「Women to Watch 2027」日本代表に入江早耶氏 5人の候補作家展から世界への切符
今年3月の国際女性デーに合わせて紹介した「Women to Watch 2027 ノミネート作家展」。
その候補作家5名の中から、広島市在住のアーティスト・入江早耶氏が日本代表作家に選出されました。
2027年には米国ワシントンD.C.のNational Museum of Women in the Arts(NMWA)で開催される国際展に出展し、世界各国・地域から選ばれたアーティストとともに作品を発表します。

消しカスから立体作品を生み出す独創的な表現

入江早耶(いりえ・さや)
岡山県出身/広島市在住
2009年広島市立大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。
ベルリン・ヴァイセンゼー美術大学でも学ぶ。
印刷物や日用品などの二次元イメージを“消し“、その消しカスから立体作品を生み出す独自の手法で、視覚文化における「表象と物質」の関係を探究する。
2019年、兵庫県立美術館で個展「純真遺跡~愛のラビリンス~」を開催。
神谷幸江氏(国立新美術館学芸課長)推薦コメント
入江早耶は、印刷された画像を消しゴムで消し、その消しカスから三次元の立体物を作り出すことで、二次元のイメージを再び立体として蘇らせます。
彼女の制作は解釈を加え、新たな物語を生み出すもので、本のなかの人物や植物、動物を、鮮やかな存在感とともに三次元の生命として立ち上がらせます。
博物誌の文献や新聞記事といった古い使い古された本に着想を得て、本の内容を物質化する入江の制作は、現代の喫緊の問題を取り込みながら、彼女自身の視点から書き換えていく行為でもあります。

展覧会概要
展覧会名
Women to Watch 2027: A Book Arts Revolution
会期
2027年4月9日~8月15日
※NMWA公式発表による
会場
National Museum of Women in the Arts
1250 New York Ave. NW Washington, DC 20005
主催
National Museum of Women in the Arts(NMWA)
テーマ
A Book Arts Revolution
Betty Boyd Dettre Library and Research Center, National Museum of Women in the Arts; Photo by Joy Asico-Smith

一般社団法人NMWA日本委員会について
2021年、NMWAからの要請により発足したNMWA日本委員会は、日本の女性アーティストによる表現を国境を越えて紹介し、社会の中に対話と理解を育むことを目的に活動しています。
2026年3月には、神谷氏が推薦する作家による展覧会を都内で開催。
また、アート業界のジェンダー・サーベイや、毎年3月の女性史月間に行うSNSキャンペーン「#5WomenArtists」「#女性アーティストの名前を5人挙げられますか」などの啓発活動も継続しています。
NMWAは、Time Out 誌2025年版「米国美術館トップ10」にて、MET、MoMA、ナショナル・ギャラリー、ウィットニーと並び選出されています。
https://www.nmwa-japan.com/activity/time-out-us-nmwa-top-10-museums

アートの世界では今もなお、女性作家の作品や活動が十分に紹介されているとは言えません。
そんな中で、女性アーティストに特化した美術館が国際的なネットワークを通じて才能を発掘し、世界へ発信していることは大きな意味を持っています。
入江早耶氏が生み出す、消しカスから立ち上がる新たな物語。
その独創的な表現が、2027年のワシントンD.C.でどのような反響を呼ぶのか注目したいですね。


