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ボート第45回全日本大学選手権大会

ボートインカレ 大学生活の集大成!思いが交錯する決勝戦

ピープル 2018/09/27

「世界で戦える選手になりたいと思います」
ボートインカレ決勝では、日本代表強化指定選手も多数出場しています。先日、開催されたアジア大会に出場していた選手達にも会うことができました。

こんにちは。東京女子大学3年の池澤実幸です。予選に引き続き、ボートの全日本大学選手権大会決勝戦(9月9日・戸田オリンピックボートコース)を取材してきました。
さすが決勝戦、初日の予選より観客数も多く、戸田公園は大いに賑わっていました。

 

一橋大学 女子舵手つきフォアクルー

昨年、「スポーツ女子の『食』を考える座談会」に参加してくれた一橋大学端艇部の直井夏織里選手とマネージャーの河野優華さんに会うことができました。

女子舵手つきフォアに出漕した直井選手のクルーは既にレースを終え、賞状を掲げて笑顔で写真撮影しているところでした。

一橋大学 女子舵手つきフォアクルーメンバー
#S直井夏織里選手
#3 西尾友伽選手
#2横井七香選手
#B辻田みどり選手
C 小塚裕理奈選手

「6着だったのは悔しいけど、今までで一番良かったです」と、全員が満足そう。
「来年は優勝したいです」ととびっきりの笑顔で応えてくれました。

一橋大学マネージャー 河野優華さん

また、舵手なしペアで優勝した一橋大学の男子クルーが表彰される様子を見守っていた河野さん。
マネージャーとして間近で漕手達をサポートしてきた彼女に、今の率直な感想を尋ねると、「4年間練習してきたものが形になってすごい!おめでとうという気持ちでいっぱいです」と教えてくれました。

 

中央大学 女子舵手なしペア

女子舵手なしペア優勝は中央大学の林田瑞季選手(B)と、田﨑結女選手(S)。
二人とも出身が長崎県という、通称長崎仲良しコンビ!
これまで予選でもスタートで負けてしまうことが多かったため、今回の試合では、最初から突っ込んで行こうと心に決めていて、良いスタートを切ることができたそうです。

1200~1500メートルくらいまでかなり苦しかったそうですが、「田崎さんの声掛けが力になりました」と林田選手。
最後は持ち味のレンジの長さを活かした粘り勝ち!
「チームメイトにも感謝です」と笑顔で語っていました。

 

早稲田大学 米川志保選手

女子シングルスカル優勝は、早稲田大学の米川志保選手。
「とりあえずインカレ優勝が目標だったので、嬉しいというよりほっとしています」と安堵の笑みを浮かべました。

米川選手はインカレ前に開催されたU23世界選手権(7月25~29日)とアジア大会(8月19~24日)にU23日本代表クルーとして女子ダブルスカルに出場していました。
インカレ目前でダブルスカルからシングルスカルに種目を変更、満足のいく練習ができず不安が残る中でインカレ本番を迎えたといいます。

「決勝では少し力んでしまうところもありましたが、結果で勝てたのでよかったです」とコメント。
今後の目標について、「インカレは大学の中での試合でしたが、来年以降オリンピックにつながるレースが始まりますので、世界で戦える選手になりたいと思っています」と意気込みを語りました。
世界で輝く米川選手に期待が高まります。

 

明治大学女子ダブルスカルクルー

女子ダブルスカル優勝は、明治大学の瀧本日向子選手と高島美晴選手のクルー。
瀧本選手は、「今までのレースではリズムを合わせて漕ぐということができなくて苦戦していましたが、今日はダブルスカル最後の試合ということで、『息を合わせて』ということを課題にしていました。そうしたら、スタートが結構うまくいって、他のクルーよりも前に出られたので焦ることなく自分たちのリズムでゴールすることができました」とコメント。

高島選手は、「今年に入ってから4月の大会以降2人でやってきて、アジア大会はメダルを目指していましたが4位という結果でした。自分の中でも、レースで上手く(リズムを)合わせきれなかったという心残りがありました。上手く(リズムを)合わせ、気持ちのいいレースをして、最後は集大成として締めたいと思っていたので、このレースではそれを実現できたと思っています」と話していました。

今後の目標について「全日本選手権大会(10月25~28日)があるので、また一緒にボートに乗ることになると思います。今まで合わせてきたものを生かしつつ、また明治大学で優勝したいと思います」と瀧本選手。

高島選手は「ほとんど一緒なんですけど」と笑いながら、「まだ今シーズン終わっていないので、今回のレースが完全に納得できたものかと言われるとそうではありませんが、それでも一番うまくいったので、その精度を今後もっと高めて磨いていかないといけないと思っています」と語りました。
とても向上心の高いペアでした。

 

日本体育大学女子舵手付きフォア

初日に取材した日本体育大学の寺下日陽里選手のクルーが、女子舵手付きフォアで3位に入賞。

日本体育大学女子舵手つきフォアクルー
C濱田実沙季選手
S 村越柚香選手
3 小松原杏選手
2 屋根田朋美選手
B 寺下日陽里選手

「きつかったけど楽しかったです!」と寺下選手。
「来年は優勝で!」と、全員が笑顔で答えてくれました。

 

早稲田大学女子舵手付きクォドルプル

女子舵手つきクォドルプル優勝の早稲田大学クルー
澤田夏実選手
安井咲智選手
松井友理乃選手
宇野聡恵選手
藤田彩也香選手

明治大学との接戦を制した早稲田大学。0.4秒差での勝利でした。
レース直後の表情から全力を出し切った感が伝わってきます。

早稲田大学クルーの皆さん、多くの人達から祝福され、記念撮影の対応にとても嬉しそうな笑顔で対応していました。

 

お昼休憩の時間に、神戸大学漕艇部の女子がセレモニーをやっているところに遭遇しました。
しばし、感動のシーンを眺めさせていただきました。

 

北海道大学漕艇部の皆さんにもお会いできました。
9月6日午前3時過ぎに北海道胆振東部地震が発生。
その日は予選初日だったため、既に北大漕艇部は関東入りしていました。
予選では、北大クルーが出漕していると「あ、北大だ。頑張れ!」とエールを贈る他大学の姿がありました。

北大漕艇部の部員に声をかけると、「札幌市内は既に電気も復旧したと聞いているので大丈夫です」と話していました。

被災地では、まだまだ不安を抱えて生活されている方がいらっしゃると思いますが、できるだけ早い復興を願い応援していきたいと思います。

 

 

部活動の中でも大きな節目となる全日本選手権大会では、様々なドラマを目の当たりにしました。理想通りのレースに喜ぶ姿、最後の最後で抜かれてしまい悔し涙を流す姿、チーム一丸となって艇と並走し全力で応援する姿、それぞれのチームの熱い思いが伝わってきました。観る者にも感動を与えてくれる全日本選手権大会でした。

東京女子大学3年 池澤実幸

 

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