皆さんは「えるぼし」を知っていますか?
「えるぼし」は女性活躍推進法に基づき、女性の活躍推進についての取り組み状況が優良である企業に厚生労働大臣から認定されるもののことです。
企業は都道府県労働局へ申請を行い、厚生労働大臣から認定された場合、えるぼし認定に伴ってえるぼしマークが付与されます。
マークは、企業側が女性活躍推進に積極的であることのアピールとして使うことができます。
⚫︎「えるぼし」とは
「えるぼし」の認定基準は「採用」、「継続就業」、「労働時間等の働き方」、「管理職比率」、「多様なキャリアコース」の5つの項目に分かれ、項目を満たした数により3段階に分けて認定されます。
えるぼしマークはこの段階ごとに応じて色が異なります。
さらに、令和2年度には特に優良な企業に与えられるプラチナえるぼしが作られています。
引用ページ
⚫︎「えるぼし」の認定基準
厚生労働省が公開する資料によると、「えるぼし」認定の基準は3段階に分かれており、段階ごとに異なる基準があります。
まず、「えるぼし」認定の1段階目は上記5つの基準のうち1つ又は2つを満たしており、満たさない基準においても事業主行動計画策定指針に定められた取り組みを行い、「女性の活躍推進データベース」に公表し、2年以上実績が改善され続けていることが求められています。
2段階目は5つの基準のうち3つ又は4つを満たしており、1段階目と同様、満たさない基準においても事業主行動計画策定指針が定めた取り組みを行い、「女性の活躍推進データベース」に公表し、2年以上実績が改善され続けていることが求められています。
3段階目は5つの項目全てを満たしている企業にのみ認定されます。
加えて、「えるぼし」認定をされる企業は段階問わず、5つの基準のうち満たしている項目においても、「女性の活躍推進データベース」に毎年企業が女性の活躍推進に取り組んだ実績を公表することが基準になっています。
認定1段階目
5つの基準のうち1つまたは2つを満たしている
認定2段階目
5つの基準のうち3つまたは4つを満たしている
認定3段階目
5つの基準全てを満たしている
プラチナえるぼし
特に優良な企業
⚫︎「女性の活躍推進データベース」について
「女性の活躍推進データベース」は、女性の活躍推進状況をデータベースに企業ごとに集約したものです。
企業は自社webサイトに、自社における女性の活躍推進の実績や行動計画を公開しています。
また、企業が他社の状況を閲覧することだけでなく、誰もが企業の公開する情報を閲覧することができます。
2016年に開始された当サイトは2024年10月18日現在、登録企業数は35,093社(データ公表企業)、48,158社(行動計画公表企業)にのぼります。
企業が公開する情報の掲載項目は全部で下記の13項目です。
①「採用した労働者に占める女性の割合」
②「採用における男女別の競争倍率又は競争倍率の男女比」
③「労働者に占める女性労働者の割合」
④「男女の平均継続勤務年数の差異又は男女別の採用10年前後の継続雇用割合」
⑤「男女別の育児休業取得率」
⑥「一月当たりの労働者の平均残業時間」
⑦「年次有給休暇取得率」
⑧「係長級にある者に占める女性労働者の割合」
⑨「管理職に占める女性労働者の割合」
⑩「役員に占める女性の割合」
⑪「男女別の職種又は雇用状態の転換実績」
⑫「男女別の再雇用又は中途採用の実績」
⑬「企業認定の有無」
情報の閲覧方法はサイト内の検索機能を使って行います。
企業名、業種、都道府県、従業員の人数、企業認定、データ項目、社内制度などそれぞれの項目から検索をかけることができます。
検索結果は選択した条件に該当する企業と現在の実績が一覧として表示されます。
ここでは企業同士で比較することができる他、企業名を押すと各企業の詳しい情報を見ることができます。
企業ごとの情報では、女性活躍推進法や次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画表が掲載されており、その企業が女性推進や教育においてどのような計画を行っているのか閲覧することができます。
⚫︎「えるぼし」認定企業の調べ方
「えるぼし」認定企業は「女性の活躍推進データベース」を使用して調べることができます。
上記に記載した方法で検索を行うと企業が認定を受けているか、また何段階の認定を得ているかを見ることが出てきます。
検索を行う際に企業認定の項目にチェックを入れることで、「えるぼし」や「くるみん」認定を行う企業のみを絞って検索することができます。
⚫︎「くるみん」とはなにか
女性活躍推進データベースでは、「えるぼし」認定の他に「くるみん」認定が表示されます。
「くるみん認定」は、申請を行った企業が、一定の基準を満たしており、子育てをサポートする企業として厚生労働大臣から認定を受けるもののことです。
「くるみん」認定は、より高い水準で取り組む企業にはプラチナくるみん、令和4年にくるみんとプラチナくるみんの認定基準の引き上げに伴って作られたトライくるみんが認定されます。
トライくるみんには令和4年の引き上げ以前の「くるみん」認定の基準が適用されています。
今回ご紹介した「えるぼし」認定を知ることで、女性の活躍推進や子育てサポートが充実している企業を見つけることができます。
就職活動をこれから迎える女子大学生の皆さんは、女性の活躍推進データベースを是非活用して、企業選びの参考にしてみてください。
⚫︎参考サイト
学生スタッフ 石井櫻子(昭和女子大学3年)