創造・進化する武道「躰道」を観戦 全国学生躰道優勝大会

躰道という武道をご存知ですか?
法形の美しさ、動きの速さ、空間を使った動態は圧巻です。
第51回全国学生躰道優勝大会(主催 NPO法人日本躰道協会)が11月3日、東京武道館(東京都足立区)で開催され、全国から集まった大学生躰士が技を競い合いました。
女子躰士の活躍をご紹介します。
総合優勝は東京大学が10連覇!!
総合優勝は東京大学。なんと今回で10連覇達成という偉業を成しました。
2位 千葉大学
3位 北里大学
最優秀選手賞に早稲田大学 木勢茉莉選手
技能賞 関西大学 田和 茜選手
個人の技量で勝負する「個人法形競技」
「法形」とは、他の武道で言う「型」になります。躰道は「創造、進化する武道」であることから、「型にはまる」ことを避け、「法形」と名付けられたそうです。
学生大会で行われる法形は10種類。主に男子が行う力強さを表す「体」の法形5種類、主に女子が行う整美性を表す「陰」の法形5種類があります。
躰道の面白いところは、選手が法形のなかで創造的な動きをした場合、それが基本技に則り意味のあるものと認められると、評価されることです。
個人法形は、ひとつのコートに二人の選手が入って、法形を行います。
審判は三人。技の正確性、威力や構えの美しさ、安定性などを判断し勝敗が決まります。
<女子個人法形>
優勝 関西大学 田和 茜選手
2位 北里大学 田代祥香選手
3位 千葉大学 井上文香選手
調和の美しさに感動した「団体法形競技」
団体法形では、5人の選手が動きと呼吸を合わせ同じ法形を行います。5人の呼吸がひとつに聞こえ、緩急をつけた動きがぴったりとそろう一連の動態に圧倒されます。
団体の個性を活かした法形は、見応えがあります。調和を重んじる団体法形は、男子も女子も動きの美しさに感動しました。
<女子団体法形>
優勝 東京大学
2位 千葉大学
3位 東京医科歯科大学
競技に臨む前、円陣を組んで心をひとつにするチームの姿が多く見られました。
防御をもって相手を制す「実戦競技」
実戦競技は個人戦と団体戦があり、他の武道で言う「組み手」になります。
ただ勝ちに行くのではなく、運足・運身を使い、相手に角度や勢いをつけて技を当てることで有効打と認められます。
ドスッ、流れるような足技でも、相手に当たると鈍い音が聞こえました。
団体戦は、5人1チームで戦います。選手には1~5番まで番号が与えられているのですが、その場で監督から〇番と指名がかかった選手が戦うというのも面白い競技です。
選手の番号の下には、技の名前が書かれています。
1番「旋・運」、2番「運・変」、3番「変・捻」、4番「捻・転」、5番「転・旋」となっていて、選手が自分の番号の技で有効打を与えると、「有効」が「技あり」と一つ上の判定になるそうです。作戦も評価のひとつになるのですね。
<女子個人実戦>
優勝 早稲田大学 木勢茉莉選手
2位 千葉大学 長谷佳奈選手
3位 東海大学湘南 元木理沙選手
<女子団体実戦>
優勝 東京大学
2位 東京医科歯科大学
3位 千葉大学
主役が5人の攻撃をかわし倒していく「展開競技」
敵に囲まれた主役が、縦横無尽にコート内を動き回り、敵を倒していく、まるでヒーローショーのような構成の「展開競技」。1団体6名で行う躰道独特の競技です。
背中に「主」と書かれた選手が主役、1~5の背番号の選手が脇役となり、主役は制限時間内に脇役を倒していきます。脇役の番号には、それぞれ「旋・運・変・捻・転」の技が対応していて、自分の番号の技を繰り出し主役を攻撃します。
派手な技に目を奪われますが、構えや運足、攻防の合理性、構成の創造性などが採点の対象となります。
<女子展開>
優勝 東京大学
2位 北里大学
3位 東京医科歯科大学
出場大学
![]() 北海道大学 |
![]() 北里大学十和田 |
![]() 福島県立医科大学 |
![]() 国際医療福祉大学 |
![]() 城西大学 |
![]() 東京国際大学 |
![]() 防衛医科大学校 |
![]() 千葉大学 |
![]() 東京医科歯科大学 |
![]() 大東文化大学 |
![]() 法政大学 |
![]() 二松学舎大学 |
![]() 早稲田大学 |
![]() 北里大学 |
![]() 国士館大学 |
![]() 東京大学 |
![]() 拓殖大学 |
![]() 東海大学湘南 |
![]() 東海大学清水 |
![]() 山梨大学 |
![]() 神戸学院大学 |
![]() 琉球大学 |
![]() 中央大学 |
![]() 東京医療保健大学 |
![]() 神奈川大学 |
![]() 新潟医療福祉大学 |
![]() 新潟青陵大学 |
![]() 関西大学 |
開会式で挨拶に立った日本躰道協会会長の工藤善巳氏は、躰道の各種大会は競技種目の覇者を決めるだけでなく、選手や役員の日頃の鍛錬の成果を検証する場として重要な機会であり、大会に関わることで、将来の職場や地域社会における活動につながるものであると話しました。
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