大人の嗜み,  書籍

泣くことすら難しくなった大人へ。ドレス作家カレンが描く、心に寄り添う絵本『なみだの庭』

毎日を懸命に生きる中で、気づかないうちに心に傷や疲れを抱えてしまうことがあります。
そんな“大人の感情”に、静かに寄り添う一冊が誕生しました。
ドレス作家・カレンによる初の絵本作品『なみだの庭』は、刺繍や染色、和紙など、ドレス制作の技法と物語を重ね合わせながら、「弱さ」や「涙」を美しさとして描く作品です。
服を“纏う”表現から、“読む”表現へ——。
ファッション、工芸、文学が交差する幻想的な世界観に注目です。


ドレス作家が挑んだ、“本”という新たな表現

『なみだの庭』は、ドレス作家・カレンが手がける“大人のための絵本”。
刺繍、ドレーピング、花から抽出した染色、和紙、手縫いの揺らぎ——。
ドレス制作に用いられる技法を、絵本の中の感情表現へと落とし込んでいます。
ページをめくる行為そのものも物語体験として設計されていて、単なる「読む本」ではなく、“空気を纏うアートピース”のような存在になっています。

月明かりと青い花に包まれた「なみだの庭」

物語の舞台は、一日の終わりと夢の狭間にある「なみだの庭」。
あたりは霧に満たされ、月の光のもと、青い花が揺れる、静かな夜の世界です。
庭の守り手である「花守」、繭にくるまったイモムシ、そして傷ついた角を持つ大きな牛をはじめ、心の傷を抱えた3匹の動物が庭へと迷い込みます。
読者の視点を担うイモムシ。
外の世界へ出たい気持ちはあるけれど、まだ動けない——。
その姿には、作家自身の喪失体験や、社会の中で傷つきながら生きる人々への眼差しが重ねられています。

「弱さ」や「涙」を、美しさとして見つめる

『なみだの庭』が描くのは、涙や傷を“欠けたもの”としてではなく、「何かを大切にしていた証」として捉える視点。
忙しさの中で感情を後回しにしてしまうこと。
立ち止まることすら難しくなってしまうこと。
そんな現代の大人たちへ向けて、この作品は静かに語りかけます。
“弱さも、その人らしさの一部かもしれない”
そう思わせてくれる優しい世界観が、この作品には流れています。

日本の手仕事と感性が息づく一冊

本作には、兵庫の伝統工芸「杉原紙」や日本画材、染色素材など、日本各地の手仕事も取り入れられています。
また、本を包む“繭”をイメージした包装や特製の栞など、細部に至るまで世界観が丁寧に作り込まれている点も魅力。
大量消費されるコンテンツとは異なる、“手元に残したくなる本”として楽しめる一冊になっています。

疲れや不安を抱えながら、それでも毎日を生きている。
『なみだの庭』は、そんな大人たちの感情をそっと受け止めてくれるます。
ファッション、工芸、文学が重なり合う幻想的な世界観は、自分自身のための一冊としてはもちろん、大切な人へ贈るギフトとしても心に残りそう。
静かな夜に、ゆっくりページをめくりたくなる作品です。

< 書籍情報 >

書名: なみだの庭
著者: カレン
価格: 2,420円(税込・送料無料)
仕様: ハードカバー/78頁/A5サイズ
発売日: 2026年5月1日
出版: 絵門 EMON EDITION
販売ページ:https://karenmoriyama.com/collections/book


< 著者プロフィール >

カレン
ドレス作家・絵本著者。1999年、兵庫県神戸 生まれ。
神戸の芸術大学在学中より、クチュールブランド等でインターンとして学び、卒業後は衣服の縫製・修復会社で経験を積みながら、アーティストやインフルエンサー、個人顧客に向けたドレス制作を自身の手で行う。
2023年、楽天東京ファッションウィーク「Global Fashion Collective」にて、ランウェイ形式でドレス作品を発表。
2024年には、兵庫の伝統産業「播州織」とのコラボレーションを行い、北播磨の巨大な月の情景を再現した空間で、ドレス作品をランウェイ形式で発表。
2025年には、“菊晴れ”の季節に合わせた秋冬コレクションを発表。
自身のルーツである兵庫の伝統的工芸品を軸に、アートピース、ドレス、日常着、プロダクトなどを展開。
注目ブランドとして、メディアにも取り上げられる。
2026年より、ドレス表現を「本」というかたちへも拡張し、大人に向けた絵本作品の制作を開始。
その他、著名IPキャラクター、舞台衣装、ブライダルドレスの制作なども手がけている。

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