あなたは、月経前(3日~10日)にこんな状態になっていませんか?
しかも月経が来ると2,3日で治まる。
それは月経前症候群PMS(Premenstrual Syndrome)かもしれません。
<月経前の状態チェック>
・自分でもイライラしているがどうにもならない | ・なぜか毎月同じ時期に彼とケンカする |
・急に涙が出てくる | ・子供にママ怖いといわれる |
・不安になる | ・仕事中も眠くて仕方がない |
・ボーっとして何もやる気がしない | ・頭痛・肩こりがする |
・だるさを感じる | ・下腹部が痛い・張る |
・胸が張る | ・足がむくんでつらい |
・オリモノがにおう、かゆい | ・甘いものが食べたくなる |
・肌荒れ・ニキビができる | ・便秘になる |
・吐き気が出る |

PMS診断基準(米国産科婦人科学会)
症状 | 診断基準 |
身体症状 乳房の張り・痛み 腹部膨満感 頭痛 関節痛・筋肉痛 体重増加 手足のむくみ | ①過去3回の連続した月経周期のそれぞれにおける月経前5日間に、左の身体症状および精神症状のうち、1つ以上が存在。②月経開始後4日以内に症状がなくなり、13日目まで再発しない。 ③症状の発症が薬物療法やアルコールの使用によるものではない。 ④その後2周期にわたり症状が出る。 ⑤社会活動や学業、仕事に、明らかに支障がある。 |
精神症状 抑うつ(気分の落ち込み) 怒りの爆発 いらだち 不安 混乱 社会からの引きこもり |
(産婦人科診療ガイドランー婦人科外来編2020;日本産婦人科学会、日本産婦人科医会:174-176,2020改変)
PMSの原因はまだはっきりとわかっていないのです。
先ずは、PMSかどうかを「知る」ことからスタートです。
カレンダーに体調の変化をつけてみて、1か月の変化を確認してみましょう。

PMSは生活改善でかなり効果があります。
まずはライフスタイルを見直してみましょう。
■イライラの原因は、もしかしたら身体症状が原因かもしれません
⇒頭痛やむくみ、倦怠感はありませんか?
むくみとイライラなどの精神症状は、相関関係にあります。

★ライフスタイルの改善ポイント | ・適度な運動(有酸素運動) ・喫煙・飲酒・カフェインの取りすぎに注意 ・睡眠習慣の見直し |
☆食事・栄養で改善 | ・イライラ・落ち込みがつらい 積極的に摂りたいもの=タンパク質・Ca・Mg・Fe・ビタミンB6・イソフラボン NGなもの=刺激物・カフェイン ・食欲増進・甘いものが食べたい NGなもの=血糖値を急に上げる甘いもの 積極的に摂りたいもの=低GI ・頭痛・むくみ・乳房痛 NGなもの=塩分・アルコール 積極的に摂りたいもの=利尿作用のあるもの(カリウムやγ-トコフェロール) ・下腹痛 体を温める食事 |
☆セルフケア *フェムテックの活用 | ・月経周期アプリ ・PMSセルフチェック 「PMSラボ」 ・サプリメント ・デリケートゾーンのケア など |
*フェムテックとは、悩める女性の身体の悩みを技術で解決すること

尾西 芳子(おにし よしこ)先生
神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部編入学、卒業後、慈恵医大病院で初期研修、その後、日赤医療センター、済生会中津病院、育良クリニックなどを経てパークサイド広尾レディースクリニック、高輪台レディースクリニックなど都内クリニック院長を歴任。
現在は2人の子供を育てながら都内クリニックにて勤務。
すべての女性のかかりつけ医でありたいとの思いで診療を行う。
分かりやすい解説で雑誌、テレビのコメンテーター、ドラマの医療監修なども行っている。