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「社会福祉ヒーローズ」新たな福祉創りに挑戦する若手

池田すみれこども園
キャリアアップ 2022/01/29

選考基準は「社会福祉の世界を変える意欲と実績のある者」
全国社会福祉法人経営者協議会(以下、全国経営協/東京・千代田)は、社会福祉の第一線で活躍する若手職員を表彰する「社会福祉ヒーローズ」賞の受賞者6人を決定した。
“創意工夫を凝らした新たな福祉”を実践する、7都府県(秋田・埼玉・東京・富山・山梨・大阪)の6人に、本賞を授与する。
受賞者の平均年齢は32歳(2022.1.27時点)。
受賞者はそれぞれ、<コロナ禍でeスポーツやクラウドファンディング、YouTubeの活用>、また<地元のJリーグチームと協働した、高齢者の夢を叶えるプロジェクト>などに挑戦しており、これまでの福祉業界の常識にとらわれない活躍を評価した。

 

“日本一の福祉人”を決める全国大会を開催、ゲストに神尾楓珠さんが登場!
ファイナリスト6人は、プレゼンで“日本一の福祉人”を決める全国大会「社会福祉HERO’S TOKYO 2021」(2022年3月15日にオンライン開催)に進む。
当日、受賞者は、全国各地から生中継で参加。
地域での活動や仕事(介護・保育・障がい者支援等)への思いを事前収録したプレゼン動画で披露する。
審査方法は、学生らオンライン視聴者と有識者の投票形式で行い、最多得票者に最優秀賞「ベストヒーロー賞」を授与する。
イベントには、若者からも人気の俳優、神尾楓珠(ふうじゅ)さんがスペシャルゲストとして参加。

 

全国各地から20~30代の若手職員が応募、“社会福祉版の甲子園”
「社会福祉ヒーローズ」賞は2018年3月に創設し、今年が4回目の開催。
今回、全国の社会福祉法人から20~30代の若手を募った。
選考基準は「社会福祉の世界を変える意欲と実績のある者」。
大学教授や福祉分野の企業の代表など有識者による審査を経て、ヒーロー6人を決定している。

 

「社会福祉ヒーローズ」賞 ファイナリスト6人の活動内容 (順不同)

<障がい者のリハビリに「eスポーツ」活用!コロナ禍でも家族や他施設との交流に>

障害者施設「ほくと」でゲーム対戦競技「eスポーツ」に取り組む療法士と入所者

秋田県秋田市   北杜    作業療法士   若狭利伸さん(31歳・男性)

若狭さんは、勤務する障がい者支援施設「ほくと」で、入居している利用者のリハビリに、ゲーム対戦競技「eスポーツ」を2020年1月から活用している。
自身もゲーム好きである若狭さんは、脳性マヒや脊髄損傷の方らが、格闘やリズム、パズルのコンピューターゲームを楽しみながら“頭と体のリハビリ”ができるプログラムを実施。
利用者対抗の大会を開催するほか、他施設との交流を目的としたオンライン対戦も行っている。
コロナ禍で面会制限がある今では、YouTubeを活用した生配信で、家族からチャットで声援を送ってもらうことも。
2021年1月には、利用者がeスポーツの全国大会にも初出場した。
施設のデイサービスといえば、カラオケや料理が定番。
若狭さんはそんな業界の常識を打ち破り、eスポーツを新しいリハビリとして確立することを目指す。

「障がいの有無・年齢・居住地関係なく全国の人との交流ができるeスポーツは、障がい者のQOL(生活の質)を上げる画期的なツール。導入のノウハウを県内外の他施設や教育機関、地域コミュニティに普及したい」。
若狭さんの挑戦は続く。

 

<障がい理解啓発へ!コロナ禍で小学生向けDVD作製、今後は学校や地域催しへの訪問も>

小学生向けDVDを作成する山岡さん

東京都江戸川区   東京都手をつなぐ育成会   支援員   山岡寿輝さん (26歳・男性)

山岡さんが勤務する知的障がい者通所施設「さくらの家」では、「障がい理解」の啓発活動を実践中だ。
まず、障がい者への差別、偏見をなくす目的で、子ども向けの啓発用DVDを2021年3月に作製。
地元・江戸川区の教育委員会を通じ、区内の小学校69校に配布し、授業などで活用されている。
約24分の動画には「知的障がい者の行動の特徴」「障がいの模擬体験の様子」などを収録。
「さくらの家」では、障がい理解の促進で共生社会の実現を目指そうと、地域の学校や催しの会場などへの“訪問活動”を検討していたが、コロナの影響で断念。
そこで“動画”を活用する考えにいたった。

現在、山岡さんらは、未就学児向けの動画制作を進めており、2022年3月頃に完成予定。
コロナで断念していた訪問活動も諦めていない。
山岡さんほか職員有志8人で組んだ“キャラバン隊”が、地域の学校ほか現地に出向き、疑似体験等を通して、障がい理解につなげるよう意気込んでいる。

 

<地元のJリーグチームと協働!施設を利用する高齢者の諦めていた夢を叶えるプロジェクト>

カターレ富山と施設利用者の交流

富山県富山市    宣長康久会    課長・デイサービスセンター管理者    村井 博昭さん (35歳・男性)

デイサービスセンターに勤務する村井さんは、施設を利用する高齢者が諦めていた「夢」を叶えられるようサポートする「夢プロジェクト」を2021年4月からスタートしている。
100個ほどの夢が集まり、現在約5割が達成。
その「夢プロジェクト」は地域にも広がり、福祉とは異業種の“地元の人気プロスポーツチーム”や地域企業とコラボ。
地元の産業や地域資源を活かして、多彩な夢の実現に向けて動き出している。
例えば、高齢者がサッカーの応援を通して元気になることを目指す、サッカーJ3「カターレ富山」との取り組みでは、施設利用者と選手との交流会(写真上)を2021年12月に実施。
「いつまでも元気に地元のサッカーチームを応援したい」「外出自粛でスタジアムに行けないが、選手たちと話してみたい」というシニアサポーターの思いに応え、村井さんらが企画した。
選手との交流会は、オンラインでも実施している。

カターレ富山と施設利用者がオンラインで交流

高齢や障がい、認知症などを理由に諦めていた施設利用者の夢を実現していく本プロジェクト。
「夢は人生を動かすエンジン!その力で地域のみんなを巻き込んでいきたい!」と、村井さんは考えている。

 

<クラウドファンディングを活用しキッチンカー購入!コロナ禍で減る障がい者の就労機会を確保>

コロナで減る障がい者の就労機会確保

山梨県甲府市      和告福祉会    管理者   樋川真由佳さん (32歳・女性)

樋川さんは、勤務する就労継続支援B型事業所「和告(わこう)学園」で、インターネットを介し資金を調達するクラウドファンディング(CF)を活用。
コロナ禍で減ってしまった、精神疾患や知的障がいがある利用者の“就労機会と収入”と“コミュニケーション機会”の確保を実現している。
同事業所では、利用者の就労訓練のためのカフェレストラン「カフェ ヴィレッジ」の運営を手掛け、地元で親しまれていたが、コロナの影響で営業を縮小せざるを得なかった。
そこでCFを使い、利用者の新たな活動拠点としてキッチンカー(移動販売車)を購入。
160人もの支援者から、目標を上回る合計462万5,000円を調達することができた。
2021年4月から県内各地に出店し、こだわりのハンバーガーやホットドッグなどを提供。
利用者は接客や調理、ポップ作りなど幅広く担当している。

クラウドファンディングでキッチンカー購入したキッチンカー

樋川さんは、観光地やイベント、地元企業へ出向くことで、これまでカフェに来られなかった方々とも施設利用者との“つながり”を生んでいくことを目指している。

 

 

<高齢者自らが体を動かし楽器演奏!「能動的音楽療法」で認知症予防&生きがい創出へ>

高齢者と楽器演奏する都築さん

埼玉県さいたま市    ハッピーネット   副主任   都築健介さん (35歳・男性)

都築さんは、勤務する特別養護老人ホーム「中野林ゆめの園」で、高齢者自らが、体を動かしながら楽器演奏や歌唱をする「能動的音楽療法」によるリハビリを手掛けている。
幼少の頃からピアノの経験を持つ都築さんは、そのスキルも活かすことで、利用者がより積極的に楽しめる機会を生み出せないかと考える。
これまで施設で実施していたのは、音楽を聴くなどの“受動的”な音楽療法。
そこで音楽療法士の有資格者やキーボードの演奏ができる職員らとチームを組み、入居者が積極的に音を出す“能動的”な音楽療法の導入を進めている。
演奏経験が無くても音を出せる、ドラムやシンバルなどの打楽器を使用。
「ルールは設けず自由に、個々人の個性に合わせて楽しく、全身を使っての演奏」「使用する楽器によって叩き方を変えて、よりリズムを意識した演奏」の2つをモットーにしている。

利用者からも好評の「能動的音楽療法」。
精神的な安定や感情の表現、認知症予防といったリハビリの要素に加え、QOLの向上、また「高齢者の方々の新たな生きがいや楽しみを創出できる」と都築さんは考えている。

 

<こども園での“病児受け入れ”を実践、仲間と知恵を出し合い“できない”を“できる”に>

池田すみれこども園の谷口さん

大阪府寝屋川市   種の会   保育教諭   谷口智志さん (38歳・男性)

保育士歴15年の谷口さん。
勤務する幼保連携型認定こども園「池田すみれこども園」で、“病児の受け入れ”を実践中だ。
現在、同園には一型糖尿病と両耳難聴の子どもが通っている。
谷口さんの担任クラスにいる一型糖尿病の園児は、スタッフが協力し合い30分毎に血糖値を測定するほか、毎日の給食とおやつ前の注射を看護師が行い、給食室ではカロリーコントロールをしながらの配膳など、対応は多岐にわたる。

園児の血糖値を測定する谷口さん

うまくいかないことが続いたり、“命を預かる”という重圧を感じながらも、保育士や看護師、栄養士の仲間と知恵を出し合い、病気を理由に子どもの入園受け入れが「できない」ではなく、「どうしたらできるか」を前向きに考え、日々チャレンジを続けている。
谷口さんは以前の勤務していた保育園で、病気の園児がやむなく退園した経験がある。
「すべての子どもが幸せになる権利を求めていること、また保護者の方の就労、育児支援として、可能な限り支えとなれるような仕事をしたい」。
新たに持った強いこの気持ちが、いまの谷口さんの原動力になっている。

 

「社会福祉HERO’S TOKYO 2021 (社会福祉ヒーローズ トーキョー 2021)」 概要
主催者   全国社会福祉法人経営者協議会
応募資格  国内で社会福祉分野に従事する若手(20~30代)の男女 ※国籍問わず

ベストヒーロー賞選出方法
「介護」「保育」「障がい者支援」など、多岐にわたる社会福祉テーマのジャンルから、その活           躍が際立つ「HERO(ヒーロー)」計6人を選出した。
7人のファイナリストは、日本一をかけてプレゼンテーションコンテスト(2022年3月15日(火)   予定)に登壇。
有識者や専門家で構成された審査員、学生らがその内容を聞いて、「日本一、社会福祉を“チェンジ”する情熱にあふれていた人」に票を投じて、グランプリ(ベストヒーロー賞)を決定する。
(ベストヒーロー賞は当日決定し、同日に授賞式も開催)

URL      http://www.shafuku-heros.com/
※後日アーカイブ配信も予定

 

「社会福祉HERO’S TOKYO 2021」スペシャルゲスト 俳優 神尾楓珠さん

1999年1月21日生まれ。東京都出身。
2015年に俳優デビューし、2019年にはTVドラマ「左ききのエレン」で連続テレビドラマ初主演を務めた。映画では「転がるビー玉」「私がモテてどうすんだ」「ビューティフルドリーマー」(20年)、「樹海村」「彼女が好きなものは」(21年)などに出演。公開待機作に「20歳のソウル」「恋は光」(22年公開予定)を控える。

 

 

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