• 火. 4月 14th, 2026

【ドクターハッシー/内科医 橋本将吉の健康コンパス】 第3回「なぜ緊張すると胃腸の調子が悪くなるの?」

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YouTubeやメディアでも活躍する内科医・橋本将吉先生(ドクターハッシー)が、ヘルスリテラシーを高めるための実践的な
 健康
知識をお届けする連載。医師だからこそ伝えられる“正しい情報”を月替わりテーマで解説します。

試験や面接、試合の前などここぞという大事な場面で、胃が痛くなったり、お腹の調子が悪くなったことはありませんか?
緊張が胃腸に影響するのだとしたら、予防策を講じておきたいところですよね。
第3回は、なぜ緊張すると胃腸の調子が悪くなるのか、自律神経と体調の関係を解説します。

内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
前回の記事では、診察室で自分の症状を医師に分かりやすく伝えるための「メモ術」や「オノマトペ」の活用法についてお話ししました。
実は、自分の身体の違和感を丁寧に言語化することは、自分自身のコンディションを客観的に把握し、未然に不調を防ぐことにも繋がります。

さて、3月も半ばに差し掛かり、いよいよ4月からの新生活が目前に迫ってきましたね!
卒業や転居、職場環境の変化など、新しい門出への期待に胸を膨らませている方も多くいらっしゃるかと思います。

しかし、この「環境の変化」こそが、私たちの身体にとっては大きな試練となることがあります。
「胃がキリキリして食欲がわかない」
「最近、なんだか寝つきが悪い」

こうした症状を感じたとき「自分のメンタルが弱いせいだ」と思い込んでしまう方が少なくありません。
ですが、それは心の問題ではなく「自律神経」という身体のシステムが、変化に対応しようとして必死にSOSを出している状態かもしれません。

そこで今回は、そもそも自律神経とは身体の中でどのような役割を担っているのか、そのメカニズムを解説しながら、新生活の緊張に負けないための自律神経の整え方を内科医の視点から詳しくお伝えします。

1. そもそも「自律神経」とは?

「自律神経が乱れている」とよく言いますが、具体的に身体のどの部分を指しているのか、実はあまり知られていません。
私たちの身体には、自分の意思で手足を動かす「運動神経」とは別に、自分の意思とは無関係に、24時間365日休まずに働き続ける「自律神経」というネットワークが脳から脊髄、そして各内臓や血管へと全身に張り巡らされています。
では、このネットワークが具体的に私たちの身体でどのような働きを担っているのか、詳しく見ていきましょう!

自律神経の役割
心臓の鼓動、呼吸の深さ、食べたものの消化・吸収、体温調節、発汗等
これら「生命維持に直結する活動」のすべてを24時間体制でコントロールしています。

自律神経の2つのスイッチ
自律神経には、活動モードの「交感神経」と、リラックスモードの「副交感神経」という2つのスイッチが、シーソーのように絶妙なバランスを取りながら機能しています。
車に例えるなら、交感神経は「アクセル」、副交感神経は「ブレーキ」です。
このバランスが環境の変化や緊張によって崩れてしまうのが「自律神経の乱れ」です。
これは性格や根性の問題ではなく、あくまで「神経系の調整機能の一時的なエラー」なのです。

2. 胃腸が悪くなる原因は緊張⁉ 脳と腸の密接な関係とは?

新生活を目前に控えた今の時期、特に顕著に表れるのが「胃腸の不調」です。
大切なプレゼンの前や、初めての環境に身を置くとき、急にお腹が痛くなったり、胃がムカムカしたりした経験はありませんか?
これには明確な医学的メカニズムがあります。

胃腸の働きは、本来「副交感神経(リラックス)」が優位なときに活発になります。
しかし、強い緊張やストレスを感じると身体は瞬時に「交感神経(アクセル)」を全開にします。
すると身体は「今は消化にエネルギーを使っている場合ではない。脳と筋肉に血を集めて危機に備えろ!」という緊急モードに切り替わります。
その結果、胃腸への血流や動きが後回しにされ、胃の痛みや食欲不振、あるいは腸の過剰な反応(下痢や便秘)を引き起こすのです。
まさに、脳が感じた緊張が自律神経を介してダイレクトに胃腸に伝わっている証拠です。

3. 新生活への緊張 + 激しい寒暖差:春は自律神経の「限界突破」に注意

4月からの新生活に向けた「社会的」な緊張に加え、今年の春先は「物理的」なストレスも重なっています。

  1. 環境の変化(社会的ストレス)
    昇進や転職、入学などは「嬉しい変化」ですが、脳にとっては等しく大きな刺激(ストレス)です。
    この「見えない緊張」が交感神経を刺激し続けます。

  2. 激しい寒暖差(物理的ストレス)
    今年の春先は、昼間は春の陽気でも朝晩は冬のような寒さに戻るといった、気温のアップダウンが非常に激しいのが特徴です。
    自律神経は体温を一定に保とうとしてフル稼働し続けており、いわば「オーバーヒート」を起こしやすい状態にあります。

この「緊張」と「寒暖差」のダブルパンチによって、血液検査などでは異常が出ないのに「身体がつらい」という状態が生まれやすくなっています。

4. 医師が教える、緊張からくる自律神経を整える「3つの習慣」

4月からの新生活を健やかにスタートさせるために、今から取り入れられる対策を3つご紹介します。

  1. 「朝一杯の白湯(さゆ)」で内臓からスイッチを入れる
     自律神経と密接に関係している胃腸を内側から温めることで、副交感神経のスイッチが入りやすくなります。
    朝一番に「ホッとする」物理的な刺激を与えることが、一日のリズムを整える鍵です。
  2. 「吐く息」を意識した深い呼吸
    自律神経は自分の意思で直接動かせませんが、唯一「呼吸」を通じてコントロールが可能です。
    4秒吸ったら、8秒かけてゆっくり吐く。
    吐く時間を長くすることで、強制的にリラックスモード(副交感神経)へ導くことができます。
  1. 首の後ろを温めてリラックス
    首には太い血管と自律神経の通り道が集中しています。
    お風呂上がりのストレッチや、シャワーを首の後ろに当てるだけでも、全身の緊張がほぐれ、神経の昂りが鎮まりやすくなります。

さらに、緊張の影響をダイレクトに受けてしまう「胃腸」を直接いたわってあげることも忘れないでください。

もちろん消化に良い食事も大切ですが、不調を感じたときは我慢しすぎず、整腸剤などを活用して「物理的に整える」のも賢い選択です。
胃腸が楽になると、自律神経の負担もグッと軽くなります。

やはり胃腸を整えることは、毎日の健康を支える「一番の土台」です。
だからこそ「忙しい日常の中でも、無理なく続けられることをしてほしい」
そんな想いを形にするために、現役内科医である私が一から作り上げたのが『乳酸菌V28』です。

「乳酸菌V28」は、約500億個の死滅化乳酸菌と高活性なケフィアを配合し、生きて届く実効量と継続的な腸内活性を最大化させました。
さらにビタミン・ミネラルで栄養を補いつつ、人工甘味料不使用という徹底した質へのこだわりで、毎日安心して続けられる設計にしました。

こうした腸内環境へのアプローチを、歯磨きのように日々の習慣にそっと添えてみてください。
便利なものに上手に頼りながら、自分自身を支えることも大切です。

まとめ:その不調は、身体が発している「準備運動のサイン」

こうして日々の習慣や物理的なケアで身体をサポートすることは、心に余裕を取り戻すための確かな一歩となります。

緊張によって胃腸の調子が揺らぐのは、あなたの心が弱いからではなく、自律神経があなたを守ろうと懸命に働いている結果にほかなりません。
ですから、思うように身体が動かない日があっても、「自分はメンタルが弱いから……」と自分を責める必要は全くありません。

もし「なんだか変だな」という感覚が続くようなら、ぜひ「どんなときに、どんなふうに(オノマトペ)」身体が悲鳴を上げているかをメモしておいてください。

書き溜めたメモは、自分の「不調のパターン」を知るための貴重なデータになります。
「大事な仕事の前は必ず胃が重くなる」
「睡眠不足の翌日は痛みが強い」
といった傾向が見えてくれば、あらかじめ温かい飲み物を摂ったり、早めに休息を確保したりと、自分に合った対策を先手で打てるようになります。
また、受診の際にそのメモを医師に見せれば、より迅速で的確な診断にも繋がります。

自律神経を整える第一歩は「自分の身体の頑張りを認め、意識的に休ませてあげること」です。
心の問題と切り離し、医学的な視点で自分の身体を適切にケアしましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。
内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)でした。

橋本 将吉先生プロフィール

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内科医。
高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。

2011年に「医学教育という専門領域から、日本と世界の明るい未来を創造する」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。
将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。
2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。
ヘルスケアアカデミー事業の一環として、企業や学校等でセミナーを開催している。
また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、口腔ケアタブレットをはじめとする健康製品を展開している。
「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。

リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
医学生道場:https://igakuseidojo.com/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/

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