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回復期リハビリテーション病院で働く新人理学療法士の物語 映画『歩けない僕らは』

2019/11/14

「大切なのは、歩けるようになることではなく、歩いて何をするかということ」その言葉から生まれた映画『歩けない僕らは』が、2019年11月23日(土)に公開になる。

回復期リハビリテーションとは、脳卒中や大腿骨頸部骨折などの急性期を過ぎた患者さんに対して、1日2~3時間の集中的なリハビリを実施して、能力を回復させた状態での自宅や社会復帰を目的とした医療のこと。

疾患ごとにリハビリ期間が60~180日間と国から決められているため、理学療法士(Physical Therapist、略してPT)は患者が退院するまでの時間内で成果を出さなければならない。

 

回復期リハビリ担当の新人・宮下遥(宇野愛海)は、ベテラン療法士のように成果を出すことができずに、責任とプレッシャーに圧し潰されそうになりながら、心の支えとなっていた彼氏との恋愛もうまくいかなくなる。
遥と遥が初めて入院から退院までを担当することになった患者・柘植(落合モトキ)を中心に二人を取り巻く周囲の人々が織りなす人間ドラマ。

監督は初の長編監督作品『ガンバレとかうるせぇ』が若手監督の登竜門であるぴあフィルムフェスティバル(PFF)でPFFアワード2014映画ファン賞(ぴあ映画生活賞)&観客賞を受賞し、アジア最大の映画祭である釜山国際映画祭に正式出品されるなど、国内外の様々な映画祭で高く評価された佐藤快磨(たくま)。

主演は岩井俊二プロデュースの連続ドラマ「なぞの転校生」、 映画『罪の余白』ほかで女優として活躍中の若手実力派・宇野愛海(なるみ)。

 

さらに、「おっさんずラブ(2016)」など人気作に出演が続く落合モトキ、NHK連続テレビ小説「なつぞら」の番長役で注目を浴びている板橋駿谷、『空(カラ)の味』主演で第10回田辺・弁慶映画祭 女優賞受賞の堀春菜、PFFアワード2016の観客賞受賞作『ヴァニタス』主演の細川岳、映画『突き射す』の門田宗大ら若手が顔を揃える。

また、『運命じゃない人』の山中聡、2019年に急逝した佐々木すみ江らベテラン勢が脇を固めた。

 

作品の舞台となる回復期リハビリテーション病院は、片麻痺(半身不随)になったり、場合によっては失語になったりと、食事や入浴やトイレに行くなどの普通の生活ができなくなり人生が急に変わった患者さんが多い。

身体的なサポートはもちろん、精神的にもサポートが必要な患者さんを担当するのは、並大抵のことではないが、2000年に医療保険で創設され、近年新たに開院した病院も多く、どこの病院も新卒など若いスタッフが多くを占めている現状を反映した作品となっている。

 

本作は、栃木県最南端の野木町にある「リハビリテーション花の舎(いえ)病院」から、取材協力・脚本監修・現場監修の全面協力を得た。

作品は、回復期リハビリテーション病院で働く理学療法士の1日や、患者が入院してから退院するまでの流れとともに、監督が朝から晩まで回復期リハビリ病院で取材して感じた、「療法士さんと患者さんは、お互い気を遣い合っている」ことから起こるドラマや、遥や柘植の恋人との関係なども絡み合ったストーリーとなっている。

 

<監修・横尾一徳さん、熊倉康博さん(リハビリテーション花の舎病院)コメント>

 療法士の仕事は多岐に及んでいますが、在宅復帰や社会復帰への架け橋である回復期リハビリテーションで働く療法士として、私たちが日々患者さんとともに努力していることをひとつの形にして頂けることは大変ありがたいことだと思っています。
撮影当日には役者さんを始め、各スタッフの方々も、私たちの想いを真摯に聞いてくださり、演技・撮影に忠実に反映していただきました。
療法士を目指す学生さんや現役の療法士はもちろん、沢山の方々に観て頂ければ幸いです。

 

<ストーリー>

宮下遥(宇野愛海)は、回復期リハビリテーション病院1年目の理学療法士。
まだ慣れない仕事に戸惑いつつも、同期の幸子(堀春菜)に、彼氏・翔(細川岳)の愚痴などを聞いてもらっては、共に励まし合い頑張っている。
担当していたタエ(佐々木すみ江)が退院し、仕事からの帰宅途中に脳卒中を発症し、左半身が不随になった柘植(落合モトキ)が新しい患者として入院してくる。

初めて入院から退院までを担当することになる遥。
しかし、「元の人生には戻れますかね?」と聞く柘植に、遥は何も答えられない。

日野課長(山中聡)と田口リーダー(板橋駿谷)の指導の元、現実と向き合う日々が始まる。

 

<佐藤監督コメント>

明日もし自分が歩けなくなったら。
大切な人が突然歩けなくなってしまったら。
歩ける自分がそれらについて考えることは、あまりにもおこがましく、それでもこの映画を「自分」が撮る意味をずっと探し続けていたような気がします。

あるセラピストの方が話した、「大事なのは、歩けるようになることではなく、歩いて何をするかなんです。」

その言葉は歩ける自分へ真っ直ぐに刺さり、誰もがひとりきりでは生きていけないという当たり前のことを、いつしか必死に考え続けるようになりました。
明確な答えを提示できているかはわかりませんが、この映画とともに一生考え続けていけたらと思っています。

 

出演:宇野愛海 落合モトキ
板橋駿谷 堀春菜 細川岳 門田宗大
山中聡 佐々木すみ江
監督・脚本・編集:佐藤快磨
配給・宣伝:SPEAK OF THE DEVIL PICTURES
11月23日(土)より新宿K’s Cinemaにて公開他全国順次
公式サイト:https://www.aruboku.net/

©映画『歩けない僕らは』

 

 

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