PMSが女性活躍推進の妨げに⁈ 新・セルフケアのすすめ

国が女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針を策定し、女性が働きやすい環境を整備し、管理職に占める女性の割合を増やすための施策を実施していますが、なかなか進んでいないのが現状です。
女性活躍を妨げる要因は様々ありますが、特に女性ならではの健康問題が多くの女性を悩ませていることをご存じでしょうか。
そのひとつに、月経前症候群(PMS)があります。
長年にわたり女性活躍推進に取り組んでいる大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上 眞、以下「大塚製薬」)が、全国の働く女性(正規雇用の会社員/公務員、20~44歳)を対象にPMSに関する意識調査「女性の健康と仕事への影響に関する調査」を実施しました。
その結果、女性が働くうえで、月経前の症状は様々な弊害となっていることがわかりました。
大塚製薬が実施した調査報告と提案についてご紹介します。
<調査概要>
「女性の健康と仕事への影響に関する調査」
調査手法:インターネット調査
調査対象:20~44歳女性
人数:2,501人(正規雇用おの会社員・公務員)
調査期間:2021年9月1日~9月6日
PMS症状の自覚がある人 49.2% | PMS症状の自覚がない人 50.8% |
PMS症状の重い 21.2% PMS症状の軽い 26.8% 症状がない 1.2% |
症状がある 31.1% 症状ない 19.7% |
“PMS症状の自覚はないと回答したが実は症状がある”人を含めると、実に80%以上の女性が程度の差があるもののなんらかのPMS症状を感じていることがわかります。
PMSと女性のキャリアの実態
PMS症状による退職(経験または検討)の有無についての質問に対し、“PMS症状の自覚があり、症状が重い人”は、「仕事を辞めたことがある」が4.8% 、「仕事を辞めようか悩んだことがある」が33.9%、合わせて38.7%という結果になりました。
症状が軽い人と比較して、症状が重い人のキャリアにPMS症状が与えている影響の大きさが伺えます。
さらに、管理職に登用される機会があった女性の中でも、PMS症状の自覚があり、症状が重い人においては、41.1%が「仕事を辞めようと悩んだことがある」、16.7%が「仕事を辞めたことがある」と回答しており、合わせて57.8%(2人に1人以上)は退職を意識していることがわかりました。
PMSは、症状が重い人ほど周りに相談できずに抱え込んでしまう傾向があります。
実際に、症状が重い人のうち約6割の人が「PMSについて自分で対処しなければならない」と回答しました。
また、「会社では誰にも相談できない/相談したくない」という設問に対し、症状が軽い人のうち約4割があてはまると回答したのに対し、症状が重い人は約6割もの人があてはまると回答しました。
さらに、「PMSが仕事に支障をきたしたり、影響があってはならないと思う」に対し、「あてはまる」と回答した人は、自覚があり、症状が重い人は43.8%という結果に。
また、PMSの症状を自覚している人の6割以上がPMSに関する相談について「会社内での立場(責任)が上がれば上がるほどできなくなると思う」と感じており、症状が重い人は特に多く、63.2%が相談できなくなると回答しています。
過去に昇進の機会があった方を対象に、「PMSの症状は、昇進を引き受けることに影響したか」という設問では、昇進を辞退したことがあるが11.6%、昇進を辞退するか悩んだことがあるが28.9%と、計40.5%が影響したと回答しました。
中でも、PMS症状の自覚があり、症状が重い人は、昇進を辞退したことがあるが18.2%、昇進を辞退するか悩んだことがあるが37.3%という結果になり、半数以上(55.5%)の管理職への昇進に影響を与えていることがわかりました。
今回の調査では働く女性の約半数が企業に対して、「PMS対策に取り組むべきである」と感じていることがわかっており、特にPMSの症状の自覚があり症状が重い人の61.5%が企業へ対策を求めています。
大塚製薬は、“自己責任にしない会社ゴトとしての対策”が急務だとして、各企業・社会全体でサポートしていくことが必要と提唱しています。
大塚製薬が提案する「新・セルフケア」
PMSと上手くつきあうためには、まず自分の身体・症状に向き合い、理解することが大切です。
大塚製薬は、食生活・運動・サプリメント利用、症状について正しい知識の習得などの一般的なセルフケアに加え、医療機関を利用し、自身の健康状態を理解して対処する「新・セルフケア」を提案しています。
“かかりつけ医を持つ”こと、“婦人科健診・検診を受ける”ことは、とても重要なことです。
「新・セルフケア」を行っている人は、現在の生活に対する満足度が高いことが過去の調査からわかっているそうです。
また、職場や家庭でのパフォーマンスが安定しているという結果も出ているといいます。
PMSなどの女性特有の健康課題に関しては、自身のカラダに関心を持ち、その状態を正しく把握することが大切です。
女性活躍推進の加速を考えるうえで、女性特有の健康課題をひとりゴトとせず、チームゴト、職場ゴト、会社ゴト、社会ゴトとしてとらえ取り組むことの重要性がわかります。
これから社会に出る女子学生の皆さん、社会はまだその環境が整っていません。
自分たちもその環境を作るという意識を持って、活躍の場を拡げていただけたらと思います。
RanRun編集部 Yuki Yanagi