ビジネスシーンで心がけたい「電話のかけ方」

前回のマナー講座2では、ビジネスメールの基本についてご紹介しましたが、覚えていますか?ビジネスシーンにおいては、相手と気持ちよくお付き合いできるよう、「おもてなしの心」がポイントになるとお伝えしましたね。
春から社会人になる方も、これから就活を迎える方も、視点を変えて考えてみる習慣をつけておくことをおススメします。
学生時代は、課題に対し自分の考えをまとめ、相手にいかに伝えるかを学んできたと思います。プレゼン、レポートや論文も相手に伝えるための手段ですね。卒業論文はその集大成だと言えるでしょう。
社会に出て仕事をするうえで、この手段が大なり小なり必要なスキルになってきます。
小さなところでは、電話で相手に用件を伝える、伝言をメモで伝える、メールで用件を伝えるなどがそうです。大きなところでは、企画書を作成する、企画のプレゼンをするなどになります。日々の作業が、この連続で成り立ってきます。
学生時代と異なることは、伝える相手が千差万別だということです。学生が伝える相手は、大学の先生や学生であることがほとんどですね。あらかじめ、課題がわかっている状況でのプレゼンだったり、レポートだったりします。そして自分の視点で考えたことをまとめ、相手に伝えます。学生同士であれば、多くを省いても伝わるコミュニケーションもあるでしょう。また、プレゼンなら発表の時間、レポートなら提出期間などがあらかじめ設定されており、相手も聞く態勢、受け取る態勢ができています。
しかし、ビジネスシーンではそうとは限りません。相手は、上司や先輩だったり、取引先のお客様だったり、一般の方だったりと立場がまるっきり異なってきます。相手によって伝え方を考えなければならないのです。そこで相手の立場(視点)に立って考えてみることが重要になってきます。
イメージがつきやすいように
今回は、会社説明会の連絡を例にとって、電話をかける際のポイントをご紹介しましょう。
いきなり用件を切り出し、返答を求める学生さんがいます。
「明日、行けなくなったので、明後日行ってもいいですか?」
さて、問題点はわかりますね?
・どこの誰かわかりません
・誰宛の連絡かわかりません
・何についての用件かわかりません
・確認しなければ返事ができません
・急ぎの用件があり手が離せない状況である場合もあります
ポイント1 どこの誰か名乗りましょう。
「●●大学の●●と申します」
ポイント2 相手の状況を確認しましょう。
「明日の説明会の件でご相談をしたいのですが、ご担当者様はご在席でしょうか」
(担当者が電話口に出てくれました)
ポイント3 的確にかつ丁寧に用件を伝えましょう。
「明日の御社の説明会に参加申し込みをしました●●大学の●●と申します。急な用件で明日の参加が難しくなってしまいました。大変恐縮なのですが、明後日の回に変更していただくことは可能でしょうか」
これは、会社説明会に参加申し込みをした学生が、急な事情で日程を変更しなければならなくなった場合の事例です。自分の都合だけで話をするのではなく、相手の都合を確認し、用件を的確に伝え、印象を悪くしないよう相手の目線で考えてから話をするようにします。
ちなみにドタキャンなど以ての外ですよ。事前連絡は最低限のマナーとして心得ておきましょう。
ビジネスシーンにおける電話の「基本のき」は、用件に入る前に
・まず名乗る
・何の件かを伝える
・今、話をしても大丈夫かを確認する
ことで、電話の相手の印象がよくなりますよ。
そして、用件を的確に(大事な項目を漏らさず)、言葉遣いに気を付けて、早口にならないよう丁寧に話すことを心がけましょう。