頭痛、我慢していませんか?

“女性が輝く社会”のためには、頭痛の的確な診断と適切な治療が必要です。
大塚製薬「女性の健康」プレスセミナー2022で、富士通クリニック 内科(頭痛外来)の五十嵐久佳(いがらし・ひさか)先生が「女性と片頭痛」についてお話しされました。

20代~40代の女性に多い片頭痛。
いつものことだからと我慢していませんか?
頭痛にもいろいろあり、症状も様々。
片頭痛と緊張型頭痛では、痛み方に違いがあるそうです。
月経前症候群(PMS)かもしれないし、そうではないかもしれません。
生活習慣を見直すだけで改善できるかもしれません。

五十嵐先生は、「あまりにも多くの人が、頭痛で困っていても受診していません。“いつものこと”と諦めている、“とりあえず薬を飲んでやり過ごそう”としています」とおっしゃいます。

多くの頭痛はコントロールできます。
特に片頭痛は新しい治療法があります。
頭痛で困っていたら専門医を受診しましょう。

五十嵐先生は、頭痛をがまんせず専門医を受診することの重要性について話をされました。

自分自身でできることー敵を知り,己を知るー
• 頭痛の種類を知る
• 片頭痛か緊張型頭痛か
• 誘発因子を知る いつどのような状況で起こるのか

1)自分の頭痛について「知る」

頭痛にもいろいろ

頭痛持ちの頭痛: 一次性頭痛片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など
病気の一症状としての頭痛: 二次性頭痛脳血管障害、脳腫瘍、感染症など

片頭痛と緊張型頭痛の有病者は合わせて世界で30億人いると言われています。

2)片頭痛と緊張型頭痛の特徴

片頭痛緊張型頭痛
頻度ときどきときどき、またはずっと続く痛み
部位片側が多い両側が痛い
頭痛の性状ズキンズキン脈打つような痛み締め付けられる、押さえつけられるような痛み
日常生活支障あり支障は少ない
体動による頭痛の増悪動くと痛みが増す動いても痛みは強くならない
悪心・嘔吐吐き気や嘔吐がある 顔が蒼白になる吐き気や嘔吐はない
光・音過敏光がまぶしい、音が気になる光過敏、音過敏はあってもいずれかひとつ

3)片頭痛の誘発因子

①ストレス、ストレスからの解放、疲れ
②寝すぎ・寝不足
③内因性因子:月経周期
④環境因子:天候の変化、温度差、におい、音、光
⑤ライフスタイル因子:運動、欠食、性的活動、旅行
⑥ストレス:ストレス過多,ストレスからの解放
⑦食事性因子:空腹、脱水、アルコール、特定の食品

参考文献:医学書院:頭痛の診療ガイドライン2021

②⑤⑦などは、生活習慣の見直しで改善できそうです。

③の月経に関連した片頭痛の特徴

  • 持続時間が長い
  • 痛みが強い
  • 薬が効きにくい
  • 再発しやすい
  • 毎月必ず頭痛が起こる
  • 月経前症候群や生理痛として片付けられてしまう

参考文献
MacGregor EA et al. Headache 2010;50:528-538
Pinkerman B et al. Cephalalgia 2010; 30:1187-1194
Vetvik KG et al. Cephalalgia 2015;35:1261-1268
Granella et al. Cephalalgia 2004;24:707-716

月経に関連した片頭痛を持っている女性の多くは、その頭痛を「生理痛の一種」と認識しているそうです。
毎月のことだと我慢しないで、専門医師に相談することで、パフォーマンスの低下を防げそうですね。

こんな症状は、他の病気が疑われます。

<危険な頭痛の見分け方>
• 突然激しい頭痛が起こった(何時何分!!)
• 日増しに痛みが増してきた
• 発熱が続く
• 手足の麻痺,しびれがある
• 物が二重にみえる
• 初めて吐いた
• 頭を下げると痛みが増す

ただし、何年も前から同じような頭痛を繰り返している場合は,一次性頭痛の可能性が高いです。

五十嵐先生が「頭痛対策の心得」をご紹介くださいました。

  • まずは頭痛を減らすことを目指そう!
  • ライフスタイルを大きく変えるのは困難でも、定期的な運動、バランスの取れた食事、適切な睡眠をとることで、健康を保ち、頭痛に対処することが容易になる
  • 誘因を避けるだけですべての頭痛を回避できなくても、医師の助言のもとに予防療法を行うことができる

自分の頭痛について「知る」ために、片頭痛が起きた時の記録をつけましょう!

 <チェック項目>

• 何時に起きて、何時に寝るか• あなたは1日、何をしているか
• いつ食べて飲むか• あなたを取り巻く環境
• どんなものを食べて飲むか• 天候は
• 胃腸の調子はどうか• 月経は
• 運動しているか• 頭痛の様子は
• 気分はどうか• 頭痛薬を飲んだ?、その効果は

 注意!!

頭痛薬の飲みすぎに注意が必要です。
「頭痛薬を常に1週間に2日以上の服用」は薬剤の使用過多による頭痛の危険があるそうです。
もともと頭痛持ちの人は要注意。
「薬剤の使用過多による頭痛」になってからは治療困難になります。
専門医を受診し、早めに対処しましょう。

CHECK!!

こんな時は受診しましょう!

•いつもの頭痛–1週間に2日以上鎮痛薬を飲んでいる
–鎮痛薬が効かなくなった
–頭痛が長引く
–頭痛で困っている
•いつもと違う頭痛–突然の頭痛
–痛みが徐々に増してきた
–麻痺やしびれなど、頭痛以外の症状がある
–発熱が続いている

POINT!!

★頭痛診療に熱心な医師の見つけ方

• インターネットで検索する– 日本頭痛学会ホームページ
• かかりつけ医に相談する
• 診療所・病院にポスター、パンフレットが置いてあれば相談する

自分の頭痛と向き合い、相談できる医師を持つことで、QOLの向上とパフォーマンスの発揮につなげましょう!

五十嵐 久佳(いがらしひさか)先生 プロフィール
昭和54年 北里大学医学部卒業.北里大学神経内科入局
平成元年,英国The City of London Migraine Clinicにて研修
平成2年 北里大学医学部内科(神経内科)講師
平成6年 宮内庁病院 内科医長.
平成12年(株)富士通南多摩工場健康推進センター長
平成17年 神奈川歯科大学附属横浜研修センター 内科学講座 助教授
平成18年 同、教授
平成24年 富士通クリニック勤務 頭痛外来を担当、富士通本社産業医
平成26年4月 北里大学医学部神経内科客員教授
■所属学会
国際頭痛学会
米国頭痛学会
日本神経学会(専門医、指導医)
日本頭痛学会(理事、専門医、指導医)
日本脳卒中学会(専門医)
日本内科学会(認定医)
日本神経治療学会
日本産業衛生学会
日本老年医学会(専門医)
日本医師会認定産業医

ranrun@ranrun

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