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スポーツ女子のデュアルキャリアを考えよう!② 女性のキャリアとはなにか 

 

「女性のキャリアとはなんだと思いますか?」

「ATHLETE CAREER TALKS JAPAN(ACT) 2017」(平成28年度スポーツ庁委託事業「スポーツキャリアサポート推進事業」 企画・運営 独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC))2017年2月2日開催)でケーススタディとして設けられた女性のキャリアセッション「オリパラスポーツにおける女性のキャリア形成」でファシリテーターの池田めぐみ氏(山形県体育協会 フェンシングオリンピアン)がパネリストに質問しました。

 

パネリストとして登壇したのは、太田渉子氏(日立ソリューションズ パラリンピアン)・古海五月氏(JOC専任コーチングディレクターNTC担当バスケットボール)・吉田友佳氏(元プロテニスプレーヤー)。全体の進行はデュアルキャリア教育の一環として早稲田大学のスポーツ女子が務めていました。

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「女性のキャリアとは何だと思いますか?」

最初に質問を振られた古海氏は「人間力を高めること」と言い、「コーチとして選手にどれだけの人間力をつけて卒業させるかだと思っています。それから女性としていい夫をみつけることですね」と会場の空気を和ませました。二人の娘を育てる母でもある古海氏は、子供に「責任のある仕事をしている姿、元気な姿」をみせたいと言い、夫の協力があるからできていると話していました。家事・育児の協力体制があって活躍するお母さんが成り立っているようです。

 

日本のバスケットボール界で選手としてまたコーチとして活躍されてきた古海氏ですが、結婚出産を経て大学でコーチになった時、女子のコーチが少なくみな独身だったと振り返ります。女性の指導者、ことに子育て経験のある指導者を増やしていくことが今後の課題のようです。

 

「女性でよかったことは?」と池田氏が質問すると、「コーチとして海外遠征に行った時に、お米を40キロ持って行ったんですね。ケガ人も病人も出さなかったんです」とエピソードを披露。バスケットボール男子日本代表チームのアシスタントコーチを務める古海氏は、女性ならではのきめ細やかなサポートができると話していました。

 

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18~28歳までプロテニスプレーヤーとして活躍した吉田氏は、自身が日本代表選手の時の監督が女性だったそうです。女性監督・コーチから学んだことで、自分も引退後は指導者への道に進まれました。現役時代のトレーナーだった男性と結婚し、37歳で監督に就任、しかし子供が欲しかったので出産年齢を考え辞任されたといいます。現在は子育てをしながら指導者として活躍されていますが、「子育ての経験は今後の指導に活かせると思います」と話していました。

 

37歳で監督になった時は、選手と年齢も近くコミュニケーションがとりやすかったそうです。テニスは個人で世界を回ることが多いので、チームスタッフの組み方やサポート力が大切。「女子選手は女性指導者を求めています。元選手やコーチが結婚や出産などで一旦現場を離れても、また戻ってきて欲しいですね」と言い、ツアーを回る時は選手とコーチだけでなく、費用はかかるがスタッフの人数を増やしチーム形成をしていくことが今後の課題と話していました。

 

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高校生の時からパラリンピック日本代表として活躍された太田氏は、「キャリアとは人生をどう生きるかだと思います」と言います。太田氏の初めての海外遠征は14歳の時。当時は周りが男性ばかりだったそうです。太田氏にはロールモデルとなる先輩がいなかったそうで、選手を辞めてからのキャリアを考えて、現役の時に動けばよかったと振り返ります。会社のサポートがあって仕事とスポーツの両立ができたという太田氏。太田氏にとって職場は心の支えにもなったと話していました。

パラスキーを引退した現在は、新しいことに挑戦しようとテコンドーの練習を始めたそうです。

 

ファシリテーターを務めた池田氏はフェンシングを引退して6年、現在は子育てをしながら山形県体育協会に所属しながら、日本アンチドーピング機構アスリート委員・評議委員を務めるなど活躍をされています。今回は、会場内に託児所を作ってもらいお子さんを連れての参加となったそうです。子供を連れていける仕事の場は少ないと話していました。

リオ五輪でフェンシングに出場したママさんアスリートの話に触れ、リカバリーや睡眠などの情報はあっても子供がいたらそんなものは関係ないと指摘し、自分にあったスタイルをみつけることでパフォーマンスがあがったと紹介していました。

 

今回、子供の預け先が見つからず主催者に相談したことで、子供を連れての参加が可能になった経緯を話し、問題の解決には自分の課題を相手にぶつけてみることも大切だと池田さんは言います。今後、女子アスリートには子育てとスポーツという課題も出てくるでしょう。ヤル気のある女性の発掘と教育・支援・役割分担、そして課題の共有が女子アスリート育成の鍵となるようです。