新入部員が「楽しぃ!」を連発。東女ホッケー部春リーグ戦

「カッコいい!」試合開始の様子に感動していたのは、東京女子大学フィールドホッケー部の1年生。それまでアップをしていた選手達が円陣を組みスティックをカチンと合わせると、スティックを掲げ、声を発した。
「自分たちもそう感じてたんだよ」
新入部員の言葉に、今春社会人になったばかりのOGが振り返った。選手達にとってもその瞬間は格別のものらしい。
平成20年度関東学生ホッケー春季リーグが4月1日に開幕、女子は1部リーグと2部リーグの17チームがそれぞれ優勝目指して戦っている。
2月に取材した東京女子大学ホッケー部が5月12日に試合をすると聞き、慶應義塾大学日吉ホッケー場に観戦に行ってきた。
同チームは2部リーグに属しており、この日の対戦相手は東海大学。
RanRunのホッケー初観戦だ。
フィールドはサッカー場より一回り小さい。木製の独特の形をしたスティックを使ってプラスティック製のボールを打ち得点を競う競技で、サッカー、ゴルフ、野球をミックスしたようなイメージか。
カーン! 響き渡る打球の音が心地よい。
サークルと呼ばれるシューティングゾーンがあり、その中からゴールに向かって打たないと得点にはならない。
後ろの席で応援していた1年生達が、互いにルールを確認しながら観戦しているおかげでルール解説になり助かった。
「あ、PCだ」と1年生。
サークル内で守備側に反則があると、ペナルティーコーナー(Penalty Corner)という、サッカーでいうPK(ペナルティーキック)のようなプレイの権利が攻撃側に与えられる。
驚いたのは、守備側の態勢だ。キーパーの他に4人が守備に回る。
これでは得点につなげるのもなかなか難しそうだ。
試合は、東京女子大のペースで進みシュートやPCが何度も見られたが、なかなか得点につながらない。
「あ~」OGのため息がもれる。
オフタイムにOGが主将の成田瑠奈さんに声をかける姿がみられた。
「1点獲れれば、あとは点につながるようになるんだけど」OGの祈るような声が聞こえる。
後半戦、選手達の声が出るようになってきた。
そして点が動いた。東京女子大が1点獲得。
すると、シュートを打つ球のコースもいい感じになってきた。
小柄なミッドフィルダーの#7酒井さんのナイスプレイの連続に、1年生も歓声をあげっぱなし。
自分もあんな風にプレイできるようになるんだろうかという1年生の声が聞こえた。
試合終了直前、2点目が入り東京女子大学が勝利。
主将の成田さん、勝利にほっとしたのかフォワードの齋藤さんをハグする姿が見えた。
試合観戦中、「楽しい~!楽しい~!」を連発していた1年生達。
後輩を見守り、声掛けをしていたOG。
「次回は快勝します!」と成田さん。
試合後の感想を求めると、「ビミョ~」と苦笑いした。
勝利はしたが、終始攻めの姿勢で優勢だったもののなかなか得点につながらなかったことを言っているのだろう。
2部リーグ優勝を目指すには、得点差をつけて勝利をしたいのだ。
実戦のなかでしか見えない課題はたくさんある。
今はどのチームも課題を明確にし、クリアするために練習を重ねる時期だ。
ホッケーもオリンピック競技のひとつ。
頑張るホッケー女子の応援に行ってみてはいかがだろう。
RanRun yukiyanagi