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生きることを選択した人の人生の大冒険 映画『ブレスしあわせの呼吸』

2018/08/31

静かな病室に人工呼吸器の呼吸音だけが響く。もうすぐ子供も生まれるという幸せの絶頂から絶望の淵に突き落とされたロビン。しかし、妻ダイアナの献身的な愛によって、ポジティブに人生を謳歌する。感動の実話を映画化したのは、2人の息子ジョナサン・カヴェンディッシュ。思わずクスッと笑顔になるシーンや感動の場面が多く、見応えある作品だ。

 

<ストーリー>

運命の恋に落ち、家族や友人に祝福されて結婚したロビンとダイアナは、最高に幸せな日々を送っていた。

ところが出張先のナイロビで、突然ロビンが倒れてしまう。

診断結果はポリオ。
首から下が全身マヒとなり、人工呼吸器なしでは息をすることもできない。
時は1959年、医師からは「余命数カ月」と宣告される。

英国に戻り息子が生まれたが、ロビンは絶望の中にいた。
病院を出たいと望むロビンのために、ダイアナは医師の反対を押し切り自宅で看病する決意をする。

やがて彼女の決断は、ロビンの運命を大きく変えていく――

 

声が出せない状態で、唇を懸命に動かして「死にたい(let me die)」と伝えるシーンは、観ているこちらもツライ。

しかし妻ダイアナの献身的な愛と、出会った友人たちの支えで、再び幸せな時を過ごすロビン。

この作品は、生きることを選択した人の人生の大冒険だ。
重度の障がいを抱えながらも、社会の一員として再び外の世界に出て行くロビンの人生を最後のシーンまで見逃さないで欲しい。

東京女子大学3年 原慧理加

 

作品紹介

第71回ロンドン映画祭でオープニングを飾った本作は、1950年代にアフリカでポリオに感染した父親のロビン・カヴェンディッシュとその妻ダイアナの激動の半生を、息子であるジョナサン・カヴェンディッシュが自ら映画化した感動作。

ロビンは、首から下が全身マヒになり、人工呼吸器なしでは自力で息をすることができず、余命数ヶ月を宣告された。

だが、思い出の中の両親は、笑顔とユーモアを絶やさず、外の世界へと飛び出していった。
なぜ、彼は「世界一幸せ」だと胸を張れたのか?

ポジティブかつエネルギッシュに人生を謳歌したロビンと、彼に無償の愛を注ぎ込んだ妻のダイアナ、支え続けた兄弟や友人たちとの絆が、『レ・ミゼラブル』の脚本家ウィリアム・ニコルソンの手腕により、感動的に描かれる。

笑いや感動で、人々を幸せにする映画製作者として活躍するジョナサン・カヴェンディッシュの原点にもなったと言える真実の物語だ。

主人公ロビンには『ハクソー・リッジ』でアカデミー賞にノミネートされたアンドリュー・ガーフィールド。

妻ダイアナにはTVシリーズ「ザ・クラウン」でゴールデン・グローブ賞を受賞したクレア・フォイ。

家族を見守る仲間たちには『プライドと偏見』のトム・ホランダーや、「ダウントン・アビー」のグランサム伯爵でお馴染みのヒュー・ボネヴィル。

監督は、『ホビット』シリーズの第2監督を務め、今回初長編監督デビューとなるアンディ・サーキス。

オスカーに3度輝く撮影監督ロバート・リチャードソンが捉える、50~60年代の英国のエレガントな暮らしと、旅先の雄大なアフリカの風景も見逃せない。

 

ロビン・カヴェンディッシュ(1930-1994
イギリス、ダービシャー生まれ。
王立陸軍士官学校を卒業後、7 年間英国陸軍に在籍 し大尉となる。
除隊後はアフリカで紅茶卸のビジネスを始める。
1957 年にダイアナと結婚、ケニアに渡り、息子ジョナサンが誕生。
28 歳にしてポリオウィルスに感染し、首から下が全身マヒとなり人工呼吸器なしでは生きられない身となる。
1962 年、オックスフォード大学の E・ T・“テディ”・ホール教授と共に呼吸器付車椅子を開発。
保健省から資金提供を募り、多くのポリオ患者のために改良モデルを作り続けた。
医師や科学者と共に、障がい者が操作できる電子装置の開発に関わり、頭の動作で使用できる電話、テレビ、ヒーター等の商品化に尽力し、障がい者の生活をより良いものにした。その功績が称えられ 1974 年に大英帝国勲章を授与された。

 

 

原題・英題 『Breathe』

監督:アンディ・サーキス 「モーグリー(原題)」

プロデューサー:ジョナサン・カベンディッシュ「エリザベス」「ブリジット・ジョーンズの日記」

脚本:ウイリアム・ニコルソン「レ・ミゼラブル」「グラデイエーター」

美術:ジェームズ・メリフィールド「ジャコメッティ 最後の肖像」「ヴェルサイユの宮廷庭師」

撮影:ロバート・リチャードソン「夜に生きる」「ヘイトフル・エイト」

衣装:シャーロット・ウォルター「人生はシネマティック!」「パレードへようこそ」

ヘア&メイク:ジャン・セウェル「博士と彼女のセオリー」「リリーのすべて」

編集:マサヒロ・ヒラクボ「ある侯爵夫人の生涯」「ザ・ビーチ」

 

<出演>

アンドリュー・ガーフィールド(ロビン役)「沈黙-サイレンス-」「ハクソー・リッジ」

クレア・フォイ(ダイアナ役)「ザ・クラウン」(1&2シーズン)

トム・ホランダー(ブロッグ/デヴィッド役)「プライドと偏見」

スティーヴン・マンガン(クレメント医師役)「ラッシュ/プライドと友情」

ディーン=チャールズ・チャップマン(22歳ジョナサン役)「ゲーム・オブ・スローンズ」

ハリー・マーカス(10代ジョナサン役)

ベニー・ダウニー(ティド役)「ダウントン・アビー」(シーズン5)

ヒュー・ボネヴィル(テディ役)「ダウントン・アビー」「パディントン」

デビッド・ウィルモット(パディ役)「バッドガイズ!!」「ベルファスト71」

2017年/イギリス/英語/カラー/5.1ch/スコープ/118分/字幕翻訳:松浦美奈

©2017 Breathe Films Limited, British Broadcasting Corporation and The British Film Institute.  All Rights Reserved

2018年9月7日(金)角川シネマ有楽町他全国ロードショー

<公式サイト>http://breath-movie.jp

 

 

 

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