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最後に披露する歌に心が揺れた!映画『シチリアーノ 裏切りの美学』

2020/08/24

2019 カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、イタリアのアカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最多6部門で受賞をはたした、巨匠マルコ・ベロッキオ最高傑作『シチリアーノ 裏切りの美学』が、いよいよ8月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマ他にて全国公開となる。

 

公開を前に、「スクラップ・アンド・ビルド」で第153回芥川賞を受賞した作家の羽田圭介が、いち早く本作を鑑賞し、感想と見どころを語った。

 

「マフィアの大物ブシェッタが最後に披露する歌に、心が揺れた!!」
マフィアの全面戦争が激化していた1980年代初頭のイタリア・シチリア。
報復が無限につづく抗争が繰り広げられるなか、逃亡先のブラジルで逮捕されイタリアに引き渡されたパレルモ派の大物ブシェッタは、マフィア撲滅に闘志を燃やすファルコーネ判事と出会い、これまで固く口を閉ざしていた組織の罪を次々と告白する。

犯罪組織「コーザ・ノストラ」に忠誠を誓った彼は、なぜ“血の掟”を破り、政府に寝返ったのか?
国家を揺るがす大騒動となったイタリアマフィア史上最大のミステリーを、巨匠マルコ・ベロッキオが映画化した本作。

芥川賞を受賞した「スクラップ・アンド・ビルド」や「盗まれた顔」といったサスペンス小説も手掛ける羽田は、「マフィア抗争が起こり大勢の人たちが死んでいくが、しょせん彼らは組織の一部でしかない。組織の大きな力のなかで『あれ、自分はなんでこんなことやってるんだろう』と、登場人物たちが見せる“徒労感”が醍醐味! 自分が何をしたいか分からないまま、闇雲に行動して後悔してこそ、その徒労感こそが人生なんですよね」と、マフィアたちの抗争を描きながらも主人公ブシェッタをはじめ男たちのドラマも見事に描いた本作の印象を語った。

そんな羽田が選ぶ本作の最大の見どころは、ずばり主人公ブシェッタが最後に披露する歌だという。
「ブシェッタは間違った行動をしてきた徒労感に襲われますが、そんな彼が最後に歌う歌がすごく心に響きます。長年身体に染みついた歌っていうのが出ていて、心を揺らすんです」と、ブシェッタの壮絶な人生の最後で歌う歌に魅了されたと語った。

 

 

【STORY】

マフィアの全面戦争が激化していた 1980 年代初頭のシチリア。
パレルモ派の大物ブシェッタはブラジルに逃れるが、残された家族や仲間達はコルレオーネ派の報復によって次々と抹殺された。
ブラジルで逮捕されイタリアに引き渡されたブシェッタは、マフィア撲滅に執念を燃やすファルコーネ判事から捜査への協力を求められる。

麻薬と殺人に明け暮れ堕落した犯罪組織コーザ・ノストラに失望していたブシェッタは、固い信頼関係で結ばれたファルコーネに組織の罪を告白する決意をするが、それはコーザ・ノストラの ”血の掟” に背く行為だった…。

仁義なき抗争の果てに、名誉ある男の美学を貫こうとブシェッタが下した決断とは−−。

 

監督:マルコ・ベロッキオ『夜よ、こんにちは』『甘き人生』
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』、ルイジ・ロ・カーショ『輝ける青春』『夜よ、こんにちは』
音楽:ニコラ・ピオヴァーニ『ライフ・イズ・ビューティフル』

2019 年|伊・仏・伯・独合作|イタリア語・ポルトガル語・英語|152 分|ビスタ|デジタル 5.1ch|原題:IL TRADITORE

後援:イタリア大使館、イタリア文化会館
配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス R15

©IBC MOVIE/KAVAC FILM/GULLANE ENTRETENIMIENTO/MATCH FACTORY PRODUCTIONS/ADVITAM

8/28(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマ他全国ロードショー!

©Fabio Lovino
©LiaPasqualino

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