トラスコ中山株式会社 熱意があるヒトには平等にチャンスがある

「やるリスク」より「やらないリスク」の方が大きい。「新しい経験」「チャレンジできるフィールド」は、ヒトが大きく変化するキッカケを作り、企業成長につながっていく根底になる・・・グッドキャリアデザイン企業アワード2018プレイベント(厚生労働省2018年5月29日開催)で、トラスコ中山株式会社(グッドキャリア企業アワードイノベーション賞受賞)総務部 人事・ヘルスケア課長の平山貴規氏は話しました。
トラスコ中山株式会社は、『プロツール』(工場用副資材)の卸売業及び自社ブランドTRUSCOの企画開発を事業とする企業です。
キャリア支援ポリシーとして、『チャンス&フェア』をキーワードに、「向上したい・成長したい熱意があるヒトには平等にチャンスがある」「社員が『長く、安心して働ける』環境を整える仕組みづくり・制度づくり」を掲げています。
積極的な取組みをすることになった背景として、働く場所や職掌に関係なく、平等に機会が与えられ、チャレンジし活躍できるフィールドを構築する必要性があったと平山氏。
また、ヒトの構成を大きく変えなければ時代の変化に取り残されるリスクが予想されたと言います。
「女性社員の活躍が必須となると予想されたため、女性社員のフィールドを大きくする」
「社員一人一人のパフォーマンスの向上が必須となると予想されたため、職能範囲を大きくすることで貢献領域を増やし、モチベーションの向上を図っていくことで企業力を高める」
といった取り組み課題が明確になりました。
そこで紹介されたのは、キャリア支援に対する独特な3つの取り組みです。
①職掌選択制度
キャリア(国内・海外)、エリア、スペシャリスト、サポート、ロジスの6つの職掌から働き方を自分で選択します。
ライフプランを働き方に転化することができます。
②定期的なジョブローテーションと人事異動
聖域なきジョブローテーション(年齢、経験、性別を問わない配置)と部門をまたぐ異動。
約5年ごとの定期的人事異動をベースに部署内でのジョブローテーションは随時実施されるそうです。
平山氏ご自身も、物流や営業といった現場から情報システムへの異動を経験されたそうで、「初めは専門的な知識もなく大変でしたが、慣れてくると現場での経験がシステム作りに役立ちました」とその効果を実感したと語っていました。
平山氏の講演の中で「様々な仕事を経験することで仕事力・人間力が向上していく」というフレーズがありました。
就職活動を考えるうえで、視野を広げることの大切さにつながるように思いませんか?
③360度評価制度オープンジャッジシステム(平等で実力主義の評価制度)
同じ拠点で働く社員同士で評価をし、それを人事制度に反映させる制度を実施しています。良い点や改善点をコメントし、本人にフィードバックされるのだそうです。
また、主任以上の昇格候補となった社員の合否を、本人と仕事上で関わったことのある社員による評価を反映させる制度があります。規定得票数以上の評価で、支持率80%以上であれば昇格するシステムだそうです。
さらに、役員に対しては、経営会議メンバーとボスと呼ばれる責任者約150名が役員への評価を1年に1度行い、不正防止や企業価値向上を図っていると言います。評価が一定基準を下回ると降職対象になるそうです。
同社の取り組みには、他にも立候補する自覚が企業成長を促すということで「ボスチャレンジ・コース」が設けられ、気づきを与える人材育成研修として社歴によって対象を定めた様々な研修コースが設けられています。
なかでも事業活動のイノベーションを創出するために実施される「白紙の部屋研修」は、会社から与えられる「軍資金30万円」と「1カ月の時間」を使って、自分が決めたテーマについて、全て自分で考え行動し、深く研究するというもので、研究成果は経営会議で経営会議メンバーへ提言します。
まさに「人を育て、企業の成長につなげる」具体的な取組みではないでしょうか。
若い社員の「ヤル気」を引き出すために、ボスの教育が重要だと平山氏は話していました。
人間力を育て評価する社風を感じ、「どのような人が評価され、求められるのか」と平山氏にコメントをいただきました。
「取捨“善”択」のできる人
<熱意>
・一生懸命に仕事をする
・積極的に仕事をする
・向上心が高い
・人を尊重する
・真剣に取り組む
・人を思いやる気持ちがある
・責任感が強い
<考え方>
・常にポジティブに考える
・他責ではなく自責の人である
・損得ではなく正しいことを判断基準に考える
・全てを受け入れる器がある
・環境のせいにはしない
「人間力」を磨く参考にしたいですね。
RanRun yukiyanagi