東京女子大ホッケー部 成長を実感 今度は支える側になる

「4年間運動部で頑張れたら自信になると思った」と語るのは、東京女子大学フィールドホッケー部主将 成田瑠奈さん(現代教養学部3年)。入学をきっかけに自分を変えたいと、「継続すること」「苦手な運動に取り組むこと」を自らの課題にした。成田さんに、フィールドホッケーの魅力、競技を通して成長したこと、主将としての目標などを聞いた。
ホッケーは楽しい!
フィールドホッケーの魅力を尋ねると第一声「楽しい!」と答えた成田さん。
手も足も使えず、手にしたスティックの片面だけしか使用できないという限られた中で、プレーをすることが魅力であり、ハマるポイントだと言う。
チームプレーなので考えることも多く、ペース配分も難しい。作戦が上手くハマり、得点につながった時の楽しさが最高のようだ。
フィールドホッケー部を選んだきっかけ
高校までは何事も続かない性格だったと自己分析する成田さん。部活に入部するも、直ぐに辞めてしまったそうだ。大学で何か始めようと考えた時、苦手な運動を4年間続けることができたら、きっと自信になると思った。
新歓で出会ったフィールドホッケー部の4年生がとても優しく、部の雰囲気がよかった。
部員数もそれほど多くはなく、大学から始める人がほとんどということもあり、初めて運動に取り組む自分には良い場所だと感じ、入部を決めた。
運動ってこんなに辛いんだ!
それまで運動らしい運動をしてこなかった成田さんにとって筋トレなどの基礎練習も大変なことだった。始めは腹筋運動もできなかった成田さんに、4年生の先輩は付きっきりで教えてくれたそうだ。
「出来が悪い分、練習ができるようにずっと先輩が付き合ってくれていました」
成田さんがホッケーを続けてこられた背景には、先輩達の支えがあり、色々な場面が蘇ったのか、思い出を語る成田さんの目から涙が溢れてきた。
厳しさの裏にあったもの
成田さんにとってもう一人、大きな支えになった先輩がいる。
3年生だったその先輩は、物凄く成田さんに厳しかったそうだ。怖い先輩にボロボロに言われて、心が折れそうになった。もうホッケーを辞めたいと追い込まれた時、先輩の真意を知ることになる。
「期待しているから厳しくしている。ちゃんと人の話を聞いて頑張っているから」そう言われた。
成田さんには思い当たることがあった。
試合の時、自分とは違うポジションで遠いところに居ても、ハーフタイムの時にアドバイスをくれるなど、実は自分のことをよく見ていてくれたのだ。
成長の証
入部時9人だった同期は現在4人。それぞれの理由で退部していったが、成田さんは目標の4年目を迎える。ひとつ上の学年の先輩達も親身になってアドバイスをくれた。先輩達の支えがあって続けてこられたと成田さんの想いは先輩への感謝でいっぱいだ。
昨年11月、秋リーグの最終戦が終わり代替わり。成田さんは先輩から主将に任命された。
「一番頑張った」「チーム全体を見ることができる」「メンタルが強い」先輩が成田さんを主将に指名した理由だ。これは、ホッケーを通して成田さんが成長した証だった。
「めげなくなりましたね」自身の成長を振り返り、笑顔を見せる。
中学高校時代は、なにかあれば直ぐにへこんでいたという成田さん。
キャプテンになってからは、相手に得点されても声を出してチームのモチベーションを引っ張れるようになった。
「キーパーには、自分が決めるから大丈夫って声をかけています」と苦笑い。
さらに、「嫌なことがあっても立ち直りが早くなりました」と、気持ちの切り替えが上手くなったことを話してくれた。
成長したのは自分だけではない。ともに頑張ってきた同期や後輩達についても、ホッケーを通してそれぞれが成長したと話す。
主将としてのチーム作り
「お互いが意見しあえるチームにしたい」という成田さん。
試合で負けていると、自分の性だと思ってしまう子が多いと感じている。
みんなが同じ気持ちで、同じ方向を見られたら、やることはやったと思えるようになると思う。
気持ちで通じ合えるチームにしていきたいと言い、なるべくみんなに話しかけ、関わりを持つようにしていくそうだ。
東京女子大学フィールドホッケー部の魅力は、アットホームなところと即答。
部内のミニゲームなどでも、点が入ると達成感を味わうことができる。
自分がアドバイスしたことを後輩ができるようになると嬉しいし、教えることができたという自分の成長を実感することができる。
先輩達に支えられて成長してきた成田さん。
「今までは支えられたので、今度は支える側になります」と笑顔で答えてくれた。
今季の目標は、2部優勝だ。(昨年は春リーグ2部2位、秋リーグ2部4位)
4月初旬から始まる春リーグに向けて、練習試合など練習も本格化する。

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それぞれのポジションでスキルを磨きながら、気持ちをひとつに2018年を戦っていく。
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