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アスリートフードマイスター 競技者の食をトータルサポート 

競技者の「食」をトータルサポート アスリートフードマイスター
キャリアアップ 2016/11/09

「とにかく食べること!」それが、スポーツ女子に一番伝えたいことというのは、アスリートフードマイスター1級の資格を持ち、アスリートの「食」をサポートしている土屋里恵さん。管理栄養士のような国家資格ではないが、「スポーツと食」についての知識を持ちアドバイスする資格として注目が集まるアスリートフードマイスター。基礎知識を学ぶ3級は、アスリートの妻やアスリートを目指す子供の母などに人気があるそうだ。選手、マネージャー、トレーナーを問わず、スポーツ女子におススメしたい資格としてご紹介する。

 

元々はスポーツインストラクターとして活動していた土屋さん。当初は食事への意識などなかったそうだ。7年前に始めたフルマラソンがきっかけで、食事を意識するようになる。
仕事とマラソンで体を使い、なかなか疲労が抜けず貧血がひどくなった。その頃、タレントの里田まいさんが、野球選手である夫 田中将大氏のためにアスリートフートマイスターの資格を取ったことが話題になっていた。土屋さんも、自分のために勉強を開始する。

 

フィットネスクラブのお客さんとの会話の中で、アスリートなのにご飯を食べないことで貧血になっている人が多いことに気づいたという。情報が溢れ、正しい情報を選ぶのが難しい時代。自分が勉強したことを情報を必要とする人たちに向け、発信しようと思った。

 

土屋里恵氏

 

【アスリートフードマイスターとは】

わかりやすく言えば、アスリートがパフォーマンスを最大限に発揮できるよう、「何を、いつ、どのように食べたらよいか」を的確にアドバイスする人。食べる量や食べるタイミングを間違えると、パフォーマンスはできなくなる。競技によって、タイミング(試合当日、オフシーズン、トレーニングなど)によって、必要な栄養は異なり、食事も変わる。一人暮らし、寮生活、仕事をしながら、学校に通いながらなど人それぞれの生活環境に合わせたアドバイスができると土屋さんは言う。

 

2014年2月に株式会社アスリートフードマイスターが設立した資格だが、資格取得者は全国で10,000人を突破した。ほとんどが3級だが、今年新たに設けられた1級の合格者が全国で8名。そのうちの一人が土屋さんだ。

 

【アスリートフードマイスター3級】

学校の家庭科で習うような基本的なことを学び、家族や友達など身近な人へのアドバイスができるということで人気があり、合格率も98%と受検しやすい。以前は、ジュニアアスリートフードマイスターという名称だったそうだ。スポーツ女子であれば、自分や仲間のために夏休みなどを利用して勉強するのにおススメとのこと。

 

【アスリートフードマイスター2級】

合格率は約60%で、現在は全国に約300人ほど。筆記による1次試験と与えられた課題に対し3分のプレゼンをする2次試験をクリアしなければならない。
1次の筆記試験は、運動生理学や食べたものの消化の状況など、専門的なことを体系的に理解していないと受からない。
2次のプレゼンは、1カ月前に課題を与えられ、競技の特性や生活環境など事前調査をして食事のプランニングという入念な準備をする。土屋さんの時は、アイスホッケー選手の試合当日が課題だった。アイスホッケーという競技について勉強することから始め、宿泊場所、試合当日の流れなど細かい情報を集め、プランニングをした。3分という限られた時間の中で、試験官にプレゼンするにはコミュニケーションスキルも要求される。難易度はぐっと高くなる。

 

筆記試験もただ暗記するだけでは解けない問題なので、どういう方向から訊かれても答えられるように勉強する必要があり、土屋さんは移動時間は常に勉強していたそうだ。

 

【アスリートフードマイスター1級】

プロのアスリートや世界大会でメダル獲得を目指すトップアスリートに対し、1対1でアドバイスができる資格だと土屋さん。クライアントは、競技に人生がかかっている人達。中途半端な気持ちではアドバイスはできないため、心構えが違うという。2級で身に着けた知識に加え、エビデンスの提示、コミュニケーションスキルやコーチングなどのスキルが問われる資格となる。

 

初めての1級試験ということで、何をどのように勉強していいかわからなかったという土屋さん。栄養士のように栄養成分の計算をしたり、アセスメントの練習をした。競技特性を考えた食事のプランニングに加え、選手の自尊心を傷つけないような話し方の工夫などの準備をしたそうだ。

 

Ries Factoy代表

 

現在も、セミナーに出かけ管理栄養士の話を聞くなど勉強を怠らない。

 

【土屋さんの仕事展開】

アスリートのための食のセミナーを開催したり、クライアントへの食のプランニングなどを行っている土屋さん。クライアントは、ランナーやフィットネスクラブに通う人で食事が気になっている人達だ。
1級を取得したことで、本格的に競技に取り組んでいるトップアスリートに1対1で指導をしていきたいと話す。
未来のメダリスト候補である中高生は、大人のように環境が徹底されていないので、監督やコーチなど指導者に対して、「食」についての情報発信をしていきたいそうだ。
大人の体になる準備期間に運動に特化した生活をすると、将来的に支障が生じてしまう。それでは、トップアスリートは育たない。

 

「アスリートフードマイスターは、身近な存在で相談に乗りやすい立場です。部活などの現場にアドバイスに行き、健康についての悩み相談ができるようになるといいですね」と話す。

 

【スポーツ女子へのアドバイス】

とにかく食べること!食べたもので体はできています。食べることを拒否したら、強くはなれません。年頃の子はダイエットしたいかもしれませんが、スポーツをしているアスリートだったら、食べて欲しいです。食べても体重は増えません。
エネルギーになる糖質を摂り、脂質を押さえた食事をするといいですね。炭水化物と糖質を間違えている人が多く、ご飯を抜いてしまいがちですが、ご飯はしっかり食べてください。脳のエネルギー源は糖質だけなので、糖質を抜くと正しい判断ができなくなり、ケガを招くことにもなります。

 

【モチベーションを上げる曲】

テイラー・スウィフト / Shake It Off

 

<プロフィール>
土屋里恵(つちや・りえ)
Ries Factoy代表
アスリートフードマイスター1級
7月11日生まれ 千葉県出身
Ries Factoy(http://ries-factory.com/)とは、
「私達の身体は食べたもので出来ています」
競技パフォーマンスの向上、怪我予防は勿論、日常生活を健康に生き生きと過ごせるように食事やボディーバランスからサポートを目指してます。
現在もフィットネスクラブでのインストラクターは勿論、出張パーソナルトレーナー、アスリートフードマイスターとして活動中。
プライベートもシリアスランナーとしてフルマラソン記録向上目指して頑張っています。

 

RanRun yukiyanagi

 

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