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9月21日公開 映画『食べる女』

筒井ともみ氏「おいしい女になる講座」@東京家政大学

2018/09/16

映画『食べる女』(配給:東映)の原作・脚本の筒井ともみ氏によるティーチイン試写会が9月13日、東京家政大学で学生対象に開催された。『食べる女』は、<食>と<性>をテーマに“自分を味わいつくす“ことの大切さを、年齢・職業・価値観も様々な8人の女たちの日常を通して描いている。筒井氏は、食や恋愛をテーマに「おいしい女になる講座」を行った。

 

「この世界が今より少しでもいいので、優しくタフになればいいというメッセージをすべての作品に込めています。
そのひとつが“ちゃんと食べること”。自分の欲しているものをちゃんと食べるおいしい女になるためにはどうすればいいかということを、みなさんと一緒に考えていければと思います」と筒井氏は挨拶。

一食でもまずいものを食したくないという、食への大きなこだわりを持つ筒井氏。
食べることを意識したのは、幼少期に家で飼っていたチャボがある日、家の夕飯に出てきたことだそうだ。
その出来事が怖くてその肉を食べたくなかったが、無理やり親に食べさせられた。
その時に「今自分が食べたお肉は今までずっと命のあったもの」なのだと実感したという。その経験がとても強い記憶に残っていて、そこから鶏肉は大好きな食べ物の一つになったと自身のエピソードを披露した。

 

「自分の食べたいものをその場で作って食べる」ことに重きを置く筒井氏は、近年、若い女性が料理をしなくなった理由は本屋に大量に並ぶレシピ本だと語る。
「パスタひとつにとっても何十種類も作れなくてはいけない必要はないんです。
決まったものを毎年繰り返して作っていくことで、そのレシピが自分のものになって、それがおふくろの味になっていくんだと思います。
そうやって料理を自分に近づけていくことができるのだと思います」と学生たちに語りかけた。

おいしい女の定義とは
「世の中つらいこと、大変なことがあるかもしれないですが、そのことを外に出さず、自分の中で受け止めることで、心をタフにしていくことができるのだと思います。
そして今自分が何を食べたいか、何を欲しているかを感じることが大事なのだと思います」とコメントした。

仕事観について
数々の脚本を執筆し、多くの賞も獲得している筒井氏。
仕事に対する考え方について「いまだに自分が一人前だとは思えないんです」と語る。
「俳優やカメラマンなどが多い特殊な家系に生まれたので、自分が今やっていることが特別なことだとは感じません。
本当にやりたかったという仕事でもなかったのですが、だからこそ誠意のない仕事はしないようにしようと心掛けています」とコメントした。

結婚観について
「自分の家庭はいわゆる世間で言われる幸せを模したような家族ではなく、一般的な“当たり前”がよくわからない環境に育ってきたので、必ずしも“結婚をしなければいけない”という考えはありませんでした。
それに人と比べてもどうしようもならないことは多くあります。
結婚をしなくてはいけないという意識はもっていませんが、好きな人がいることはとても大事なことなので、その気持ちをどのように成長させていくかが重要なのだと思います。」と語った。

 

映画『食べる女』は、小泉今日子、沢尻エリカ、前田敦子、広瀬アリス、山田優、壇蜜、シャーロット・ケイト・フォックス、鈴木京香と今を代表する豪華女優陣の共演が大きな話題となっている作品。

<ストーリー>
とある東京の古びた日本家屋の一軒家、通称”モチの家”。家の主は雑文筆家である、古書店を営む・敦子(トン子)。
女主人はおいしい料理を作って、迷える女たちを迎え入れる。

男をよせつけない書籍編集者、いけない魅力をふりまくごはんやの女将、2児の母であり夫と別居中のパーツモデル、ぬるい彼に物足りないドラマ制作会社AP、求められると断れない古着セレクトショップ店員、料理ができないあまり夫に逃げられた主婦、BARの手伝いをしながら愛をつらぬくタフな女・・・。


今日も、人生に貪欲で食欲旺盛な女たちの心と体を満たす、おいしくて、楽しい宴が始まる。

 

 

筒井氏の講義後、学生からの質疑応答の時間が設けられた。

学生
「とても刺激的な映画で勉強になりました。好きなものを食べていって、今後自分にも素敵な出会いが訪れるのかなとこの映画を観ると感じました。ただ私も食べることがとても好きなのですが、自分のあこがれる友達はスレンダーで、周りの友達に合わせて食べる量をおさえてしまったりして、もやもやしてしまいます」

筒井氏
「あなたはあなたらしさ、あなたらしいキレイさでいいと思います。あなたが“食べたい”と思うなら食べたらいい。ただつまみ食いは、私はしないです。それよりも好きなものを食べるときにエネルギーを使って、食事をしたらいいと思います。これからも初々しい健康美でいてください」

 

学生
「一番好きなシーンや印象に残っているフレーズはなんですか?」

筒井氏
「プロの目線から見ると、冒頭の小泉さんが家の井戸を見るシーンですね。その時の小泉さんの表情を見て、これで小泉さんの“トン子”という役が出来上がったなと感じました」
(印象に残っているフレーズについては)「台詞自体は自分が書いたものなので、すべて思い入れはありますが、小泉さんの『わからなくてもいい。自分が自分だったらいい。いつか愛しい人と出会えますように』という台詞が、小泉さんの声にピッタリでとてもよかったです」

 

学生
「トン子の生き方が素敵だと思いました。『さみしさを抱えると優しくなる』という考え方がとても素敵でした」

筒井氏
「ぜひそのような考えを持てる女性になってください」

 

講座を受けた学生達は、
「か弱い女の子、細い女の子が可愛いとされている時代ですが、たくさん食べて、笑って泣いて恋をしている女の子が素敵だなと思いました。自分もそういう生き方をしたいです」

「やせたい、キレイになりたいという思いがあり、食べることを手放そうか考えていましたが、この映画を観て変わりました!人の目を気にして自分の大好きなことを諦めたら人生もったいないですね!食べて元気にきれいになります!」

「私も食べることからレボリューションを起こしてみたいと思いました」
などの感想を寄せた。

 

映画『食べる女』

【キャスト】小泉今日子 沢尻エリカ 前田敦子 広瀬アリス 山田 優 壇 蜜 シャーロット・ケイト・フォックス 鈴木京香/

ユースケ・サンタマリア 池内博之 勝地涼 小池徹平 笠原秀幸 間宮祥太朗 遠藤史也 RYO(ORANGE RANGE) PANTA(頭脳警察) 眞木蔵人

【監督】生野慈朗

【原作・脚本】筒井ともみ『食べる女  決定版』(新潮文庫)

【音楽】富貴晴美

© 2018「食べる女」倶楽部

【公式HP】 http://www.taberuonna.jp/

 

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