦手意識もなくなった。社会人と接することで、格闘技だけでなく、コミュニケーションスキルも磨かれてきた。

 

柔術の練習-01

 

道着に着替えて、柔術の練習に入る。技のひとつひとつの動作を代表に指導してもらう。

 

柔術の練習-02

 

「もっと前に!攻めてこなきゃ!」代表が声をかける。思い切って踏み込んだ、さらにもう一歩踏み出す強さを求められる。わかっていても、なかなか技をかけにいくのは難しい。

 

「メンタルを鍛えたい」と國保さんが本音を語った。自分は日によって強さがまちまちなのだそうだ。いい日もあれば、手も足も出ない日もある。相手の強さではなく、自分のメンタルの問題だ。大勢の人から見られている中で試合をすることで、緊張感に慣れる方法を身に着けたいと話してくれた。

 

「怖さは常にある」練習といえども、集中力を欠いたら危険が伴う。それでも全力で相手に体ごとぶつかっていくことなど、日常生活ではありえない。全力で体当たりすることの解放感が、國保さんが総合格闘技を2年続けてこられた魅力のようだ。

 

昭和女子大学3年の國保小枝(こくほ・さえ)さん

 

中学時代はぽっちゃり体型だったという國保さん。食べたら太るという強迫観念のようなものを抱えていたらしい。今は、試合前の減量もできるようになり、簡単に痩せられると気が楽になって、食事も普通に楽しんでいる。

 

休憩中、代表が「色々な技をつまむんじゃんくて、自分のテーマを絞った方がいい。」とアドバイスしていた。これは、格闘技に限ったことではない。
総合格闘技を通し、体と心、社会的スキルを磨いている。

 

【今後の目標】
試合で勝ってみたい!

 

【モチベーションを上げる曲】
ポルノグラフティの『THE DAY』

 

<取材協力>
和術慧舟會 船橋道場 http://wk-fu.com/
大手町道場 http://wk-oo.jimdo.com/

 

RanRun yukiyanagi

 

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