ボート全日本大学選手権 マネージャ―を支える「ありがとう」

「え、私達ですか?」
取材のお願いをすると、マネージャーさん達は、一様に驚いて半ば困惑顔。
マネージャ―は、選手をサポートする裏方ということもあり、自分達が取材対象になるとは思っていないみたいです。
でも、正直、RanRunの視点(頑張るスポーツ女子を応援)で取材をすると、マネージャーさんの話は、面白いのです。
今月からRanRunで学生スタッフとして参加している昭和女子大学3年の村田千明です!
学生スタッフとしての初取材は、ボート競技。
しかも全日本大学選手権大会の決勝戦!
私自身は、テニスを中学からやっていましたが、初の大会で一回戦負けしたというなんとも悔しい経験をした記憶しかありません。
決勝戦かぁ・・・
私が経験した予選の時とは、選手の意気込みも会場の雰囲気もまるで違うだろうなぁと、内心ビクビクしながら会場に向かいました(笑)。
ボートコース手前の国立艇庫前で、選手達の相棒として出艇するのであろうたくさんボートを見かけました。
どのボートも…縦には長いし、幅は(RanRunのBoss‘s Columnにもありましたが)「これで乗れるの?」と、思わず口に出してしまうくらい細いのです。
ボートの 姿に圧倒されつつ、いざ会場へ!
と思ったところで、またもや私は心臓が飛び出しそうなくらい圧倒されてしまいました。
それは会場から聞こえてくる声援です。
ボート競技初観戦の私は、会場の隅々まで響き渡る、選手を応援する人達の力強く大きな声援に、とってもビックリして、若干足がすくんでしまったのです(笑)
ボートコース沿いには、出場選手の友人、マネージャー、家族、母校への熱い愛校心を持つOBなど、たくさんの人たちが集っていました。
それぞれの思いは少し違うかもしれませんが、ただ一つ、「この大会で勝ってほしい!」という共通の願いが声となり、力となり、私を圧倒したのです。
そして、きっとその声は競技中の選手達にも、届いていたと思います!!!
「行けー!」という声援と共に、ボートはスピードを増し、ゴール目指してラストスパートをかけていきました。
そんな選手を支える人達の中から、ボート部のマネージャーさん達に話を聞いてきました。
先ずは、選手の応援をしているマネージャーさん達の様子をこっそり偵察。
レースを終えた選手のために用意した水筒やペットボトルを手にしているマネージャーが多い中、マグカップを所持しているマネージャーの一団がいました。
どうしてペットボトル等ではなくマグカップなのか、そして中身は何が入っているのか、無性に知りたくなりました。
理由だけでも聞きたい!と考え突撃。
なるほどぉ…と感心させられる返答が
突撃したマネージャーさん自身も、「詳しいことはよくわかりませんが」と前置きしたうえで、話をしてくれました。
競技を終えボートから降りた選手に、クールダウンを目的としてマグカップに冷たい飲み物を用意し、提供しているそうです。
カップの中身は人によっては違うかもしれませんが、スポーツドリンク等を入れています。
他大学のペットボトル等を持っているマネージャーさんたちも、同じように競技終了後に渡してはいますが、それは競技前に選手から預かったものを返しているだけなのではとの話でした。
そのマネージャーさん曰く、「試合お疲れ様です」という労いの気持ちも込めて、冷たい飲料水を渡しているのだそうです。
「直ぐにボートを片付け始めてしまう選手の行動を制御することも兼ねてね」と笑っていました。
マグカップの理由を知ってスッキリしただけでなく、選手を気遣うマネージャーの行動に、心が痺れます。心温まるストーリーがありました。
また、別の大学のマネージャ―さんは、朝練に出かける選手達のために、早朝から10合(!!?)のお米を炊いて、おにぎりを作っているというエピソードを話してくれました。
こんな風に支えてくれるマネージャーのいる選手の皆さんは、幸せ者ですね。
たくさんご紹介したいエピソードがあるなかで、
マネージャーさん達に話を聞いていて一番印象に残った一言があります。
競技を終えた後、4回生女子で写真を撮っていた立命館大学ボート部。
マネージャーの岩田美希さんと、沼綾美さんに話を伺いました。
懸命に選手を支え、試合に送り出すマネージャーの役割を務めてきた2人。
それでも、時々、「自分のこの行動をすることはなにか意味があるのか、本当に選手の支えになっているのか」と疑問に感じてしまう時もあるといいます。
そんな時、「ありがとう」と選手達からかけてもらった一言が、自分のことを肯定してくれた気がして、とても嬉しかったそうです。
逆に自分が支えられているのだと気づき、「マネージャーを続けられているのは、選手達のお蔭です」と語る笑顔がまぶしかったです。
話を聞いていて、いい話に泣きそうになりました。
「ありがとう」
この言葉はお互いを繋ぐ大切な言葉なのですね!
今回はみなさんお忙しい中取材をさせていただき、感謝しております。
ありがとうございました!!!
取材 村田千明(昭和女子大学3年)