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子育てと仕事の両立(3)私の人生デザイン

仕事と子育ての両立(1)働き方の選択肢
キャリアアップ 2016/11/16

スポーツ女子のみなさん、こんにちは!

 

いよいよ11月に入り、今年も残すところ1ヵ月あまりになりました。
時のたつのは速いものです。

 

時の移ろいと同じように時代の進み方もはやく、10年経つと大きく価値観が変わることがあります。

 

女性の働き方もその一例です。

 

「仕事と子育ての両立」の最終回は、「私の人生デザイン」について見ていきたいと思います。

 

1.女性の働き方の歴史

今や、女性も男性と同じように「学校を卒業したら働く」という価値観は当たり前になりましたね。
しかし、昔はそうではありませんでした。

 

戦後10年単位で、女性の結婚観や働き方は変化してきています。
その推移を、現在の女性の年齢を軸に見てみましょう

 

70代以上

現在70代以上の女性は、男尊女卑の価値観が色濃く残っていた時代でした。

 

学校を卒業したら、家の中で数年間の家事手伝いの後に結婚。その後は、子育てや家事におわれ、子育てが終わった頃には、同居しているお舅さんやお姑さんの介護が待っているという「家」を守ってきた世代です。

 

60代

この世代は、「男性は外で働き、女性は家を守る」という男女分業が主流。

 

女性は学校を卒業すると、腰掛けのように社会で数年間の仕事を体験して、24歳や25歳までに結婚をする人が大半。その後は専業主婦として子育てをし、子育てが一段落すると、パートなどの非正規雇用で働く人が多かった世代です。

 

50代

この世代の大学生の頃に「男女雇用機会均等法」ができました。職場でも女性が差別を受けずに、男性と平等に働けることを目指して作られた法律です。

 

この法律をキッカケに「女性は家の中にいるだけでなく、社会で働こう」という動きが女性の中から起こりました。「私はこう生きたい」と、女性が自分の生き方を表立って主張し始めたのも、この頃からです。

 

40代

さらに女性の生き方が自由になり、堂々と生き方を主張して、自由な選択をすることができるようになりました。周囲の人もそういう女性に寛容になった時代です。

 

「ずっとシングル」、「離婚」、「再婚」、「シングルマザー」など女性の生き方が多様化したのも、この世代からではないでしょうか。

 

30代

現在、妊娠や出産や子育ての真っ最中の世代です。

 

少子化の労働力不足のため、政府も女性が働くことを応援しています。産休・育休後から働く女性が、まるでブームのように増えつつあります。しかし、これまで見てきたように、子育てをしながら働いてきた先輩女性のロールモデルが少ないために、仕事と子育ての両立を模索している世代ともいえます。

 

20代

そして、みなさんの世代です。
みなさんは、将来、人生をどのようにデザインしていきますか?

 

人生設計

 

2.M字カーブ

「M字カーブ」という言葉をご存知ですか。
女性の労働力を、年代別にグラフ化したものをいいます。

 

女性の就業は、学校卒業後にピークになります。その後、結婚・出産・子育て期に離職する女性が多くなります。育児が落ち着いた時期になると、再度、就職して上昇するという形がM字に似ているので、「M字カーブ」といわれています。

 

この「M字カーブ」をもとに、女性の結婚観や就業観を見てみましょう。

 

女性の年齢階級別労働力の推移グラフ

出典:総務省「労働力調査(基本集計)」より。非正規雇用含む

 

上図の昭和50年~平成7年にかけての労働力を見ると、20~24歳がピークです。この年代は、20~24歳になると、「寿(ことぶき)退社」といって、結婚とともに離職する女性が多かったためです。離職後のM字の谷底は、年代とともにゆるやかに底上げされていることから、早期に社会で働く女性が多くなっていることがわかります。

 

ところが、直近の平成26年を見ると、労働力のピークは25~29歳です。この図から、以前より晩婚になったことが伺われます。

 

さらに、大きな特徴として、M字が台形に変化しつつあります。
この台形の形から見ても、近年にかけて子育て期も働く女性が増えていることがわかります。

 

3.私の人生デザイン

これまで見てきたように、女性の働き方は「家の中から社会へ」と活動の場が変化してきた歴史と言っても過言ではありません。

 

そして、最近は、社会で活躍する女性が急増しています。

 

ただ、働きながら子育てをしている30代の世代は、ロールモデルが少ないために、子育てと仕事の両立以外にも、認可保育園への待機児童問題、育児の孤立化、夫婦のすれ違い、教育費の負担などの悩みやストレスがいっぱいです。

 

これらの悩みやストレスを解決するカギは何でしょうか。

 

女性の能力は、男性と同じように働くことによって、進化してきました。
今や男性に勝るとも劣らない勢いです。

 

さらに進化させる能力があるとすると、それは何でしょうか。

 

賛否があると思いますが、個人的には「女性らしいしなやかさ」ではないかと思っています。

 

具体的には、「相手の気持ちを感じる、受容する、活かす」能力。
これらは、まさに、子育てで必要な能力です。

 

子育てをすることにより、「しなやかで柔らかい能力」を鍛えるトレーニングになるとしたら、仕事だけでなく子育てもキャリア形成になるのではないでしょうか。

 

いまや、「どんな人と家庭を築いていくか」、「仕事や子育てを両立していくか」、「仕事を優先」、「子育てを優先」、「シングルで生きていく」などの人生デザインを自由に作ることができる時代です。

 

そういった人生をデザインする時にヒントになる言葉をご紹介します。

 

「修身・斉家・治国・平天下」
これは中国古典の「大学」に出てくる言葉です。

 

天下を平らかにするには、まず「自分を修め、次に家庭をととのえ、次に国家を治める。すると天下が平和になる」という順番を説いています。

 

明るい社会は家庭から!
和気に満ちた家庭は自分自身の修め方から!

 

良い社会をつくるための女性の役割は、今後、さらに大事になってくるように思います。

 

<講師紹介>

山本節子氏

山本 節子(やまもと せつこ)
(株)リスタート代表
http://www.restart-woman.com/

(株)リスタートは、女性として母として妻として、変わるあなたを応援する会社です。
慶應義塾大学国文学科卒。ファイナンシャル・プランナー
コーチング上級コース(Certified Proffessional Co-Active Coach)。個人の立場にたった個人相談業務、各講演・セミナー講師、書籍の執筆などの活動を続ける。

【著書】
「女ひとり、お金に困らない生き方」主婦の友社
「変わりたい!女性のための夢実現ノ-ト」テクスト社
「シングル女性、お金の貯め方・使い方」ブティック社
「月15万円の使い方と運用100のコツ」主婦の友社など

【モチベーションを上げる曲】ジャズスタンダード「When You’re Smiling」

 

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