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第3回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール

ダンスの楽しさを生徒に伝えるスキルを学ぶ

キャリアアップ 2017/12/08

第3回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクール(主催 一般社団法人ダンス教育振興連盟)が12月3日、国立オリンピック記念青少年総合センター大ホールで開催され、決勝に進出した8人の出場者が模擬授業のパフォーマンスを行いました。

 

こんにちは学生スタッフの大杉瑠里です。
第3回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールの取材に行ってきました。

 

このコンクールはダンス指導者の指導方法、コミュニケーション能力、ダンス技術等を総合的に審査して優秀者を表彰するものです。

また指導者としての実力を競うだけではなく、指導者同士の交流や情報交換、互いの指導法を見て学ぶ場となり、ダンス指導者の資質・意欲向上とさらなるダンス教育の充実を目的としています。

 

ゲスト審査員には、ストリートダンス界のカリスマでジャニーズの振付師としても活躍する坂見誠二氏などの有名現役ダンサーや振付家を迎え、高校ダンス部などのパフォーマンスタイムも多く、ダンス好きには観覧するだけでも贅沢な空間になっていました。

パフォーマンス団体のジャンルや衣装、メイク、構成などはどれも個性が出ていて、とても楽しかったです。

 

 

決勝は、出場者が1分間で授業のテーマ、狙いをプレゼン後、5分間の模擬授業を行い、審査員との質疑応答を行うスタイル。審査員と観客を生徒に見立てて模擬授業を行うのですが、パフォーマンス団体が会場から盛り上げ、出場者を応援するといった気持ちのいい空気感でした。

 

 

 

決勝審査項目は、①礼儀、身だしなみ ②表情、態度 ③技術 ④声掛け ⑤安全面 ⑥音楽 ⑦人間性 ⑧指導の流れ ⑨評価基準 ⑩スペシャリティ となっています。

 

 

小学校低学年に東京五輪音頭の振りを教える授業を行ったダンスインストラクターの曽我めぐみさん。2020年の東京大会を楽しみにする心が育つように、小気味よく振付を説明していきます。

ピースは平和を表すと説明する場面があったのですが、審査員から「海外ではピースサインは笑顔でするものではないとされていますが、海外の人にはどう説明しますか」と質問がありました。曽我さんは、日本ではピースサインは嬉しい気持ちを表すことを説明しますと答えていました。

指導者は扱う内容について、背景や意味などを考慮し、どう対応するかまで準備しておく必要があることに気づきました。

 

年少児~小学2年生対象にラインダンスの授業を行ったのは、主婦の進藤愛実さん。

動物になりきる動きをさせる中で、色々な筋肉を鍛えるように工夫されていました。

子供の年齢に合わせてジャンプのリズムを変えたり、手の動きを加えたり、ひとりひとりに声かけをきちんとしていて、課題をクリアした子には難易度を変えて課題を与えたり、成功した子をよく褒めたりしています。

先生自身も生徒と一緒になってダンスをしていて、とても楽しそうでした。

 

審査員からラインダンスを行ううえで、どのような危険が想定され、安全確保のために何をするかという質問がありました。進藤さんは、子供達が移動する際にぶつからないよう目を配りますと答えていました。リスク管理の意識を常に持っておくことへの再認識になりました。

 

 

大学生で出場していた水谷桃子さん。「かっこいい振付をできるようにしよう!」と、人気のランニングマンの振りを取り入れるなど、子供達が楽しく取り組める工夫をしていました。

先生自身が手にスリッパをはめて、ホワイトボード上でボックスステップの足の動きを教えるアイデアは斬新で面白かったです。

 

 

中学校教師の小林郁子さんは、授業の冒頭で「仲間作りをしよう!」をテーマに掲げ、授業の中でも何度かこのワードを出しながら進めます。

オリジナルのゲームを取り入れたフォークダンスで、ルール説明をする際に、先生が動いて見せながらゆっくり、はっきり話すのでわかりやすかったです。

 

審査員からなぜ現代的な音楽を使わずにフォークダンスなのかと質問があり、「中学1年生を対象とした授業だから、感情表現を表すダンスを生徒たちに急にやらせるのは大変なので、まずはリズムをとれるようにするところから始めたい」と説明していました。

 

 

「世界のダンスで地球一周!ワールドツアー!」をテーマに授業を行ったのは、演出・教育ファシリテーターの北野三保子さん。楽しみながら世界に関心を持つきっかけを作るというコンセプトで、今回の授業はブラジルのダンス体験でした。

 

ホワイトボードにブラジルの国旗や地図、ポルトガル語の挨拶を書いた紙を貼り、ブラジルについて説明するところから授業を始めます。

ポルトガル語の挨拶を生徒に復唱させたり、ブラジルの位置を地図で指させたりと、序盤からは体験型になり、ダンスに入っていきます。

手拍子によるリズム取りや簡単な足の動きを見せた後、サンバに合わせて生徒に自由な感じで踊らせます。

途中から先生の掛け声とともに、生徒とコールアンドレスポンスをすることで、全体がひとつになっていきました。北野さんはこの授業を通して、言葉を超えてダンスが世界を超えるということを生徒に伝えたいと話していました。

 

小学校教諭の土谷宗玄さんのテーマは「わくわく、どっきり、○○体験」。

声がとても大きく、先生のペースで場の雰囲気を動かすのがとても上手だと思いました。

 

擬音語が書かれた紙をかるたとして床にばらまき、先生がランダムにめくった紙に書かれた擬音語を生徒が体で表現します。

「ざあざあ」や「ぽろぽろ」などひとつの言葉でも、生徒それぞれ全く異なるイメージで体を動かす様子が面白かったです。

生徒の表現力が養われるとても良い授業だと思いました。

 

 

小学校教諭の山下志穂美さんの授業は、「ダンスで冒険をしよう!」というユニークなテーマ。

先生がランダムに選んだ宝物や橋、ライオンなどの絵に描かれているものを音楽に合わせて生徒が体で表現します。

 

グループごとに取り組み、豊かな表現ができているグループがみんなの前で発表し、どういうところが良いのか先生が解説をすることで、他のグループの成長につなげていました。

 

 

療育ダンスインストラクターの平石舞さんのテーマは、発達障害を抱えた子供達がダンスを通して成功体験を重ねていくことを目的とした授業でした。

今年流行った「恋ダンス」をみんなで踊れるようにしようという目標を掲げ、ゆっくりと何度も復習しながら振付を覚えていきます。

動きを説明する際に例えを用いて、ゆっくりはっきりと言葉を短く切って話すので、わかりやすく進んでいきます。気づくと音楽に合わせて踊れるようになっている授業でした。

 

どの出場者もテーマが明確で、一貫性のある授業展開をしています。難しい振り付けをたくさんやるのではなく、ゲーム形式で簡単な動きを発展させていったり、何かになりきらせたりして、ダンスが苦手な子でも楽しく授業に参加できる工夫がされていました。

 

私自身、今まで自分が生徒として誰かに教えてもらうという立場にいましたが、先生は生徒のことをよく考え、飽きのこないように興味を持続させ、安全に授業をするための様々な工夫をしていることを知りました。

 

私は教職課程をとっていて、来年は教育実習を控えています。
生徒という立場から、生徒を育てる立場へのターニングポイントで、この取材を通し指導者に必要な視点を学ぶことができました。

 

 

 

昭和女子大学3年 大杉瑠里

 

 

 

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