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スポーツ庁委託事業(令和3年度スポーツキャリアサポート支援事業)「Athlete Career Challenge カンファレンス2022」

スポーツに励む学生像が変わった

ACC2022
キャリアアップ 2022/03/15

「大学生活をどう過ごすか」
入学時にそれぞれが自分の学生生活をデザインします。
卒業後を見据え、早くからビジネススキルを身に着けようとインターンを始める人もいます。
資格取得のための勉強に励む人もいます。
学生生活の締めくくりとして、学生にしかできないことをしたいと、部活やサークル活動、留学、アルバイトに励む人もいます。

WebマガジンRanRunは、学業とスポーツを両立して頑張る女子(スポーツ女子)の応援団として、スポーツ女子に有益な情報の発信に努めています。
社会人アスリートとして競技を続ける人もいますが、多くのスポーツ女子、スポーツ学生は就職活動をして社会に出ていきます。
スポーツを通し自分磨きをした学生が、社会で活躍するための「強み」の発見を一緒にしていきたいと考えています。

スポーツ庁委託事業(令和3年度スポーツキャリアサポート支援事業)「Athlete Career Challenge カンファレンス2022」主催 スポーツキャリアサポートコンソーシアム(SCSC)が2022年3月12日開催され、取材参加しました。

SCSCは2022年度、競技の枠を超えたスポーツ界横断のキャリアセンターを設立すると発表しました。
室伏広治スポーツ庁長官は、SCSCへのスポーツ競技団体の参加が少ないことを課題に挙げます。
競技ごとに存在する競技団体は一部を除き、小規模な予算とスタッフで運営されているため、アスリートのキャリア支援が重要なテーマと認識してはいても、競技参画人口の拡大や競技力向上等との比較から、なかなか手が回らないのが実情です。
SCSCは、競技団体ごとではなく、キャリアを軸としたスポーツ界横断的機能を有した組織を実現し、各団体と連携しながらアスリート人材のキャリア形成を支援する体制の構築を目指します。

 

アスリートが社会全体の活性化の推進者として活躍する社会へ
カンファレンスでは、3部構成によるトークセッションが行われました。
「アスリートが語るライフキャリアデザインの課題と提言」
「社会・企業で求められる人材とアスリート人材の可能性」
「アスリートキャリアコーディネーターが語る課題とアクションプラン」

 

トークセッションの話から、スポーツ女子、スポーツ学生の参考になりそうな言葉を紹介したいと思います。

今の自分を考え、自分に自信をつける 元女子ホッケー日本代表 小野 真由美さん 

小野さんは、ご自身の引退時の経験から、競技以外の自分の武器や方向性がわからなくなりがちなので、競技以外の部分も含めて「俯瞰した自分」を見ることが大切だと話しました。
現在、介護業界の企業で広報担当として勤務されている小野さんですが、介護業界は人手不足という課題を抱えており、現場のサポートに出たことで得た気づきがあります。
それは、「高齢者の今を支えていく」ということ。
ホッケー教室で子供にその楽しさを教えている小野さんですが、「体を動かすことの喜び」を子供からお年寄りまで伝えていきたいと話しました。

 

アスリートの強みは経験値の違い 元ラグビー日本代表 五郎丸 歩さん

企業スポーツとして展開してきたラグビーは、社員として企業に所属しているため、引退後のセカンドキャリアについて考える機会がなかったと五郎丸さんは言います。
ラグビー界もプロ化が進むなかで、セカンドキャリアを考えること、地域とのつながりを作ること等の課題が出てきます。
運営に携わりチケット1枚を売ることの大変さを知った五郎丸さん。
オープンなラグビー界にするために、色々な人に支えていただき、地域とのつながりを作っていく決意をみせます。
アスリートはチャレンジと失敗から学び、成功を生み出す経験の連続。
その経験値の違いが強みであり、「修正力のある」人材だと五郎丸さんは話しました。

 

ピッチャーの経験が活きている 元プロ野球選手 久古 健太郎さん

元ヤクルトスワローズのピッチャーだった久古さんは、引退後、就職活動を経て現在はコンサルティング会社に勤務されています。
ピッチャーは、バッター一人一人のデータを分析し、戦略を組み立てます。
この時のデータ分析の経験が、コンサルティングの仕事に活きていると話します。
日々挑戦だと話す久古さんは、自身が会社に貢献することで、選手に対する既成概念を取り払いたいと語りました。

 

年齢関係なく背中を押せるように パラ陸上日本代表 中西 麻耶さん

現役のアスリートである中西さんは、地域や支援者との関りについて、今の自分にできることは、自身の活躍する姿を見せ、競技についてアドバイスすること。
引退後のイメージとして、自分から地域に関わっていき、一緒に問題解決に取り組んでいくと話しました。
中西さんは、東京五輪では期待されながら6位入賞だったので、次のパリ五輪では世界記録を出して金メダル獲得が目標だと意気込みを語りました。
パリ五輪が開催される2024年には中西さんは40歳近い年齢になるが、自身が頑張ることで、年齢関係なく背中を押せるようにしたいと話します。

 

体育会学生の強みはコミュニケーション力 元Jリーガー 外池 大亮さん

このセッションでモデレーターを務めた外池さんは、自身の現役時代を振り返り、戦力外通告を受けた時に、引退後のことを考え8社でインターンをし、学びや気づきを得た経験について話しました。
また体育会の学生像について、「言われたことができる」学生から「チームの中の調整力やボトムアップ力」などの「コミュニケーション力」がある学生に変化してきたと言います。

 

 

競技を通し培ってきた力を競技以外の世界でも発揮し、活躍の場を作ることで、社会に貢献することができます。
スポーツを頑張る学生の皆さん、今の自分と向き合い、自信を持って社会に出て行っていただきたいと思っています。

RanRun編集部 やなぎゆき

 

 

 

 

 

 

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