社会保険制度 社会人になったら知っておきたいお金の話

スポーツ女子のみなさん、こんにちは!
今月は、社会保険制度についてお伝えしたいと思います。
社会保険制度というと、難しい話のようですが、知っていると役立つどころか、トクをするのがお金の話。20歳になったらお金の知識を少しずつ学びましょう。
先日の話です。
社会人になった女性から、「保険の見直し」をしてほしいと頼まれました。加入されている保険証券を見ると、20歳になったばかりなのに、介護や死亡時にお金が支払われる内容です。若い健康な彼女にとって、介護状態や死亡の確率が高くなるのは60年以上も先のことです。しかも、貯蓄性も低い内容で、保険料は月1万5000円。安い金額ではありません。
「何故、加入されたのですか?」と伺うと、
「説明を聞いているうちに不安になり、勧められたから…」とのこと。
確かに、保険は、不安を安心にかえるために加入するものです。
しかし、全ての不安に備えて民間の保険に加入していては、貯蓄もできません。
加入したばかりということもあり、早速、解約の手続きをお勧めしました。
我が国の社会保険制度を知ろう!
日本は、世界の中でもとても公的な社会保障が充実している国です。
民間の保険に加入する前に、まずは、我が国の社会保険制度を知りましょう。
下記(表1)の縦列は心配事です。「大黒柱が死亡したらどうしよう」「寝たきりになったらどうしよう」「長生きしすぎてお金は足りる?」。そんなときは、年金制度からお金がおります。横列は、会社員か自営業者かによって取り扱う管轄が異なります。会社員は厚生年金、自営業者は国民年金です。
さらに、会社員が、業務上や通勤時に「死亡、障害、病気、ケガ、介護状態」になったときは、労災保険からお金がおります。
病気やケガをしたときなどは健康保険。失業したときは雇用保険。介護状態になったときは介護保険が整備されています。
生活保護は、憲法25条の「日本国民は健康で文化的な最低限度の生活を保障される」による制度です。
(表1)我が国の社会保険制度
このように、我々の心配事は、すべてと言っていいくらいに国の社会保険制度によって守られているのです。
これらの心配事にあてはまるときは、まず国の社会保険制度を利用しましょう。それでも心配という方やその金額では足りないという方が、補完の意味で民間の生命保険会社の保険に加入して、不安に備えるという手順になります。
働き始めたら給与明細書をチェックしよう!
社会人になったら、(表1)の社会保険制度に加入しているかをチェックしましょう。
チェック方法は、給与明細書を見るとわかります。給与明細書に社会保険料という項目はありませんか?
社会保険料とは、①厚生年金保険料、②健康保険料、③雇用保険料を合計した保険料のことです。社会保険料が給与から差し引かれていれば、①厚生年金、②健康保険、③雇用保険に加入していることになります。ちなみに、労災保険は、企業側が全額負担なので、給与明細書から引かれていません。
(表2)
自営業者の方は、市区町村で国民年金保険、国民健康保険に加入することになります。
20歳になったら国民年金に加入しよう!
国民年金は20歳になったら加入します。学生で収入がない方は、市区町村役場で申請すれば、「学生納付特例」として保険料の納付が猶予されます。
手続きが面倒と思われるかもしれませんが、申請すると、万が一、バイクや自動車事故で障害状態になった場合、障害年金から一定の金額が支給されます。加入していなければ何も支給されません。
このように、「知っている・知らない」で大きな差が生じるのがお金の知識です。20歳になったら、ぜひお金の知識を学びましょう。
次回は、奨学金やクレジットカードなどのローンの話です。
<講師紹介>
山本 節子(やまもと せつこ)
(株)リスタート代表
http://www.restart-woman.com/
(株)リスタートは、女性として母として妻として、変わるあなたを応援する会社です。
慶應義塾大学国文学科卒。ファイナンシャル・プランナー
コーチング上級コース(Certified Proffessional Co-Active Coach)。個人の立場にたった個人相談業務、各講演・セミナー講師、書籍の執筆などの活動を続ける。
【著書】
「女ひとり、お金に困らない生き方」主婦の友社
「変わりたい!女性のための夢実現ノ-ト」テクスト社
「シングル女性、お金の貯め方・使い方」ブティック社
「月15万円の使い方と運用100のコツ」主婦の友社など
【モチベーションを上げる曲】ジャズスタンダード「When You’re Smiling」