公益財団法人日本陸上競技連盟 (以下、日本陸連)が7月12日夕刻、7月26日に開幕するパリ五輪大会において、大会終盤となる8月1~11日に競技が行われるTEAM JAPAN(陸上競技)の結団式を開催しました。
大会に向けては、6月末の日本選手権終了時点で内定していた選手に加え、その後、2回に分けて、内定選手を発表。最終的に、選手・役員合計85名の選手団で臨むことになっています。
今回の結団式も、近年の国際競技会結団式にならって、オンラインでの開催となりました。
結団式には、国内外で準備を進める代表選手、選手団のコーチ、スタッフが、画面越しながら一堂に会することに。その模様は、限定公開の形で、関係者に向けてライブ配信されました。
16時から行われた結団式は、大学時代まで陸上競技に取り組み、現在は俳優・タレントとして活躍する一方で、リレーフェスティバルをはじめとする陸上界のさまざまなイベントで名MCとして知られている宇佐美菜穂さんが司会進行を担当。
「全陸上部のOB・OG、そしてファンの皆さまの代表として、熱いひとときを過ごしたい」という言葉とともに、スタートしました。
最初に宇佐美さんから、日本代表に選出された59名の選手が1人ずつ紹介されたのちに、帯同する役員とスタッフの一覧が掲示されました。
今大会では、男子35名、女子20名、補欠登録4名(男子3名/女子1名)の合計59名の選手と、26名の役員から成る総勢85名が、チームジャパンとしてパリで戦うことになります。
式辞の最初を務めたのは、日本選手団の監督を務める山崎一彦強化委員長。
この日の深夜に行われるダイヤモンドリーグに出場する選手に帯同して、滞在先であるモナコからの参加となった山崎委員長は、まずチームジャパンの結団に際して、「集団にならずとも結束力があり、実力発揮ができるチームをつくろう」「チームジャパンとしてのプライドを持って戦っていこう」の2つを提示。
選手たちに向けて、「“このオリンピックで結果を出してやろう”とか思わなくてもいい。
まずは今から全力で準備を行って、全身全霊で競技会に臨むだけ」と述べたうえで、「私たち1人1人の全力の姿を、私たちの陸上競技を、日本中に伝えられるように、みんなで結束して結団していければと思う」と呼びかけました。
また、オリンピックでは、サポートできるスタッフの人員が制限される状況になる点を示し、「なかなかフルサポートには至らないかもしれないが、(人員が少ない分)私たちスタッフが何倍もの労力で、皆さんをサポートしていく。
コーチングスタッフも皆さんと同じ気持ち。陸上界、皆さんの1人1人のために、全力を尽くしていきたい」とコメント。
「もう1~2週間後には、皆さんとお会いできる。笑顔で、パリへ向けてやっていきましょう」と締めくくりました。
次に、選手を代表して、今大会の男女主将に任命された飯塚翔太選手(ミズノ、男子200m代表)と北口榛花選手(JAL、女子やり投代表、ダイヤモンドアスリート修了生)が挨拶を行いました。
「開催まで残り3週間を切っているところだが、皆さんの準備がうまく行くこと、本番でベストパフォーマンスができるように祈っている。自分自身も、ベストパフォーマンスを出しきれるように、これからしっかり準備に励んでいきたい」と口火を切った飯塚選手は、「皆さんの今回の活躍が未来に繋がるように、陸上が注目を浴びて、次の世代に刺激を与えられるような、陸上界の存在を日本に見せられるようなパフォーマンスを、みんなで出していきましょう」と選手たちを鼓舞しました。
数時間後にダイヤモンドリーグ・モナコ大会に出場するスケジュールとなっている女子主将の北口選手は、結団式への出席は叶わなかったものの、動画でメッセージを寄せました。
2回目のオリンピック出場ながら、前回はコロナ禍での自国開催であったことから、「他国で行われるオリンピックがどんな雰囲気なのか、全く想像できていない」と話した北口選手は、「平和の祭典であるオリンピックのすべてを楽しみたい」とコメント。
そして、「決勝で悔しい思いをした東京大会から3年。(この間に)決勝進出から金メダルまで、確実にステップしてきたと思うので、(パリでは)メダル獲得を目標に、オリンピック本番まで試合を重ねながら仕上げていき、本番でまた歴史を塗り替えたい」と、自身の目標を力強く語るとともに、「チームジャパンとしての個々の頑張りは、必ずチーム全体の勢いになると思うし、これからの日本陸上界、スポーツ界の勢いになると思う。最高の結果を残せるように頑張りましょう」と仲間たちに呼びかけました。
続いて登壇したのは、尾縣貢日本陸連会長です。尾縣会長は、今大会は日本オリンピック委員会(JOC)のチームジャパン団長として、陸上を含むすべての競技をみていく立場で、現地へ入ることになっています。
まず代表入りを果たした選手と、それを支えた各選手のスタッフに祝福と敬意を示した尾縣会長は、「3年前の東京オリンピック。静まりかえった国立競技場を思い出す。今回、パリでは、皆さんは大観衆のなかで、競技をすることができる。本当に嬉しく思う」と述べ、「医療従事者の皆さんをはじめ、関係各位のご尽力、そして皆さんをここまで支えてこられたすべての方々があってこそ、皆さんの今がある。私たちは、このパリを、“感謝を返す場”としたいと思っている」と話しました。
そして、選手たちに向けては、「まずは、自己実現の場だと思ってほしい。皆さんがひたむきに頑張る、すべての力を出しきる姿を見て、多くの人たちは何かを感じてくれる。こうやって頑張っている1人1人が集まって、チームジャパンが構成されていく」と激励。日本選手団役員として指導やサポートにあたるスタッフ、さらには現地に帯同することになる各選手のスタッフそれぞれに対しても温かなエールを送りました。
最後に用意されたのは、選手団への激励の動画です。陸上ファンや、さまざまな大会の関係者などから寄せられた応援の言葉とともに、チームジャパンを鼓舞する映像が盛り込まれたモチベーション動画で、結団式は締めくくられました。
パリオリンピックは7月26日に開幕しますが、陸上競技は会期後半となる8月1日から11日までの日程で、競技が行われます。
日本陸連では公式ホームページ内に特設サイトをオープンし、チームジャパンの活躍をはじめとするさまざまな情報を随時紹介。
また、日本代表選手に向けた、ファンからの応援メッセージなども募集していく予定です。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム) 画像提供:日本陸連
【パリオリンピック日本代表選手記者会見】
【特設サイト】 >>https://www.jaaf.or.jp/olympic/paris2024/
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https://www.jaaf.or.jp/news/article/20471/
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▼陸上日本代表オフィシャルサイト
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