幽霊や妖怪を「怖いもの」としてだけではなく、”美意識” や “想像力” を映す存在として描き続けてきた日本文化。
その魅力を、浮世絵の専門家と能楽師という2人のスペシャリストが語り合う特別イベントが、12月5日、渋谷・セルリアンタワー能楽堂で開催されます。
大人世代だからこそ味わえる、“こわさ”を楽しむ知的な一夜。浮世絵と能・狂言から、日本人が育んできた「見えないものへのまなざし」をひも解きます。
■「こわいもの」を楽しんできた日本人
幽霊、化け物、妖怪――。
日本では古くから、人ならざる存在を「怖いもの」として排除するのではなく、物語や絵画、舞台芸能の中で親しみ、想像力の対象としてきました。
浮世絵や能・狂言は、その代表的な例です。
■浮世絵が描く“こわさ”の美
江戸の人々は、怪談を楽しみ、絵師たちは“こわいけれど目を逸らせない世界”を、豊かな色彩と細やかな表現で描きました。
太田記念美術館の主席学芸員・日野原健司さんは、近年人気を集めている “おばけ浮世絵” の魅力と、そこに込められた当時の感覚や遊び心を解説します。
■能・狂言に息づく“幽玄なる存在”
一方、能・狂言で描かれる幽霊や怨霊は、畏れと祈りが重なる存在。
ワキ方能楽師の安田登さんは、物語と所作に宿る「見えないものを見せる技」を語ります。
わかりやすく語る舞台解説にも定評があり、能初心者にも安心です。
■成熟世代にこそ響く理由
・“こわさ”を楽しむ感性は、人生経験を積んだ大人世代のほうが深く味わえる
・渋谷で味わう、静かな非日常体験
・チケット2,000円、夜19時開演という参加しやすい設定
・好奇心を再点火する「知的エンタメ」としての価値
華やかな渋谷の街に、少しだけ背筋が伸びる時間が訪れます。
◆開催概要
<渋アートスペシャルトークイベント>
太田記念美術館 × セルリアンタワー能楽堂
『浮世絵×能・狂言 大人もこわい!おばけのはなし』
- 日時:2025年12月5日(金) 19:00開演(18:30開場)
- 会場:セルリアンタワー能楽堂(渋谷)
- 出演:日野原健司(太田記念美術館 主席学芸員)
安田登(能楽師 ワキ方下掛宝生流) - チケット:前売 2,000円(税込・全席自由)
※当日券は残席がある場合のみ販売(2,500円) - チケット購入:https://my.bunkamura.co.jp/ticket/ProgramDetail/index/5370

日野原健司(太田記念美術館 主席学芸員)
1974年、千葉県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程修了。浮世絵専門の美術館である太田記念美術館の主席学芸員として、数多くの展覧会を企画。
浮世絵の歴史を幅広く研究しつつ、妖怪や園芸、旅といったジャンルの研究にも取り組んでいる。著書に、『ようこそ浮世絵の世界へ』(東京美術)、『ヘンな浮世絵』(平凡社)、『北斎 富嶽三十六景』(岩波文庫)、『ニッポンの浮世絵』(小学館)など多数。

安田登(能楽師 ワキ方下掛宝生流)
<プロフィール>
能楽師(ワキ方下掛宝生流)。日本や海外の能の公演に出演。また神話『イナンナの冥界下り(シュメール語)』でのヨーロッパ公演や、金沢21世紀美術館での『天守物語(泉鏡花)』、『芸能開闢古事記』など、能・音楽・朗読を融合させた舞台を数多く創作、出演する。NHK Eテレ「100分de名著」『平家物語』、『太平記』、『ウェイリー版・源氏物語』講師。著書多数。
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