• 木. 1月 29th, 2026

義足は“隠す”から“魅せる”へ 義肢装具士・臼井二美男さん × イラストレーター・須川まきこさんの20年の歩み

かつて「隠すもの」とされてきた義足を、ファッションやアートの世界へと昇華させた二人の存在をご存じでしょうか。
日本を代表する義肢装具士・臼井二美男さんと、義足のイラストレーター・須川まきこさん。
彼らの出会いから20年にわたる歩みが、ウェブメディア『Maintainable(R) NEWS』のロングインタビュー(前後編)で公開されています。

義肢装具士・臼井二美男さんと、義足のイラストレーター・須川まきこさん

「好きな服が着たい」から始まった義足の新しい表現

「義足でもシルクのワンピースを着たい」
須川さんの願いを受け止めたのは、「現代の名工」にも選ばれた義肢装具士・臼井二美男さん。
医療器具としての“装具”ではなく、人生を彩る“創具”としての義足づくりへ。
臼井さんの哲学と、須川さんのアーティストとしての感性が融合し、義足がポジティブな自己表現のツールへと昇華していきました。
そして生まれたのが、義足を装着した女性たちが堂々とランウェイに立つ「切断ヴィーナスショー」。
須川さん自身もモデルとして出演し、観客の喝采を浴びました。

自らが描いた蝶の妖精と羽をまとった須川さん。
人間と人工器具が創造した新しい存在感を感じさせる。
(撮影・越智貴雄)

義足が広げる未来の可能性

臼井さんの研究室には、パラアスリート用のスポーツ義足から、女性がファッションで楽しめるオシャレな義足まで、さまざまな種類の義足が所狭しと置かれています。

東京パラリンピックで実際に使用された走ることに特化した短距離走用スポーツ義足や、写真家の蜷川実花さんの花の写真作品を大胆に採り入れたファッショナブルな義足まで、現在の義足は欠損した人間の下肢に新たな可能性を与えています。


江戸時代の歌舞伎役者から3Dプリンターまで、義足の進化と未来。

インタビュー後編では、テクノロジーの進化がもたらす義足の未来像に迫ります。
3Dプリンターによる製造、著名写真家・蜷川実花さんのアートを取り入れたデザインなど、進化を続ける義足の世界。
臼井さんは「最終的に必要なのは人の手と感性」と語ります。
そして須川さんが語る「義足は人生の翼になれる」という言葉の真意とは?

義足製造は現在、3Dプリンターも使用され、軽量性や多様な加工を行えるように技術進化しています。

二人が語る「人生のサステナビリティ」

「義足は“再生”ではなく、“新しい自分を創るパートナー”」
須川さんと臼井さんの対話は、ダイバーシティやインクルーシブ、ウェルビーイングといったテーマに通じています。
義足を通じて「人生の持続可能性」を考えるヒントを与えてくれるインタビューは必見です。

臼井二美男(うすい・ふみお)
1955年生まれ。
日本を代表する義肢装具士。
「現代の名工」に選出され、黄綬褒章を受章。
42年以上にわたり多くの義足製作を担当し、同氏の義足を愛用するパラリンピック選手も多数輩出している。

須川まきこ(すがわ・まきこ)
イラストレーター、大阪芸術大学客員教授。
義足ユーザーとして、義足をファッションの一部として魅せる「切断ヴィーナスショー」の衣装をデザインするほかモデル参加。
著書に「Lady Amputee in powder Room」など。

記事はこちらから
【前編】https://maintainable.jp/editorspick/artificialleg1/03/09/2025/
【後編】https://maintainable.jp/editorspick/artificialleg2/08/09/2025/

Maintainable(R) NEWS
「サステナブル(持続可能)」「サーキュラーエコノミー(循環経済)」「リジェネレーション(再生可能)」「メンテナンス(保守)」「ライフスタイル(暮らし)」の5つのジャンルを軸に、地球をメンテナンスする企業や研究機関などのニュースを領域横断でお届けするウェブメディア。
環境問題だけでなく、人々の暮らしや働き方、そして人生そのもののサステナビリティを問い直すコンテンツを提供している。

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