「キレイはカラダでつくられる」資生堂主任研究員 白土真紀氏

「美しく歩ける人は、心も充実しています」
笹川スポーツ財団 スポーツアカデミー2019が2019年11月22日(金)、 「私のための私の体。」ー女性×スポーツーをテーマに資生堂グローバルイノベーションセンターの主任研究員 白土真紀氏を講師に招き、笹川スポーツ財団(東京都港区)内にてセミナーを開催した。
スポーツに関する様々な課題を取り上げ、講義を通し課題解決を探るスタイルのスポーツアカデミーだが、女性×スポーツに焦点を当てシリーズでセミナーを開催するのは初めてだ。
20 代・30 代の女性が同世代の男性に比べてスポーツをする割合が少ないという調査結果が出ており、この世代の女性のスポーツ実施率の向上が課題となっている。
スポーツアカデミーでは、4回のセミナーをシリーズとして開催し課題解決に向け展開を試みる。
その初回として登壇したのが資生堂の白土氏だ。
女性の美とスポーツ「キレイはカラダでつくられる」
資生堂といえば名の知れた大手化粧品メーカー、女子学生なら日焼け対策や就活メイクなどで馴染みのある方も多いだろう。
主任研究員という白土氏の肩書を拝見し、化粧品の商品開発に携わっている方だと思っていたのだが、講義の冒頭、「私は体育科を卒業し、体育教師の免許も持っています」と自己紹介され驚いた。
白土氏の研究テーマは「表情の美しさ」や「所作の美しさ」など、化粧品で作る美しさとは少し異なる。
白土氏は自身がマネージャーを務める資生堂S/PARK Studioの取り組みについて紹介し、スポーツと美の関係性について話をした。
アクティブビューティー 「キレイな人」とはどのような人?
白土氏はスポーツと美の関係性を調べるうえで、動作の中でも「歩行」に注目したと研究の経緯を紹介。
美しく歩ける人は心も充実していることが判ったという。
そこで被検者にキレイに歩く練習を実施したところ、心の状態も良くなったという結果が得られた。
「自分に自信が持てるようになった」「気持ちに余裕が出てきた」などポジティブな心の変化が起き、それは表情の美しさへと繋がった。
こうした研究を基に作り出されたのが「モーションビューティーメソッド」だ。
イキイキとしたカラダは、ポジティブな心や豊かな表情を、さらにはしなやかな動作を作り出す。
資生堂S/PARK Studioは、心・体・姿勢や動作などトータルで美しい「アクティブビューティー」の実現を目指す新しい形のスタジオだ。
コンセプトは「キレイはカラダでつくられる」。
女性が無理なくスポーツを継続するコツ
女性のスポーツ実施率を上げるためにはどうしたらよいのか。
白土氏は6つのポイントを挙げる。
・健康、美容への関心
・五感刺激などのオプション
・効果実感
・日常生活の中で気軽に実施
・ライフステージに合わせて
・コミュニティ
アロマなどリフレッシュする香り、音楽、照明などをスポーツ時に取り入れることで効果実感も上がり、継続しやすくなる。
一人ではなかなか続けることが難しいが、一緒に取り組む仲間がいると継続しやすくなる。
就職、出産、育児・・・変化する女性のライフステージに合わせ、スポーツの取り組み方も変化。
そこで自宅でも気軽にできる運動を紹介してくれた。
写真はバスタオルをねじって作ったものだ。
椅子に腰かけて、タオルを頭の後ろで両手に持ち、両腕を上に伸ばす。
一度そのままの形で腕を下げ、また挙げる。
この上下運動を数回繰り返すとカラダがポカポカしてくる。
肩こりのある方は、肩周りが楽になるので試してみるといいだろう。
次に腰かけたまま上半身を右向き・左向きと交互にひねる。
この時、片脚が前に出ないよう意識することがポイントだ。
ちょっとした時間でカラダも心もストレッチされ、表情も柔らかくなりそうだ。
就活やプレゼンなど、緊張で表情が硬くなりそうな時に取り入れてみてはいかがだろうか。
取材 YukiYanagi
講師紹介
白土 真紀(しらと まき)
資生堂グローバルイノベーションセンター 主任研究員
筑波大学 医科学研究科修士課程修了
首都大学東京 人間健康科学研究科 博士後期課程単位取得退学
化粧行為による五感刺激が心身に及ぼす影響や、運動などの生活習慣S/PARK Studioマネージャーを兼務
資生堂S/PARK Studio https://spark.shiseido.co.jp/studio/