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東京都アスリート・キャリアサポート事業「企業向け説明会」

スポーツで培った力を社会で活かす

キャリアアップ 2017/09/30

スポーツ女子の中には、2020年の東京大会出場を目指し日本代表強化指定選手として励んでいる人達がいます。充実した競技生活を送るためには、安定した生活基盤が必要です。

学生トップアスリートの就職活動は、競技優先という条件を受け入れ支援してくれる企業に出会うこと。東京都主催「企業向け説明会」・JOC主催「アスナビ」説明会が9月19日、東京国際フォーラムにて開催され、取材させていただきました。

 

学生アスリートが企業にアピールする自分の強み、アスリートの採用実績のある企業が感じるメリットなど、RanRun読者の就活支援としてご紹介したいと思います。

 

第1部 東京都主催の「企業向け説明会」

トップアスリートを雇用するとはどういうことか、採用実績のあるキッコーマン株式会社と株式会社東京ビッグサイトの人事担当者・アスリートが登壇し、パネルディスカッションを行いました。

 

キッコーマン株式会社からは、人事部でアスリート採用と新卒採用を担当されている熊本早希子氏、RanRunで以前取材させていただいたロンドン五輪2012大会競泳の銅メダリスト上田春佳氏が登壇されました。

 

キッコーマン株式会社では、嘱託社員から引退後は正社員になることが条件。上田氏は、現在、正社員として食育活動などの仕事をされています。

正社員として働くことに、全く不安はなかったと言う上田氏。1からのスタートと位置づけ、わからないことは周囲に聞き、一度聞いたことは二度聞かないと決め、必ずメモを取るようにして仕事を覚えたそうです。

人事部の熊本氏は、アスリートの集中力が業務でも発揮されていることを明かしました。

 

 

アスリート社員と一般社員との接点が少ないことが課題として上がりますが、上田氏は自分から大きな声で挨拶をするよう心掛け、コミュニケーションをとるようにしたといいます。社員の皆さんに自分をアピールすることが大事。上田氏は入社式に出席し、同期の社員と連絡を取れるようにしたことなどを話しました。

 

株式会社東京ビッグサイトからは、人事担当課長の平井祐也氏、リオパラ五輪パワーリフティング5位入賞の三浦浩氏が登壇されました。

 

現役選手である三浦氏は、週2回の勤務です。勤務内容は社員の福利厚生業務が中心です。

株式会社東京ビッグサイトの主な事業は、ビッグサイトの管理運営業務、展示会主催業務及びビル管理運営業務です。

東京ビッグサイトや各ビルには車いすの方や高齢者等、多様な方が来場します。また、車いすを常時使用する人材を雇用するのは三浦氏が初めてでした。

こうしたことから、ユニバーサルマナーという考え方に立ち、全従業員に対し基本的な知識の理解を深めることを目的として研修を実施したそうです。

 

三浦氏は、アスリート生活で時間管理能力と集中力を培ったと話します。

一般社員との距離を縮めるため、会社のイントラネットを活用し、自分が何をしているかをリアルタイムで情報発信をし、社員に共有しているそうです。

 

何に対しても物凄く前向きな三浦氏から、社員が刺激を受けていると平井氏は話していました。

今後の課題として、パワーリフティングについての情報を社員に届けることをあげ、パワーリフティングの魅力を伝える説明会や三浦氏の試合スケジュールの周知などをしていくそうです。

また、体重管理を必要とする競技ということから、三浦氏による「食と健康に関するセミナー」なども開催するそうです。

 

 

第1部のエンディングには、ロンドン五輪2012大会フェンシング銀メダリストで日本フェンシング協会会長の太田雄貴氏が登壇し、スペシャルメッセージを贈りました。

日本フェンシング協会はマーケティング活動に力をいれ、選手のプラットフォームにしていくと抱負を語りました。トップアスリートの採用は投資だといい、選手がメダルを獲れば企業メリットは大きいこと、アスリート雇用はダイバーシティの一環なので企業価値も上がると説明。

「アスリートの声を聞いて、経験をどう残していきたいかを聞いてあげて欲しい」と話しました。

 

 

第2部 JOC主催「アスナビ」説明会

アスナビは、JOC(日本オリンピック委員会)が企業への就職を望む現役トップアスリートと競技活動に理解を示す企業とのマッチングをする就職支援制度です。これまでに108社、159名の採用実績があるそうです。

この日は、2018年3月に卒業する学生アスリート達が、来場した企業に向けプレゼンテーションを行いました。

 

 

私の強みは、どんな状況でも前に出る精神力です!誰にも負けないものは「元気」。本気で金メダルを獲りに行きます。

 本間政丞選手(大東文化大学・テコンドー)

 

 

主将になり、誰かのために競技する選手になって欲しいと後輩達に話しました。私の強みは、人の気持ちを汲み取ることができることです。

福部真子選手(日本体育大学・陸上競技/100mハードル)

 

 

競技で培った分析力・行動力・コミュニケーション能力は、陸上だけでなく社会に出る武器だと思っています。

大田和宏選手(金沢星陵大学・陸上競技/走高跳)

 

 

射撃は、心の中のプレッシャーや邪念を払い無にして臨む競技です。寮生活で自立心や高い意識、環境の変化への対応力など人間力を高めました。

 上田ゆい選手(大原学園高等学校・ライフル射撃/ピストル)

 

 

競技と専攻のスポーツマネジメント学を通し、客観的に冷静に考えられる力がつきました。

油井快晴選手(順天堂大学・陸上競技/短距離)

 

 

七種競技は体力・集中力・思考スキルが求められる競技で情報処理能力が磨かれました。2020はやり投げでオリンピック出場を目指します。夢を叶えるまでは諦めません。支えてくれる周囲の方達への感謝、恩を忘れないように心がけています。

西村莉子選手(武庫川女子大学大学院・陸上競技/ 七種競技、やり投げ)

 

 

アルペンスキーは1/100秒を競うのが魅力です。大学からナショナルチームに入り、目標が国内から世界に変わりました。引退後は、海外経験・探求心・改革力を発揮し、企業に貢献するつもりです。

松本達希選手(早稲田大学・スキー/アルペン)

 

 

自分に足りないものを強化する練習をしてきました。ユニバーシアードに出場。コミュニケーションをとることで、人として成長することができると思います。

毛利 衛(東洋大学・競泳/平泳ぎ)

 

 

説明会終了後、ロビーでは参加企業が学生アスリートに直接ヒアリングをする様子が。

 

西村莉子選手に、競技の魅力と培われた力について聞いてみました。

やり投げの魅力は、他の投てき競技とは違い助走をつけることによる「スピード感」だと教えてくれました。スピード感の中で投げる感覚は、他の競技にはないものだそうです。

「陸上競技は見せる競技」と西村選手。競技中だけでなく、アップしている時も観客は観ていることに気づき、常に観られていることを意識して行動するようになったそうです。

何時人に観られてもいいように立ち居振る舞う。

 

トップアスリートの凛とした姿は、そういった経験から身についてくるものなのですね。

 

 

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